少し古いですが昨年春のニュースです。

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舌の表面に付着した白い汚れの面積が大きいほど、発がん性物質アセトアルデヒドの呼気中濃度が高くなることが分かったと、OO大大学院の研究グループが発表した。

「研究を進めれば、舌の清掃ががんを予防すると証明できる可能性がある」とのこと。

アセトアルデヒドは、たばこの煙や排ガスなどに含まれ、体内ではアルコールを分解する過程で発生するが発がん性があることが分かっており、食道や口の中のがんの原因になると考えられている。調査の結果、舌の上に白く付く汚れ「舌苔(ぜったい)」の面積が大きい人ほど、呼気中のアセトアルデヒド濃度が高いことが分かった。 

飲酒の頻度や喫煙の有無とは関連性がなく、舌苔を取り除くと濃度が減少することも確認した。ただし舌の清掃は粘膜を傷つけやすいので、専門家の指導を受けてほしいと注意を呼び掛けている。

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面白いニュースですね。

 

ただし舌苔はその原因体質を改善しないと取ってもまた出ます。

専門家の指導を受けて毎日毎日、舌苔をとるのもしんどそうです。

中医学では白く厚い苔は「痰湿」という原因があると見ます。

水分がたまっている状態ですね。

これが長く停滞すると「湿熱」に変化し苔も黄色味を帯びてきます。

湿熱は気機の流れを阻害し、またお血の原因となりますので長期に続けば確かにがんの原因にもなりえると思います。

アセトアルデヒドは体内での代謝産物なのですがこうした一つ一つの成分よりも全体的な視点から考えるのが中医学です。

 

例として不眠の方の舌はどうでしょうか。

ベッタリとした苔が黄色味を帯びているなら湿熱、痰熱という熱が眠りを阻んでいます。

頭や体が重く、湿気がある季節は不調、ゲップがあったり口が苦いときもあります。

 

黄色い苔の上に舌の色が「紅い」ならば自律神経の中の交感神経が興奮しています。

イライラ、カッカして目が充血し、やはり口が苦い。

この二つのタイプは簡単に言えば熱でのぼせで眠れなくなっています。

 

舌は紅いが苔がない人は同じ熱でも虚熱となりオーバーヒートしている感じです。

手足がほてったり、めまいや耳鳴りを伴う場合もあります。

 

舌の肉の色が白っぽい人はエネルギー不足です。

動悸したり不安が強く夢をよく見たり何度も目が覚めます。

この二つのタイプは弱っていると言えます。

混合タイプもあります。

それらを総合的に判断して対応する漢方を選んでいきます。

 

なお睡眠導入剤などを長期に服用していると苔も多くなる傾向にありますので見極めが必要です。