「いのちの探究」

 

   Ⅰ

 

渦巻けよ

風々

 

鳴り響け

山々

 

すべてが

すべてであるように

 

できないとは考えずに

ただ求める姿

 

一番弱いときに

一番強く

 

すべてを失ったとき

すべてを満たす

 

生きてどこに

従うか

 

求めよ

求めよ

 

いのちを

求めよ

 

突き抜け

ひっくり返り

 

生きる前に

生かされるものであれ

 

死ぬ前に

いのちになれ

 

今日を満たせ

日々を重ねよ

 

人間はつくられた

求めるように

 

祈りさえも

与えられ

 

苦しみさえも

託すとき

 

人は永遠の

安らぎを知る

 

あまりにも

強くなりすぎた今

 

あまりにも

現実に縛られた今

 

見えないものを

探し求めよ

 

どこに礎を置いて

人生を建てるのか

 

もういちど

胎のなかで巡らせるがいい

 

   Ⅱ

 

見えないもとは

何なのだろう

 

すぐに答えを

知ってしまいたくない

 

いや

知ってはならないのだ

 

それは

生涯かけて求めるようなものかもしれない

 

   *

 

とてもとても

わからない

 

いのちの中に置かれていること

己が壊され

 

その先に

拓かれるの世界

 

まったく

破壊されてこそ

 

   *

 

人生との

闘いに

 

がむしゃらになって

いるときほど

 

ふううっと

赤ん坊のように

 

なんにも

なくなってみる

 

   *

 

しくじり

やりなおし

 

一歩進んで

また後退

 

しかしなんと

それごと前に進んでいる

 

すべてが

経験になって

 

   *

 

しんと

息をこらしてみる

 

葉先に光の珠が

揺れているような

 

いのちは

いつも

 

どこかにつながろうと

息をしている

 

   Ⅲ

 

祈りさえ

祈った瞬間祈りではなくなるのです

 

偽りであるような

気がして

 

懸命に祈りました

懸命に働きました

 

けれど

ダメなのです

 

なにが良いのか悪いのか

分からないのです

 

祈りさえも

苦しみさえも

 

すべてを

預け

 

そのとき

心に不思議な平安が訪れるのです

 

ああ その瞬間

いのちと遭遇する喜び

 

感謝さえも

与えられ

 

さらに

いのちに耳を傾けるものであるようにと

 

  ***

 

人間は

ちっぽけだから

 

もっと

ちっぽけにならなきゃならない

 

人間は

弱いから

 

もっと

弱くならなきゃならない

 

人間は

とてつもなく

 

愛されて

いるのだから

                motomi

 

※ 一日一日の積み重ね。生きている限り可能性。