-前回までのあらすじ-
締日、ラストオーダーの回収を迫られるケイト。
セツナとの売上差を埋めるべく、マイちゃんにリシャール、そしてさとみにオリシャン2発を頼み込む。それぞれ了承を得るも、セツナのラストオーダーもまさかのリシャール。更に売上が突き放されるも「まだ諦めない」とマイちゃんは前を向く。
そんなマイちゃんとは対照的に完全に心が折れるケイト。負け戦確定のラストオーダー。ここでケイトのリシャールが登場。
そして、誰もが予想しなかった奇跡の逆転劇がここから始まる。
大どんでん返し
店内「うわああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
セツナ「2発!?‥2発ってなんだよ!おい!」
顔面蒼白のセツナ。
"聞こえてねぇよお前の声"と言わんばかりに陽介さんはシャンコが店内を駆け巡ります!
陽介「歌舞伎町のスーパーエース!!締日にぶちかましてくれたぜ!!!サプライズ、リシャール
2発まとめてやってくれたぜ!!!」
従業員「よっっっしゃあああああああああああああああああああああああ!!!!」
自分の卓に戻ろうとしたキャスト全員がダッシュでマイちゃん卓に戻ってきます。
あまりの出来事に店内総立ち。
まさに正真正銘のオールコール。
そして運ばれる2発目のリシャール。
本当に信じられない光景でした。
僕「ま、ま、マジなのか!?」
マイ「ふふふ‥あははははは!!!」
僕「マイちゃん!今起きてる事が理解出来ない!」
マイ「ケイト嬉しい?」
僕「嬉しいなんてもんじゃない!夢みたいだ!」
マイ「その顔が好き!ケイトの嬉しそうな顔が世界で1番好き!!」
セツナも今起きてる事が信じられない様子です。
シャンコ隊の後ろをウロウロ。かと思えば、内勤まで詳細を確認しにいき何やら怒鳴っている様子。
とにかく動きに落ち着きがなく、内勤に促され我々のリシャールオールコールに参加。
ボルテージ最高の店内で、いよいよマイちゃんのコメントが始まります。
イキるなよ
陽介「こんな素敵な締日に仕上げたケイトさんの姫
!!一言ください!!!」
マイ「特に何にもありません!!おつかれした!!」すっ(マイクを返す)
ギャラリー「えーー!!なんか言ってよー!!」
陽介さんに何かコソコソ話をされて再びマイクを持つマイちゃん。
マイ「今日の締日は誰かに勝ちたくて来たわけではありません。ケイトがNo. 1になるのを見届けにきただけです。本当に素敵なホストばかりですが一言だけ言わせてください。」
全員「‥」
マイ「えっと‥‥イキるなよ!!おつかれした!!」
何ともマイちゃんらしく、そしてマイちゃんにしては少しテンション高めにも感じられるコメントでした。
そしてこのコメント自体、誰に向けられたのかは明確でした。完全にセツナに喧嘩を売っています。
そして僕のコメントになります。
僕「今やっと何が起きているのか理解出来ました!本当にありがとう!途中完全に心が折れたけど、これでまだ分からない!姫!大好き!」
素人コメントにもマイちゃんはニコニコして聞いててくれます。
そもそも「なんでこうなった?」という最大の疑問には触れる事は敢えてせずに、リシャール2発のオールコールを楽しみます。
スモーク、ライト、BGM、キャストの声、店内の盛り上がり。全てがこのリシャール2発を後押しする素晴らしい演出に感じました。
その後のマイちゃんは控えめにマイクを拒否。
「もうこれ以上、言う事ございませんわ」
みたいな雰囲気を醸し出していたので、陽介さんも空気を読み、しつこくコメントを迫る事はありませんでした。
僕の方はだいぶ遅れてテンション上昇。
コール隊にも煽られ、完全に浅草・三社祭モードへ突入。
リシャール2発を両手に掲げて縦ノリ。
コメントも意味不明です。
そんな僕を見ながら笑い転げるマイちゃん。
陽介さんも自分の事のようにはしゃぎ、店内中を巻き込み最高のリシャールコールは終わりました。
いよいよ全てが決まる。ナンバー発表
リシャールコールが終わり全員が自分の卓に戻りました。いよいよ今月のナンバー発表です。
それぞれが自身のエースと静かにその発表を待ちます。卓がないホストはヘルプ席でその様子を見ています。
様々なドラマが巻き起こる締日。
自分も入店してからそのドラマを見てきました。
