この処、「フルマラソンのタイムを伸ばすなら」ということで、書かせて頂いています。
 意外!と言われそうですが、僕自身は速く走るのが苦手です。できるだけ回数を減らしたいです。なので、レース前は緊張しがちです。それでも走るなら結果を出したいので、今まで工夫を重ねて来ました。
 苦手だからこそ、色々な失敗や工夫を紹介できるのかもしれません。
 そして、スゴくたくさんの方にお読み頂いていることに感謝し、嬉しく思っています。
 
 過去のブログ記事を振り返りますと、僕が好きなスロージョギングについて、色々書かせて頂いて来ました。でも、今回の「速く走る」テーマから、多くの方が「目標達成」や「自己ベスト更新」に高い関心をお持ちということも改めて分かりました。
 
 正直言いまして、子供の頃の僕は運動が得意ではなかったので、他の方から見ると当たり前のことができないことも多いです。身体も硬いので、どなたでもできることを丁寧に書いていることが多いと思いますが、これからもお付き合い頂けますと助かります。
 コメントでお書き頂いても、お会いした時でも構いませんので、感想やアドバイスを頂けますと嬉しいです。
 
 今日からは「フルマラソンのタイムを伸ばす」上で、大切な「タイムを伸ばす具体的なアプローチ」について書いて行きたいと思います。
 
 
■昔は同じペースで走っていました
 走り始めた頃の僕は、目標とする速さで走るようにしていました。例えば、2014年は秋に2時間50分を切りたいと思って、キロ4で走るように取組んでいました。
 意外にも、この頃は速く走るのが普通でした。更に、速く走れるようになるのが、今より嬉しかったですね。
 そして、キロ4で走れる距離を延ばして行けば、秋には目標を達成できると思って、走る間は苦しいのですが、走り終わってタイムが速くなるのを楽しみに走っていました。
 
 でも、結果としては、夏以降に股関節が痛むようになり、最後は疲労骨折という結末でした。レース後半に腰が重くなり、スピードが落ちて、初マラソンとほとんど同じ2時間55分でのゴール、そして、立ち上がれない状態で最後は車椅子で運ばれました。
 
 
 何故だろう?何故、疲労骨折したんだろう?
 と考えた時に、思い当たることがあるんです。
 
 
 当時の僕は「レースでキロ4より遅くなった時にどう走るか?」想像がつかなかったんです。
 
 当時はジョグをしていませんから、スピードが落ちたらどうなるか?なんて、マッタク分からないんですね。同じように、キロ4より速く走るとどうなるの?かも分からない訳です。おかしな言い方ですが、キロ4以外は走れない、そんな感覚だったんです。
(いつも予定スピードより落ちたらどうなるんだろう?と考えて、怖くなっていました。今は分かります。結論はピッチが低下するんです。当時はピッチが測れる時計が少なくて、僕の時計も測れませんでした)
 
 ところが、前回までに触れました通り、そんなにキロ4でずっと走るなんて、上手く行きませんよね。周りのペースが上がり下がりする話は書きましたが、ペースが揺らぐ要因は他にもたくさんあります。
 例えば、上り坂や下り坂はペース一定?斜度でペースを変えますか?あるいは、向かい風や追い風は?斜め前から吹いてきたら?そんなことを考えたら、同じペースなんて、一体何だか、分かりませんよね。
 更に、疲れる後半はペースが落ちますから、どうやって走るか?というのも課題ですよね。
 
 つまり、ペースが揺らぐ中で上手に走ると考えたら、同じスピードで走るより走れるスピードに幅を持たせた方が良いように思います。
 
 
速く走る上で大切なのは様々なスピードで走ること
 人間の身体って面白いですよね。
 速く走ると心筋が鍛えられ、速く走れます。どんどん鍛えたら、もっともっと速く走れるようになるのか?というとそうじゃないですよね。更に、心臓へのダメージが大きくなりますから、亡くなるケースさえあります。
 特に、年齢が上がって、最大心拍数が低下する中で、ハァハァ言う練習が良いとは思えません。
 
 これに対して、以前から書いていますが、ゆっくり走ると毛細血管が発達するので、心拍数が上がりにくい身体ができて速く走れるようになります。毛細血管が広がって、低い心拍数でも酸素が身体全体に行き渡るからです。
 こちらも、やはり広がる限界はあるように思います。でも、心臓への負担が軽い点で、僕は40代や50代になったら、この練習を活用した方が良いと感じるんですね。
 
 今年の僕は中間スピードにもこだわって練習していますが、何か新しい気付きに繋がると良いなぁと思っています。
 
 この2つの練習「ゆっくり」→「速く」→「ゆっくり」→「速く」が生み出す効果は大きいと思います。
 「ゆっくり」は足を作り、毛細血管を広げます。「速く」はスピードを鍛え、心筋も鍛えます。
 
 
 
■少しの振り返り
 こうやってブログを書かせて頂いていますし、タケアスリート鍼灸院を開かれるタケ先生とも色々な会話・議論を重ねて、ここまで来ているのですが、スロージョギングの効果が毛細血管と結び着いたのは2020年のことです。
 初めての本を書く中で「疲労抜きジョグ」を極める1人、本間俊之さんとの会話からの気付きでした。
 
 僕はそれまでの長い間、ゆっくり走ると安静時心拍数が下がると考えていました。
 そもそも何故ゆっくり走ると速くなるのか?のメカニズムがしっかり理解できていませんでした。医学的な本を読んでも毛細血管の本まで読んでいませんでした。
 
 本を書く中で本間さんにアドバイスがほしいと思って相談した時に、ゆっくり走って心筋が鍛えられるというのは、理屈に合ってないよ、と指摘されました。
 スゴくありがたい指摘でした。
 思い込みが失敗の原因でした。改めて、色々なことを勉強し直して、毛細血管という話を伝えた時に、お互いにスゴく納得できました。
 
 
(かすみがうらマラソン2023から。2ヶ月間、スロージョギングだけなのに、後半は気持ちを入れたらギアチェンジ3:40/kmを切って走れました)