皆さんこんにちは♪
今回は
ずっと噂が絶えなかったが、ついにリリースされた夢のバイク...
KAWASAKI ZX-4Rです
噂レベルの頃からひそかに欲しい欲しいと思ってたのですが、なんと(ラム圧あり)80馬力で出すというものですから、
これはもう買うしかない
...ということで...
神奈川県海老名市にある バズラボラトリー様 にお世話になりました
社長様にはスムーズに手配いただき、本当に感謝しかありません。
バズラボラトリー内山社長、この度は本当にありがとうございました
バイク雑誌から飛び出した実物はめちゃくちゃカッコよい
...すいません、この日この瞬間は10Rよりも6Rよりも ZX-4RR が輝いて見えました
納車手続きを経て、ついに公道を走らせることが出来ます♪♪♪
普段からリッターSSなども乗ってますが自分の中のわくわくした400cc小僧が降りてきてやたらと緊張したことを思い出します
さて...お店を出て慣らし運転するところから開発スタートです
新車の純正状態から慣らしを通じて少しずつ馴染んでくるところから理解し、なるべくユーザー目線でしっかりと分析するようにいたしました
街乗り ~ 高速道路 ~ そして 峠道 と様々なシーンでしっかりと分析して、私なりに純正状態を理解することが出来ました
ん~乗りやすいです
会社でZX-25Rも所有しておりますが、250ccよりも下からトルクがしっかりあって、車格が殆ど同じということもあり、良く曲がる・良く止まる・良く走る と 本当に素晴らしいバイクだなと思いました
ZX-25Rは少しリア荷重気味で乗ると乗りやすい という某世界を走るライダーのアドバイスを思い出しながら、リアブレーキ&荷重移動で積極的にリアに乗せて走ってたのですが、スイスイ曲がります
逆にヤマハ乗りだと曲がらないので、昔FZ400を乗って箱根峠を楽しんでたころと比較しながらあれやこれや試しておりました。
そんなこんなで 400cc小僧だった頃を思い出しながら、楽しみながら帰っていたのですが...
渋滞に嵌り...
ん??
何か発進するときのふけ上がりがおかしい気がする?
真夏の渋滞で外気温30℃超え、水温も100℃ OVERでファンも回りっぱなしのシチュエーションでした。
発進しようとクラッチをつないでアクセルを開けても、エンジンが綺麗にふけ上がらず、モワモワ言いながら回転が上がり、あるところ(3,000rpmくらい?)から急に普通に戻ってブーンと吹ける
※過去の履歴を見ると2,000rpmくらいまで落とすとダメだった様子...
これって何だろう??
人間一度気になりだすと、本当にダメですね
行きはお山のてっ辺まで道が空いてたので全く気になりませんでしたが、渋滞に嵌ってから発進のたびに気になるようになってしまいました
本当に気になってネットの情報を調べてみると、やっぱり話題になってたので、個体差では無く持病的なものなのでしょうか。
ポジティブなことは十分感じられたので、我々なりにネガティブに感じられた部分を列挙するとこんな感じです。
(特に暑い時?)発進の時に不安定さを感じる
低速~中速でトルク不足を感じる
クイックシフターの歯切れが悪い気がする
アクセルOFF/ONでドンツキを感じる
正直、他が良すぎるので気にしないと見えてこない症状だとは思いますが、我々なりに神経を尖らせて気にした結果、こういう風に感じることがありました。
※すいません、お医者さんのように基本良いけど敢えて悪いところを見つけるのがお仕事なもので...
開発スタート♪
店舗に戻り本格的にチューニング開発をスタートさせました
★こちらが ZX-4R (SE/RR共通)のECU本体で ZX-25R同様タンク下にあります
まずは 先に挙げた点をすべて改善したい ということで、ターゲットとする症状に効くチューニング開発を進めていきました。
チューニング内容
その結果、
下記チューニング項目を駆使して改善を進める形となりました
電子スロットル開度マップ 調整(最適化)
アクセルオフ時の燃料カット 調整(ドンツキ軽減)
ラジエター冷却ファン温度 変更(100℃/97℃ → 95℃/90℃)
クイックシフター<UP側>(最適化)
燃料マップ 調整(現車セッティング [独立燃調])
アフターファイア 調整
上記をすべて実施することで、先に挙げた4症状の改善が見込めるのでは?と考え、上記を意識したマップ製作を進めていきます。
結論から申し上げますと、
2,000~3,000rpmの不安定さ や 低速~中速トルク は 燃料マップを調整することで大きく改善しました
しかし、一番大変なのは まさにこの 燃料マップ 調整(現車セッティング [独立燃調])なんです
<独立燃調>ノーマルエキパイ+スリップオンマフラー
ZX-4Rは4気筒エンジンなので、
調子をよくするには、4気筒それぞれのシリンダーが綺麗に燃えるよう燃料の噴射量を調整する必要があります。
※キャブレター車両でいえばキャブセッティングに相当します
逆にいえば、
4気筒の調子が揃っていないと、足並みがズレてしまい、ぎこちないふけ上がりとなります...