1ヶ月本気で頑張った姫達とホストの結果が「売上順」という形で伝えられます。
ただの傍観者だった僕は、そこに当事者としている事自体不思議な感覚でした。
月初からダッシュ走り続け、今日に至るまでずっと中間ナンバーワン、締日にも追リシャールで先行逃げ切りを図る王様セツナ。
対するは、ど素人と罵られエースと共に馬鹿にされるもラスト1週間で怒涛の追い込みラッシュをかけた新人ケイト。締日にまさかのリシャール2発かまし状況がまるっきり変わってしまいました。
今宵の締日は王座防衛か、歌舞伎町シンデレラストーリーの完成か。ここにかなりの注目が集まっていました。
代表「本日も沢山のご来店誠にありがとうございました!!とてつもない締日になり私自身感動しています。それでは発表いたします。○月度ナンバー発表となります!!!No.10は!!!」
まずはNo.10から発表となります。
一人一人が姫やキャストに向けてコメントしていきます。
近づいてくる。
俺の番まで近づいてくる。
正直この時点では、もうセツナとの売上差はわかりません。締日の内勤は、このデリケートな部分については一切口を開きません。
かなりの僅差である事は間違いありません。
頭で計算してもわからない。これはセツナも一緒です。昨日までの売上表を確認し、今日自分が売り上げた金額を足していく。それに対してセツナの売上を計算。ただ、今日エース以外のお客さんが入れたものの会計までは短い時間では把握出来ず。
もう祈るしかありませんでした。
僕はマイちゃんの手を握り、マイちゃんも握り返してきます。
いよいよナンバー発表はNo.3まできました。
代表「いよいよ、当店トップ3の発表です!!
No.3は‥‥陽介さんです!!!!チーム対抗イベントで輝きを放った我々のカリスマホスト陽介さん、一言ください!!」
陽介「正直言って、久しぶりにNo.3まで落ちた事は悔しいです。ただ、今月は負けるべくして負けた気持ちです。全て自分の実力不足。これに尽きます。対抗イベントでラッソン取れなかった時点で持ってないなと。来月は巻き返しを狙います。姫!いつもありがとうな!俺まだまだ頑張るよ。下からの突き上げは激しいけど(笑)ホンマに来月は頑張るよ。よいしょ」
横で陽介さんのエースは泣いていました。
締日で力を出しきれなかった事が悔しかったようです。抱きしめながら何か囁く陽介さん。
うんうんと頷きながら下を向くエースに、頭を撫でながら「さ!残りの時間は楽しむぞ!」と肩をポンと叩きます。
それを見ていたマイちゃんは拍手を送ります。
それにつられて、店内中が陽介さんに拍手を送りました。不動の1,2看板ホストである陽介さん、まさかの後退。そんな雰囲気が店内を包みます。
そして
代表「いよいよやってきました。今月のNo.1、No.2の発表となります。正直言ってここまでの展開は誰もが予想してませんでした。想像を超えるというのはまさにこの事。それでは発表いたします。今月のNo.1は!!!!!」
店内の照明は落ち、異様なまでの無音。
誰もがその結果を固唾を飲んで見守ります。
セツナもエースと共にその結果をジッと聞いています。そして僕もマイちゃんの手を握りながら。
その瞬間、セツナと目が合いました。
お互いに視線を外さない。
今日は俺とお前のタイマンだ。
代表「今月のNo.1は」
マイちゃんの手を握る力が強くなる。
心臓の鼓動が激しくなる。
‥‥
‥‥
‥‥
代表「なんとその差、15万差。
今月のNo.1は、奇跡の大逆転劇を見せてくれた!!
ケイトさんだぁーー!!!!!
お前ら全員ケイトさんの卓へ全員集合!全員集合!!!!!
新No.1は、ケイトさんだああああああああああ!!!!!」
店内「うおおおおおおおおおおおお!!!」
陽介「っっっっしゃああああああああああ!!!」
マイ「きゃあああああああああああ!!!」
僕「ああああああああああああああああああああああ!!!」
冷酷(遠くのさとみ卓でガッツポーズ)
シンデレラストーリー完成
No. 1と発表された瞬間、僕とマイちゃんは抱き合って喜びを爆発しました。
この1ヶ月で、1番下から約50人近くのホストを一気にごぼう抜きした形になります。
僕「マイちゃん!!!!」
マイ「ケイト!!!!」
他の卓からもキャスト達が走って集まってきました!!
