3月17日(水) | 元木昌彦の「編集者の学校」

元木昌彦の「編集者の学校」

「FRIDAY」「週刊現代」「オーマイニュース」など数々の編集長を歴任
政治家から芸能人まで、その人脈の広さ深さは、元木昌彦ならでは
そんなベテラン編集者の日常を描きながら、次代のメディアのありようを問いただす

 3時過ぎに、BS朝日の田渕さん来る。28日、土曜日の「愛川欽也パックインジャーナル」(朝日ニュースター)に出てくれとの依頼。

 5時に阿佐ヶ谷で、アメリカ在住の室謙二さんとお茶する。

 オバマになって、おれもカミさん(アメリカ人)もアメリカを愛することができるようになったとのこと。オバマ大統領は、アメリカの愛国心も変えつつあるようだ。

 7時前に「ロフトA」へ行く。今回の「ドキュメンタリー酒場」は、MBC(南日本放送)のキャスターでもある素敵な山縣由美子さんが撮った「やねだん」。

 後で買ったDVDにはこうした解説が載っている。

「鹿児島県鹿屋市の柳谷集落、愛称『やねだん』は、人口300人、うち65歳以上が4割。どこにでもあるような、さびれゆく過疎高齢化の集落でした。ところが、10年ほどで“地域再生のお手本”として、全国から注目される集落に変貌したのです。

『やねだん』がめざしたのは“行政に頼らない地域再生”。集落で労力や経験を提供しあって、独自の商品開発で自主財源を増やし、福祉や教育を自ら充実させていきました。そして、自主財源が増えた結果、集落の全世帯にボーナスが配れるほどに!逆境を逆手にとる愉快な発想、したたかなビジネス感覚、人の和の底力、リーダーの苦労と献身、そして住民の笑顔。この番組は、地方のある小さな集落が再生を果たした12年の記録です」

 山縣さんのキャラクターにもよるのだろうが、とても明るい人間賛歌に仕上がっている。限界集落という呼び名は好きではないが、高齢化が進み、過疎化が進む集落を、一人のリーダの下、みんなが手を携えて生きている様子は、久々に元気をもらえるドキュメンタリーの傑作である。