※二人三脚ならぬ四人五脚で誰かが躓くと全員が躓くのと同じことが起こります
そこで、エキパイを外して4気筒それぞれの燃焼状態を空燃比で見ていくため、4気筒それぞれに空燃比センサー(AF、LAF、O2センサーなど言い方がたくさんあります)が取り付けられるよう、センサーボスと呼ばれる部品を取り付けていきます。
※見えにくいですが取り付ける位置にマジックでマーキングしております
そして、センサーボスを取り付けた後のエキパイがこちらです♪♪
こうやってみるととても美しいですね
空燃比センサーを取り付けるとこんな感じになります
ここまでが結構準備で大変なのですが、その分、効果も絶大ですので、ここはしっかりと時間とコストをかけて開発していきたいと思います
こんな感じで左から 1番シリンダー~4番シリンダーまでの空燃比が分かるようになっています。
実際は目視だけでは無く、CAN通信を用いて、10ミリ秒単位でエンジン回転数・スロットル位置・空燃比が同期した情報をロギング~分析するため、かなり高精度な空燃比の分析~セッティングが可能となります
実現するには 4気筒分の空燃比センサー値 を CANで出力(アナログだとノイズが出るため)し、CANゲートウェイを使って車両側の診断通信と同期させる必要があるため、それなりの設備や知識が必要となります。
...とすいません、どうでも良いことを書いてしまいましたが、独立燃調のための準備を進め、症状の改善に向けたセッティングを煮詰めていきます。
ノーマルエキパイの空燃比分布
ノーマルエキパイの4シリンダー分の空燃比分布を作成しました。
◆横軸 - 電子スロットル開度 [%]
◆縦軸 - エンジン回転数 [RPM]
◆赤色に近いほど 空燃比が薄い、緑色に近いほど 空燃比が濃い を表します
※パフォーマンスを優先した空燃比と比較した場合の評価
俯瞰してみると全体的に赤色(薄い)領域 が目立ちますので、やはり最近のバイクというところでしょうか
400ccで80馬力なのに何かパワー感が無いんですけど...というお声を聞いたりしますが、ひょっとしたら 燃料が薄いところから来ているのかもしれません。
中央の赤枠箇所は広範囲に渡って薄い状態を意味しますが、何より気になるのは左上の緑色の領域です。
不安定な症状が出る 2,000~3,000rpmの出足(スロットル開度が小さい)が、空燃比が濃い状態(10~11前後)でした。
★不安定な症状が出ている瞬間と空燃比を撮影しましたので是非ご覧ください
ひょっとしたら、
エンジン特性上、燃えにくい領域なのかもしれません。
気温が高いと空気が膨張して酸素密度が小さくなるため、余計に燃えにくい状態となります
これが渋滞の時に感じた症状なのでしょうか?
