自分では驚きながら「フルマラソンのタイムを伸ばすなら」を書いています。
色々な気付きがあり、色々な取組みとつながり、僕自身の走りが成長する余地があるのだと改めて感じています。
特に、2022年度は残念ながら、自分の良い処を伸ばせなかったんです。コロナ感染での後遺症は本当に長く、様々な影響を及ぼしました。フルマラソンをしっかり走れる身体に戻すのが精一杯で、一番タイムの良かった別大さえ32kmから貧血が怖くてペースを落としました。
コロナ禍に突入してから、自分の走り方を進化させようと取組んで、積み上げてきたことがすべて流されるような感覚でした。
股関節の動きが悪化して、身体の両サイドの筋肉(例えば外側広筋)ばかり遣う状態だったり、脹脛の筋肉で走っていました。思い返せば、コロナ感染明けに走った際、友人から「いつもの走りと全然違う」と言われました。
その時は僕自身が変化に気づけていませんでしたが、時間が経つにつれて、違いを理解して、下手をしたら、その走りが定着化するかもしれないと必死にリハビリでした。
貧血にも驚きましたが、様々な課題を乗り越えて、やっと体調が戻ってきた感覚です。
それだけに、この連載を始めた時、僕自身がフルマラソンのタイムを伸ばしたいと強く感じていたんだと思います。
今日は普段より1段階上のタイムについて、書いて行きたいと思いますが、ここまで僕の話を書いて来ましたので、僕の今の取組みについて紹介させて頂こうと思います。
■身体全体の筋肉を使うフォームへの進化
多くのランナーさんを見ていますと、筋肉の付き方が大きく2つに分けられます。これを分けるのは「僧帽筋」です。僧帽筋が発達される方は太腿や脹脛も筋肉が発達されています。これに対して、僧帽筋が発達していない方は特に脹脛の筋肉がスッとしている傾向が強いです。
この違いは速筋と遅筋の比率に関連していると思いますが、この比率はフルマラソンのタイムとは直結していまん。更に、中間という方もいらっしゃいます。
僕自身は後者です。子供の頃から、筋肉が付かない体質でした。ですから、より多くの筋肉を総動員するのと同時に、無駄を省くことを意識しています。
実は2020年を迎える時に決めた目標が2時間30分切りでした。それを達成するために決めたのが、背筋を活用したフォームへの進化でした。
2019年は内転筋を活かした蹴り(蹴った足が外に出る)への進化を目標に取組み、結果を出せたので、更に発展させることを考えました。が、コロナ禍でなかなか結果に繋げられませんでした。
今はようやく走る時に広背筋の動きを感じることができるようになりました。
特に、友人とは股関節の縦回旋と呼んでいますが、股関節を上下させる動きと、ツイストさせる動きを合わせると、股関節を横から見ると、縦長の円を描きます。
この動きは股関節を持ち上げるのに広背筋を使えるんですね。
誰かに教えてもらう訳ではなく、自分で考えながらの取組みですから、いつも上手く進められるとは限りません。時に失敗する時もありますが、自分に合った取組みかなぁと思っています。
(時折、レッズランドで尾池コーチのアドバイスをもらう時があります)
■もう1つの取組み:コンパクトで強い蹴り
こちらは縄跳びにつながるのですが、僕の走り方は高いピッチに特徴があります。高いピッチにはコンパクトな動きが必要なので、その中で強い蹴りを出すのは大きなチャレンジだと思っています。
大切なことは、スイートスポットのような跳ねるポイントで着地して、瞬間的な蹴りを繰り出すことです。
言葉で分かっても、非常に短い時間で蹴ることは大変です。ここはコンパクトな股関節や膝の動きでピッチを増やすアプローチとコンパクトな蹴りでストライドを広げるアプローチがあります。
これは両方を試して考える必要があると思っていますが、できるなら、ストライドを広げたいという希望があります。
でも、Vaporfly NEXT%3を履いた時にピッチが高くなった点は見逃せませんでした。自分の良い処を伸ばすと考えますと、ピッチを高める方が向いているかもしれませんね。ここは自分の動きをシャープにした後でピッチとストライドのバランスを考えたいと思っています。
■スロージョギングからの取組み
僕の練習方法はスピードによらずフォームの変化が少ないことに基づいています。勿論、スピードが遅くなりますとフォームがコンパクトに、スピードが速くなりますとフォームがダイナミックになります。
勿論、初めからできた訳ではなく、僕自身が練習を通して、スロージョギングがレースでのフォームに影響があることに気付き、それなら同じにしようと取り組んだ成果です。
スロージョギングはスピードがゆっくりなので、ランニングフォームを確認して、意識しながら走れます。
そして、身体に定着させた後に、ペース走で繰返し、走ります。そうすることで、新しいフォームに進化させています。
この進化によって、スピードを高めるのが僕の練習方法です。