5時半に新潮社の前で、新潮文庫の松本さんと待ち合わせ、愛宕にあるソムリエ田崎進也さんがプロデュースしている「T」という和食屋で、作家の楡周平さんと会食。
私が、楡さんの傑作「ラスト ワン マイル」の解説をさせてもらったので、松本さんがセッティングしてくれたのだ。
楡さんとは初対面だが、がっしりして豪放磊落な人だが、目がとってもやさしく、私のようなしがない編集者にも、とっても気を遣ってくださる。
愛宕神社の上にあるこの店は、戸が開いていて、下から涼しい風が入ってきて、とても気持ちがいい。
酒が入るといつもそうだが、とりとめのない話しをだらだらとしてしまうのだが、楡さんは嫌がらずに聞いてくれる。
「小説新潮」で連載中の「虚空の冠」がとても面白い。一人の新聞記者が数奇な経験をし、やがて戦後史を変えていく物語だが、毎回、読み終えると次が待たれる。
素敵な人と美味しい料理、それにいい酒を呑むのだから、こんな至福な時間はない。いい一夜だった。