僕は時にゆっくり走り、また時に速く走りますが、どうやら、速く走るだけが速く走る道ではないようです。

 そんな考えに基づきながら、「フルマラソンのタイムを伸ばすなら」という連載を続けて来ました。

 

 僕はここまで、随分色々と書いて来ましたが、速く走っていく上で大切なことは

①3時間を走り抜ける足を作ること

②走るスピードの幅を広げること

の2つに集約されます。でも、その前に実はスゴく大切なことがあります。

 今日はそこについて書きたいと思います。

 

 

■痛みがない走りはできるのか?

 そうです、走る時に痛みがないことは極めて重要です。

 

 僕自身を振り返りますと、疲労骨折に出会った時、マラソンを続けるなら痛み・故障と付き合い、痛み・故障を乗り越えるのか、と考えました。

 その時に出した思いは「痛み・故障は味わいたくない」ということで、「痛み・故障なしに成長できる方法を見出したい」ということでした。

 

 そこに取組む中で、再び疲労骨折を起こすことはなく、唯一、冬の季節に軽い故障になるのがシンスプリントでした。そして、この2年はアキレス腱を腫らすことがありましたが、大きな故障とならずに過ごして来ました。

 今、振り返っても、あのままの練習方法を続けていたら?と思うことがよくあります。

 

 

 時に、僕の考え方は間違えていないか?僕だけが偶然の結果を見てるんじゃないか?と思うので、何人かの友人と練習して来ました。客観性を持たせるために、少しだけ書かせて頂きます。

 実は何人かの友人で作った大竹塾で取組んで来ました。具体的に取組んできたことは「踵着地からの脱却」「オクムでの練習」でした。

 というのは、短い距離は良いのですが、距離が延びた時に失速したり、膝の痛みが出てしまうんです。

 そこで、フラットからフォアフットに近い着地に切り替え、更に、走るスピード幅を広げて来ました。特にオクムでのロングジョグは非常に効果的で、キロ7〜8で走って来ました。

 1人は先日紹介した友人です。上尾ハーフでPBを更新した後、小江戸ハーフで更に更新しました。もう1人は小江戸ハーフが2nd.bestでした。

 「再び痛みを起こしたくない」ということを基点に、取組む姿勢はスゴいですよね。でも、2人とも時間を掛けて取組んで来ました。そして、競う訳ではなく、刺激を与え合いながら、伸びて来ました。

 

 そして、もう1人。

 踵着地からフォアフットに切り替え、ストライド重視のフォームからリズム重視に切替えて、取り組んで来ました。以前は痛みを堪えて走り、痛み止めを飲んで走って来た友人です。

 次のレースで大きな効果や成長が出せるか?は分かりませんが、走るスピード幅が広がり、体調が良くなっています。100%達成できるとは言えませんが、それでも、良い結果が出たら嬉しいですね。

 

 結果は確かに大切です。

 でも、1番大切なことはプロセスです。

 仮に偶然で結果が出せても再現性がなく、更なるベスト更新は期待できないからです。ですから、プロセスを重視して、例え、その時は達成できなくても、次、その次とタイムを伸ばせる可能性がある訳です。

 

 

 僕自身もコロナ禍が終息に向かってきた今、取組んできた内容を結果に繋げないと思います。

 

 

■更なる成長を目指したい

 先に書きました通り、

①3時間を走り抜ける足を作ること

②走るスピードの幅を広げること

という中で、サブ3.5を目指す方には①を、サブ3.5以上を目指す方には①と②をお勧めしたいと思います。

 

 やはり「走るスピード幅を広げる」ことが大切です。

 特に、平日はスロージョギング、週末に距離走とロングスロージョギングというのがお勧めです。距離走はここまで30km走を中心にしてきましたが、可能なら、30kmからのペースアップを加えることをお勧めします。

 距離走では30kmで止める方が多い中で、30kmからペースを上げることは大変です。そのために、先にジョグを加える方法もあります。

 40kmまで走る必要はありませんが、35kmを目標に取組むと効果が高くなります。

 

 この練習は自信が高くなりますが課題があります。

 それは練習でのダメージが大きいことです。今までの1週間のリズムでは疲れが抜けきらないかもしれません。ですから、平日のスロージョギングはよりゆっくり走る必要が出てきます。このために、走るスピード幅が広がる訳です。

 ところが、初秋は距離走のペースが遅いですが、まだ気温が高いので、スロージョギングのペースが遅い状態です。晩秋に向けて、気温が下がって、距離走のペースが上がります。このため、スロージョギングのペースがより遅くなります。つまり、スロージョギングはいつも同じではなく、季節によって、距離走が変化して、それに伴って、スロージョギングのペースも変化するということです。

 特に、スロージョギングと距離走とのスピード差を広げるのは不安もあるので、初秋は少し狭く、結果と自信から段々と広げていくことになります。

 

(かすみがうらマラソン2023のゴール後から。この時は彩湖ウルトラの翌週でしたので、前半は3:50/kmで走り、ペースメイクをさせてもらった上で、周りにランナーがいなくなった処からペースを上げました。ネガティブスプリットは非常に充実した気分でゴールできますね。これが次にも頑張れる内容なんだと思います。この時は春の最後だったので、改めて頑張って取組みたいと思います)