キャスト「やべぇよ!!マジですげぇぞケイトおお!!!」
陽介「やったやっったやっっった!!!!マイマイやったぜ!!!!最高だあ!!!!」
マイ「陽介さんありがとう!!本当ありがとう!!」
冷酷「ケイト君おめでとう!!嬉しいよおお!!」
ゴリラヘルプ「マイちゃんさん!!!僕泣きそうです‥」
大歓喜のマイちゃん卓。
そして勝利の美酒、No.1コールが始まりました。
コールのメインは陽介さん。
本当に何から何までありがとう陽介さん。
陽介「まさかの幕切れをぶっかました、王女から一言もらおうか!」
マイ「ケイト!本当におめでとう!あたしはケイトを指名して良かった!嬉しくて嬉しくて‥本当に‥ちょっと‥泣きそう。。。これからもっとホストとして大きくなってください!よいしょ!」
キャスト達「姫ー!!ヤバいよー!!!最高!!」
僕「思い起こせば、泣きながらビラ配ってた毎日が凄く前のことのように感じます。そして1枚のビラから、今人生が変わろうとしてる事も感じてます。姫に恥じないような、そんな立派なホストになります。そして、兄貴の陽介さんにも負けないホストになります!!姫、これからも俺もよろしくね。何回もあいうけと大好きだぜー!!!」
さっきまでふざけていたキャスト達も「こいつナンバー圏外からNo. 1まで駆け上がったんだな」と遅れて実感し、何とも言えない悔しさを隠した表情に変わっていきました。
気持ちいい‥本当に気持ちいい‥なんだこの感じは。
陽介「‥‥俺は、悔しいし、羨ましいし、嬉しいし、情けないよ。ケイト本当に良かったな!!このやろう!!」
陽介さんからシャンパンファイトを受ける僕。
至福のずぶ濡れ。
ケイト浅草・三社祭モード再開!!!
マイちゃんも参加し、ビンダ。
よっぽど嬉しかったんだと思います。
いつものクールなマイちゃんの姿はそこになく、まるで無邪気にはしゃぐ子供のよう。
綺麗な金髪ショートがシャンパンに濡れグレーになろうともおかいまし。
No.1コールが終わりそして‥
代表「ケイト!マイ様!この度は本当にありがとうございます。No. 1のラッソンでございます。」
代表がデンモクとマイクを渡してきました。
ケイト「ラッソン‥」
マイ「うわぁ‥ケイト‥ラッソンだって‥もう泣いちゃう‥」
ケイト「やっっっったぜ!!!!!」
マイ「うぇーーーーーん‥」
陽介「おいクソ内勤!おしぼり持ってこいや!」
内勤「ひゃ!ひゃい!!」
マイちゃん号泣。
その姿を見て抱きしめる僕。
もう関係ない。誰が何と言おうが。
陽介「いいねいいね。マイちゃんは痛客から目をつけられてたからね笑。ホンマおめでとう」
やんわりセツナエースをディスる陽介さん。
マイ「ケイト!何歌うの?」
僕「愛のかたまりwwww」
マイ「わかってるねぇwwww」
僕「せやろwwww」
もう説明は不要だと思います。
この店でKinKi Kidsの愛のかたまりは、不動のNo. 1の十八番なのです。
正しくは元No. 1です。
デンモクを受け取った内勤の顔は物凄く曇っていましたが、陽介「はよ、持っていけや」の一言で急いでキャッシャーへ戻っていくのでした。
この世の地獄。セツナ卓
♪てれれれれん てんてんてんてんてれれん♪
愛のかたまりのイントロが流れた瞬間、店中が「え‥‥」となりました。
この反応たまらん。
「セツナの歌じゃん。辞めなよ」みたいなこの空気はマジで最高でした。
もはや気持ちは政権交代のお知らせ、万歳三唱です。
僕はホールの真ん中に移動しました。
基本は自分の卓でラッソンは歌うのですが、その時の僕は完全なる浅草・三社祭モード継続中。
もはや無敵でした。
#歌舞伎町#初ラッソン#素人#1本釣り
これで探せばきっとケイトがHITするでしょう。
キャスト達も"このノリ嫌いじゃない"と言わんばかりに僕を囲ってめちゃくちゃ盛り上げてくれました。もうイキリ族の調子こき遺伝子が止まる事はありません。
今思えば相当にガキ臭く、クソみたいな行動ですが当時の僕はそれでしか気持ちを表す事が出来なかったのかなとも思います。
ただブログを書いてる今でも全く後悔はありません。むしろもっと暴れれば良かったと、そっちの後悔が残ったくらいです。
そして
「クソがぁ!!!!!!」(ガシャーーン)
人が気持ちよく人生初のラッソンを歌ってる最中にやかましい声が聞こえてきました。
そう、セツナ卓です。
ナマハゲみたいに顔を赤くしたセツナはエース・ヘルプ・内勤、もう視界に入る者全てにブチギレていました。
それを掻き消すように、僕の声量も上がっていきます。声量に引っ張られて、歌い方のクセも更に強くなっていきます。
周りの姫達は笑いを堪えていました。
愛のかたまりは、最後のサビへ突入!
