「フルマラソンのタイムを伸ばすなら」という試みも一旦の区切りが近づいています。

 夏の間は、1度、自分自身の気持ちを緩めたいと思っているからです。

 

 やっぱり文章でマジメに書きながら、自分自身はリラックスというのはなかなか難しいなぁと感じます。秋に向けて、僕も気持ちと身体を緩めさせて頂いた上で、また取組もうと思っています。

 と書きながら、実際はまだ話がピークに近い処ですよね!

 しっかり書き上げたいと思います。

 

 前回は3時間20分→3時間10分を目指す中で身体の軸の大切さを書かせて頂きました。

 特に、サブ3.5とサブスリーの間は練習方法が変わる部分があることを紹介しました。サブ3.5には足作り、3時間10分切りを目指すには身体の軸と紹介しました。

 

 

 今回サブスリーを目指すのに、何が必要なのか?を書いてみたいと思います。

 

 

 

■3時間10分→サブスリーを目指す方に

 これは間違いなく言えることですが、サブスリーを目指すのではなく、2時間55分を意識して練習することが大切です。

 その理由はサブスリーの達成には心と身体の余裕が必要だからです。

 例えば、サブスリーは4:13/kmで初めから最後まで走る!と考えれば良いですが、実際は少し違います。それは自分の手元時計と公式距離にはズレがあるからです。普段に使う時計の距離がズレている訳ではなくて、公認コースは最短距離で測るからです。実際の距離が1%程度長いのが普通です。ですから1kmあたり3秒位の余裕がほしい処です。

 ところが、多くの方はサブスリーペースで練習されますし、余裕をもった形で走られるとは限りませんから、この違いの前に弾き返されてしまう方もたくさんいらっしゃいます。

 

 僕が2時間55分と書きましたのは、こうした距離のズレで焦らないで済むことや最後まで冷静にレースを運ぶためです。そして、サブスリーはゴールではなく、次のスタートでもあるからです。

 ですから、4:05〜4:10/kmを余裕を持って走れるように、したいですね。

 

 

 この余裕を生み出す取組みで大切なことは爆発力です。

 僕の周りにはサブスリーを目指すランナーさんがたくさんいます。皆さん、非常に一生懸命です!恐らく真剣さという面ではサブスリー手前というのは一番気持ちが入っているように見えます。

 

 そうなんです。

 マラソンに真正面から取組むのは良いのですが、成長するには緩みが必要なんです。

 いつも一生懸命なので、本番のレースを考えた時に練習からの上積みが足りないかもしれません。それを爆発力と呼びました。

 

 

 例えば、いつも同じコースを走ってませんか?そして、いつも同じ距離を走ってませんか?

 

 いつも同じコースを走っていますと、無意識のうちにスピードが上がります。それは路面に対する心配が減り、周回や往復なら区切りまでの残り距離が分かるからです。本番のレースは走る間に、段差やカーブなど気を遣う場面が出てきます。そんな時に、こんなはずじゃないというギャップが生まれます。

 あるいは距離が同じですと、残り○kmだから行けると先読みしちゃいますよね。でも、本番レースは距離が違いますし、いつもとスピードが違うので、残り○kmの感覚も異なります。

 つまり、同じコースや同じ距離はダメなんですよね、

 

 いつの間にか、変化に弱い気持ちと身体になっているんです。

 それに、普段と違うペースになると、途端にモロイんです。また、路面がボコボコだとスピードに乗れないんです。え?こんなに練習してきたのに、とか、走る間に不安がよぎるので、能力を爆発させたくても爆発させられないんです。

 

 

 ここに、いつも同じコースや同じ距離で練習する時の課題があります。

 毎日コースを替える必要はないと思いますが、走る距離はできるだけ1週間の中で長いと短い日を作った方が良いです。一定距離に身体が馴れてしまうのを防ぐためです。

 まだ、ベストのバランスは見えていません。僕を1例として、紹介します。

 以前の僕は平日が15kmと30km、週末が30kmにしていました。今は平日が20km程度で、週末が30〜50kmにしています。もう少し平日のバリエーションを広げたいと常に思っています。

 

 

 夏の間は良いですが、秋に向けてスピードを上げて行く時期は走る場所を普段と替えたり、敢えて1人で走ったり、距離を変えると身体への刺激が変化します。

 特に、お勧めしたいのが、先日書きました、30km後半のペースアップや30kmからのペースアップです。ここで気持ちを入れて走ることがレースでの爆発力に繋がります。

 

 同時にお勧めしないといけないことが2つあります。

 それはスピードを上げる機会を絞ることと、丁寧にゆっくり走る時間を作ることです。

 やはり、頻繁にペースアップは気持ちも身体も対応できません。勿論、仲間と一緒にスピードアップしても、全員がスピードアップを決められるとは言えません。やはり、準備できた人だけしか、力を借りる出せません。頻繁に決められることではありません。

 でも、練習でスピードアップが決められるようになれば、本番でも決められるようになります。これが爆発力の使い方です。

 僕はレースでスピードアップが決められた時に必ず頭をよぎることがあります。それは疲労骨折からリハビリでコツコツとスロージョギングを重ねていた時のことです。それを思うと、気持ちを入れて走れることが嬉しいし、ありがたいです。

 

 このスピードアップは僕だって毎回決められる訳ではなく、不発で涙が出そうな思いで走る時があります。

 ですから、何が足りなかったか?を反省します。多くの場合は疲れが抜けていない時ですね。

 例えば、土曜が練習で前日は夜に速いペースで走ってしまうとダメですね。できるだけ、前日は午前中にスピードを上げずに走るのが良いですね。

 毎週末のスピードアップは難しいようで、僕は練習中に行けるか?考える時が多いです。

 

 勿論、秋の初めは練習ペースを段々と上げることが優先です。目標ペースで30kmをこなせるようになったら、そこからやります。でも、もしかすると、前半は目標ペースより少し遅いペースにしても、後半にしっかり上げる方が良いかもしれません。その位、後半のペースアップ時のペースは大切です。

 

 サブスリーを目指す方が30kmからペースアップして、4:10/kmで3kmを走る練習をこなせたら、相当な自信になるはずです。

 当然、ヘトヘトですよね。

 ですから、次の週末に予定する30km走までは急がずに走って、また決めるぞ!という気持ちを高めて行くのです。

 これが爆発力を活かす練習であり、練習リズムです。

 

 僕もいつも不安と背中合わせです。

 スピードを上げる時は「うお〜!」と、心の中で叫びながら、気持ちを入れます。他の友人に抜かれる時だってあります。でも、みんな目一杯なので、数100m先で自分がもう1段階上げます。この1段階、また1段階という動きが大切なんです。30km、あるいは30kmを走った処から上げるには勇気が必要で、自分の前にある限界という壁を突き抜ける必要があるからです。

 

 ですから、「できるか?できないか?」ではなく、失敗を恐れずに「やるか?やらないか?」ということなんです。

 

 

■まとめ

 サブスリーを達成する上では2時間55分を意識して取組むことが大切で、走る中で余裕を生み出すことが重要です。

 その余裕を生み出す上では、同じコースや同じペース、あるいは同じ距離を走るのではなく、変化を加えることが大切です。

 更に、秋に向けて30km走を活用したペースアップを組み込んでみると、一気にサブスリーが近づくと思います。

 

(彩湖ウルトラ2021は70kmでしたが、25kmからスピードを上げて走りきりました)