目指す頂上は一つだとしても、上り方は無数にあります。
一人一人がそれぞれの歩き方で進んでいます。
出来る出来ないではなく、肩書きでははなく、その人がその人であるように道は備えられています。
どうぞ、心安らぐ一日でありますように。
「白いとき」
a
だあれもいない
ま夜中に
子ネコが四ひき電信柱
すっと アスファルトを
白い影
かあさんネコが横切ると
からだも
こころも
白い玉になってころがった
小雨のなか
小さなものたちは
生きる練習をしています
b
朝の歩道
雨にぬれた
銀梅花
ひらいて
散って
一本のめしべ
まるで
燭台の
針のように
まるで
燃え尽きても
祈るように
*
あの日
網戸の
向こうから
よびかけた
白い十字
どくだみは
月日の流れに佇んで
今年も
心に刻んでいる
人は
ひとりぽっちで
歩いていても
やさしい
まなざしに包まれながら
呼吸している
c
朝から
雨
心に垂れる
雨の音
誰にも
見向きもされない朝
それでも
濡れながら歩いている
白い花
闇にいちりん
触れることさえためらう
その聖さ
白い光が
まぶたをさするとき
魂が
息を吹き返す
この花が
咲いているのは
わたしのため
かもしれない
motomi
※ 今日の心は何色でしょう、どんな色でも大切な一日。