せっかくなので、もう1回、じゃんけん大会のネタで記事を書くことにしようと思います。
じゃんけん大会のシングルは、売れる/売れないということが、あまり意味がないように私は思います。
実際、渡辺美優紀の『やさしくするよりキスをして』も、珠理奈センターの『鈴懸け』も、一般知名度はほぼゼロです。
私の友人、会社の同僚に聞いても、どちらもまったく知られていません。
だいいち、AKBの他のソロシングル自体、一般にはまだまだ知られていないものの方が多いです。
メンバーの顔と名前も同様です。
だから、芸能界で活躍しているAKBのメンバーというものは、現役メンにしろ、卒メンにしろ、一般人にはほとんどわからないんですね...
そしてこのことは、一般人だけじゃなく、業界関係者もしっかり理解してるんじゃないでしょうか。
それぞれ2回づつ選挙で1位をとった前田敦子と大島優子の存在感は今の芸能界で太くはないと言えますし、渡辺麻友の1位獲得は、ドラマ『戦う書店ガール』の視聴率獲得に全然寄与していない、と見られているでしょう。
これらのことからわかることは、
「AKBを踏み台にして芸能界へ巣立っていける」だとか、
「一般人にも名の知られたスターになれる」などと言うのは、
今のところ、ありもしない幻想だということです。
だから、今の状態であえて言える事があるとすれば、
「AKBを踏み台にして、その後の人生へとうまく巣立っていける」
ということになるでしょう。
たとえ卒業後に芸能界で生き残ることに失敗したとしても、失敗経験も人生の肥やしになると思いますし、すべてがムダになるわけじゃないからです。
メンバーにとってAKBでしたいろいろな経験の中で、”宝物”として残るものは多々あると思います...
しかし、その最たるものは、『AKB48グループにいるうちに築いた人間関係』ではないでしょうか。
私がこのブログの9/17の記事で書いた、「中西ちょりは、カップリング曲のセンターでおいしい思いできるだろう」というのは、そういう意味です。
カップリング曲のMV収録、レッスン、などの場で、他の14人の仲間たちと共に過ごす時間が貴重な宝物だということなんです。
あとで年をとった時に、「ああ、あの時に一緒だったよね」と語り合えるではないですか...
それに対して、藤田奈那はソロなので、他のメンバーと共に過ごすということができません...
そういう意味で1位獲得は失敗だったな、と思うのです...
そもそも、年間シングル売上が最多枚数でもレコード大賞はとれないです。(『さよクロ』と『ラブ犬』)
また、AKBのシングルでミリオン超えは、数えられないほど多すぎます。
そんな中で、藤田奈那のシングルは、いくら売れようが、しばらくたつと時代の中に埋もれていってしまうことでしょう。
だから、「1位をとってチャンスをつかんだ」という彼女の評価は間違っていると思います。
なぜなら、もしミリオン超えしても、インパクトは無いでしょうから...
たとえあっても、すぐ消えていってしまうことでしょう...
つまり、大切なものは、売上枚数や視聴率などといった目に見えるものの中にあるのではないのです。
童話『星の王子さま』の中にもこうあります...
「大切なものは目に見えない」と...
もはや「芸能界への踏み台」とは言えないAKBでの活動において、大切なものは、売れるチャンスやポジションや順位ではなく、仲間との友情を育むことだろうと私は思うんです。
内田真由美の『チャンスの順番』をよく思い起こしてください...
芸能界へとうまく羽ばたいていけなかったでしょう?
それに、『希望的リフレイン』のMVでの歴代センターにさえ呼ばれなかったでしょう?
内田さんにとっては、そもそも、センターになったこと自体よりも、仲間が自分の経営する焼肉屋にひんぱんに来てくれることの方が役に立っているじゃないでしょうか?
つまり、今のAKBでは、チャンスをつかむことよりも、仲間との友情を育むことのほうが大事なように思えます。
わかりやすく言えば、”人脈作り”です...
こういう意味で、今のじゃんけんシングルは、1位よりも、友情をはぐくめる2位の方がおいしいのだと考えます。
了