4気筒の空燃比を綺麗に整えた結果、2,000~3,000rpmの不安定さは改善してスムーズになりました
また、低~中回転のトルク も 電子スロットル開度マップ 調整 で レスポンス調整 を行うことで、本来のエンジン特性を取り戻し、独立燃調と相まって非常にパワフルな印象に様変わりしました
その他、アクセルオフ時の燃料カット調整 によるドンツキ症状 の改善や、クイックシフター<UP>制御利用時の点火遅角量を減らすことによるシフトショックの改善 もあり、全体的な乗りやすさの改善が進み、かつパワフルになりましたので、ZX-4RR においてもチューニングは有効であると考えております
次回は他のマフラーでの独立燃調をご紹介させていただきます
開発モニター募集について - 受付終了 -
ZX-4R(SE/RR) 開発モニター絶賛募集中です
ご希望の方は下記「事前受付フォーム」からお申し込みください。
定員に達したため受付終了いたしました
[対象車両] ZX-4R(SE) / ZX-4RR
[内容] チューニングを評価していただきます
[特典] 基本料金20%OFF、評価期間中は独立燃調データ無償適用(※セッティング実績があるデータに限る)
[定員] 10名(予定)
[受付期間] 定員に達したため受付終了いたしました
[評価期間] 2023年10月20日~2023年11月30日(予定)
[施工方法] 持込 or 郵送
チューニング後のご感想
開発モニターにご参加中のお客様からご感想を頂きましたのでご紹介いたします。
~ご感想①~
発進はとても良くなりました。
低回転のトルクの落ち込みも無くなりました。
高速での合流加速は、キレイに回ってくれました。
やはり独立燃調は音がキレイですね。
巡航速度からの追い越しで、6速でもストレス無く加速できました。 (リアスプロケ45Tにして、ちょっとダルくなってましたので) 峠では2速低速コーナーでの立ち上がりがいい感じになりました。
スロットルOFFからの開けはじめの繋がりがとても自然になりましたね。
現状ネガだった部分が消えて、良い所しか見えませんでした(笑) 今後の通勤やツーリング、サーキットでの御報告をさせていただきます。
~ご感想②~
ZX-4Rのチューニング後、200kmほど走ってみて感じたこと(街乗り・高速)をお送り致します。
① 発進について
発進が非常にしやすくなりました。チューニング前は、特に夏場では、半クラッチで発進後、エンジンの回転数が安定せず、アクセルをあおらないと回転が落ちてしまう事がありました。寒くなり、極端に回転が落ちることはなくなりましたが、不安定な感じはまだ残っていました。しかし、チューニング後は、回転が安定し、アクセルもリニアに反応するようになったので、非常に発進が楽になりました。以前は、発進時、トルクが無いのかな?という感じでしたが、今は、非常にトルクフルに感じます。来年の夏、これなら問題無いなと感じています。
② エンジンについて(吹け上り・トルク)
全体的にエンジンの吹け上りがスムーズになりました。また、以前は6000rpmから別エンジンのようにトルクが出始めていましたが、今では0~6000rpmでも以前に増してトルクを感じられるようになりました。
0~6000rpmから6000rpm以降へのつながりがスムーズに感じられ、全体的にトルクフルになった感じがします。どのギヤからでも、アクセルひねれば加速していく感じです。
③ クイックシフター(Up)について。
非常にスムーズ(ショックが少なく)に入るようになりました。以前は、回転数が低いと結構大きなショックがありましたが、ショックが小さくなりました。また、シフトの入り方も「ガコッ!」から「スコン!」という感じ(すみませんうまく表現できません)に、短時間で入るような感じになりました。
ただ、4000rpm以下の場合、スロットル(開)のタイミングだと思うのですが、回転が一定になっていないと、「ガコッ!」となります。タイミングの問題だと思うのですが。
高回転域では非常にスムーズでした。
④ スロットルについて
非常にリニアになったと感じました。発進の時もそうですが、全体にワイヤースロットルに近い感覚です。以前は、発進・低速域でスロットルがリニアに感じられなかったのですが、現在はリニアに感じられます。①と②についても、スロットルの影響が大きいように思えます(感覚的に・・)。
⑤ エンジンブレーキについて
エンジンブレーキは、チューニング前に比べるとマイルドになった感じです。私はエンジンブレーキを多用する方なので、ちょっと物足りない感じがしています。エンジンブレーキは以前の方が好みかもしれません。ただし、ネガな感じではありません。ただ、好みの問題です。
⑥ ラジエター冷却ファンについて
夏場、街乗りでは、渋滞するとすぐに100度を超えていました。何度か警告灯が点いたこともあります。最近寒くなり、すぐに100度になることはなくなりましたが、100度近くになることはあります。チューニング後、100度にほとんど到達しなくなりました。外気温の影響もあると思いますが、変化は見られます。来年の夏に期待です!
まだ、峠とかに行っていないので現時点での全体的な感想ですが、ネガな部分が消えて、非常に乗りやすいバイクになったと思います。「ここまで変わるんだ!」というのが正直な感想です。特に「発進」は素晴らしいです。元々、悪い部分は少ないバイクだと思っていたのですが、チューニングして頂いて、今のところ悪い部分は見当たりません。
素敵なご感想をありがとうございました
エンジンブレーキに関してはお客様の好みもあるかと思われますが、燃料カット調整後も減速感が得られる範囲で調整しております。
引き続き、開発モニターのお客様からの続報をお待ちしたいと思います
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