ケイト/陽介「子供みたいに甘える顔も〜急に男らしくなる顔も〜あたしには全てが宝物〜いくどとなくみ〜さてて〜!」
師弟デュエットも完成。
大喜びのマイちゃん。
2人は肩を組んで最後まで歌い上げ、リベンジ達成を祝福されるように周りのキャスト達のケイトコールでラッソンは終了となりました。
マイ「超いい!気持ちいい!」
僕「俺も、もうイキそうだった!」
陽介「俺はもうイッてたよ!」
一同大爆笑。
一方のセツナ卓
セツナ「テメェが最後ひよったから負けたんだこのブスがああああ!!!!」
セツナエース「えっっぐ、、えっっぐ、、びぇーーーん!!!」
リシャールの箱を思い切り蹴り上げるセツナ。
その距離わずか10mもありませんが、まさに天国と地獄。これがホストのリアルです。
ホストの世界には勝ち負けが必ず存在する。
ドローはない。
これを身をもって経験出来ました。
あまりのセツナのキレっぷりに周りもドン引き。
セツナ「こんなもん‥!」
セツナが怒りに身を任せてリシャールの首を持ち振り上げた瞬間
「バチんっっ!!!」
「テメェはいい加減にしやがれ!!」
代表からのビンタを喰らい、呆然とするセツナ。
あんだけイキり、周りのキャストにリスペクトはなく、他客も煽り、No.1宣言をし、リシャールに浮かれ、天下統一したかのようなテンションで全ての生き物を見下していたセツナは、何とも情けない状況に。
ここ1番で、心底馬鹿にしてた「ど素人」に足元をすくわれ、ホスト史上最大の赤っ恥なうです。
感情のコントロールも効かずに、締日に大逆転負けを喫し、見てる全員の前でビンタを喰らう。
救いようがない元No. 1の出来上がりです。
セツナの卓は地獄そのものでした。
エースは泣き潰れ、ヘルプも固まる。
キレる代表を止める内勤達。
ここで思った事はただ一つ
「ざまぁみろ」
陽介「ああーごめんねマイちゃん!ビックリさせちゃって!俺たちは楽しもうね!ここはNo. 1の卓だからー!!!!」
マイ「いいよー!!飲もう!!」
僕「っっしゃあああああいくぜえええ!!!」
こうして僕達は再度乾杯をするのでした。
次回へ続く
@Keito2018317
【今夜VTuberデビュー!!】
🌈チャンネル名
「元ホストだけど質問あるか」
今夜、7/26 21:00にYouTube開始いたします!
過去記事含め新記事も分かりやすく動画にまとめてUPいたします!
他にも、元ホスト✖️現役ホス狂さんとの対談、ラジオ感覚で楽しめる「ながら視聴」に持ってこいのコンテンツを沢山投稿予定です。
是非チャンネル登録をよろしくお願いします!
https://youtube.com/@hostkeito
そして
その後、22:00からは!!
ツイキャスにて、KEITOの生みの親!!
「君がそれを愛と呼んでも」作者様
ひびき澪先生とのコラボをさせていただきます!!
この僕の過去編についても解説します。
是非、"ブログみたよ!"と気軽に遊びにきてもらえると嬉しいです!!