9月18日(金) | 元木昌彦の「編集者の学校」

元木昌彦の「編集者の学校」

「FRIDAY」「週刊現代」「オーマイニュース」など数々の編集長を歴任
政治家から芸能人まで、その人脈の広さ深さは、元木昌彦ならでは
そんなベテラン編集者の日常を描きながら、次代のメディアのありようを問いただす

 5時半に新潮社の前で、新潮文庫の松本さんと待ち合わせ、愛宕にあるソムリエ田崎進也さんがプロデュースしている「T」という和食屋で、作家の楡周平さんと会食。
 私が、楡さんの傑作「ラスト ワン マイル」の解説をさせてもらったので、松本さんがセッティングしてくれたのだ。
 楡さんとは初対面だが、がっしりして豪放磊落な人だが、目がとってもやさしく、私のようなしがない編集者にも、とっても気を遣ってくださる。
 愛宕神社の上にあるこの店は、戸が開いていて、下から涼しい風が入ってきて、とても気持ちがいい。
 酒が入るといつもそうだが、とりとめのない話しをだらだらとしてしまうのだが、楡さんは嫌がらずに聞いてくれる。
 「小説新潮」で連載中の「虚空の冠」がとても面白い。一人の新聞記者が数奇な経験をし、やがて戦後史を変えていく物語だが、毎回、読み終えると次が待たれる。
 素敵な人と美味しい料理、それにいい酒を呑むのだから、こんな至福な時間はない。いい一夜だった。