3月から「フルマラソンのタイムを伸ばすなら」という連載を続けさせて頂いています。

 

 今回の連載を通して、色々考えて来ました。

 実際はその前から色々考えていて、その中で自分で確認しながら書き始めました。僕のスピードを支えていたのが縄跳びと気づき、着地を大切にすることを展開させてもらって来ました。

 サブ3.5は3時間動き続けられる足を作ることが大切です。毎週末に3時間走れる身体を作れば、大きく道が切り拓けるので、そこに力を入れて書かせてもらいました。

 

 前回はサブ3.5から3時間20分切りを目指す方に向けて書かせて頂きました。今日はもう一段上を目指す方に向けて書いていきます。

 

 

 

■3時間20分→3時間10分を目指す方に

 1年間でタイムを10分伸ばすのはかなり難しいです。

 これは僕の考え方ですが、1年間に10分伸ばすより、1年間に4分を毎年繰り返したいと思っています。

 一気に伸びる年もありますが、タイムを伸ばした後の練習方法で悩みます。ですから、毎年10分ずつ何年も続けてタイムを伸ばす方はいないのが実情だと思います。

 焦る必要はなくて、練習方法の変化やそれに伴う練習での速さの変化など、理由があって伸びると良いですよね。

 

 なぜ、ここで書いたかと言いますと、サブ3.5とサブスリーという間に大きな目標の区切りがないからです。

 フルマラソンを走る目標をどうするか?悩みますよね。

 周りの友人を見ていますと、フルマラソンの結果が暴れやすいかもしれません。

 

 それだけ目標に向けて気持ちを維持したり、練習内容の工夫が難しいのだと思います。

 ここでは、練習内容の工夫について書いて行きます。

 サブスリーに近づくために必要なことが身体の軸です。

 

 駒沢公園や神宮外苑、あるいは、代々木公園など、色々なペースで走る方がいらっしゃいます。僕は時に速く、時に遅く走る中で、色々な方の走り方を勉強させてもらっています。

 例えば、4:00/kmと4:30/kmで走る方を見ていますと、4:00/kmで走る方は身体の軸がブレない方が圧倒的に少ないですね。裏を返すと、4:30/kmで走る方は身体の軸がブレる方ほど、早めに抜かれる傾向です。

 身体の軸って何?という方も多いかもしれませんね。

 

 

 僕も納得できるまで時間が掛かりました。

 例えば、子供の頃は足の速い子の多くが、ダイナミックで大きな動きなんですよね。カッコいいなぁと思っていました。

 ですから、大人になっても、ランナーさんの走る姿を見る時に、着地の度に髪が大きく揺れるとか、蹴った足が後ろに大きく跳ね上がるとか、カッコいいなぁと思っちゃうんです。

 

 ところが、そうした走りの方がフルマラソンで速いか?というと、あまり関係ないんですよね。

 同じように、たくさんの方のジョグで走る姿を見ていましても、フルマラソンのタイムとジョグのフォームの相関性は感じられませんでした。

 

 ある時、僕がフルマラソンを走るのを観ていたYG田さんが僕のフォームについて「後半でも軸がマッタクブレない」と言うんですね。

 

 そう言われて、色々な方の走り方を後ろから見て、初めて分かりました。確かに、違いがあります!

 身体の軸が着地に合わせて左右に動くんですね。

 足が左右に動くとか、肩や腰がツイストするというのと違って、頭の位置が左右に揺れるんですね。

 

 勿論、3時間10分以下の男性ランナーさんが必ずそうだという訳ではありませんし、女性ランナーさんならサブ3.5位で切り替わるので、タイムとの直接的なつながりはありませんが、より速いタイムで走る上で、「身体の軸」は大切だと思います。

 

 

 では、身体の軸をしっかりさせるには何が必要か?ですよね。

 昔の僕は上下動を減らすことを考えていました。

 そして、ソフトな着地を心掛けようと、着地は柔らかく、蹴る時を意識しました。が、タイムが伸びずに終わったんです。

 実はソフトな着地は上下動という点もありますが、身体の軸を安定させる上でもダメみたいです。

 

 身体の軸を作るには、それぞれの足でしっかり蹴ることが大切なんです。

 そのために、普段の僕はこんなことをしています。

①股関節のストレッチ

 これは股関節の可動範囲を広げる目的で、以前からご紹介させて頂いています、こちらの片足立ちです。初めは股関節だけ持ち上げる、こちらの動作です。

 そして、馴れてきたら、こちらのように身体のツイストも加えます。走る動きを止めて確認するような感覚で、両方を毎日確認しています。
 
 

②片足ヒップヒンジ

 右足を後ろに伸ばして、上体を前に倒して、左足でヒップヒンジをやります。勿論、逆もやります。このように片足での動作は走る時が片足ということに基づいています。

 

 

③「蹴るジョグ」

 そして、縄跳びの「弾み」を活かした「蹴るジョグ」です。これは僕の勝手な見立てですが、この3時間10分〜20分は「弾む」感覚の有無を考えた時の境界エリアに見えます。勿論、長い距離向き、短い距離向きの方がいらっしゃるので、ピッタリこことは言えませんが、境界エリアだと感じます。

 

 

 少し長くなってきましたので、続きは次回にさせて頂きます。

 

 
(身体の軸は背中が語るようですね)