問題な日本語 | 備忘録以上、評論未満。

 

 

あの『明鏡国語辞典』の編者で

 

元筑波大学長であり

 

日本語学者である北原保雄さんが

 

他界された。

 

謹んで哀悼の意を表します。

 

 

 

 

 

一般にはなじみが薄いかもだが

 

北原さんと言えば

 

この本で一躍有名になった。

 

 

 

これ傑作と言っていい本。

 

ちょうど20年前に出版されている。

 

作る本がイマイチ売れないなあと

 

悩んでいた社員編集者の私は

 

こういう角度で攻める企画があるのかと

 

ひどく感心した。

 

案の定、ベストセラー。

 

シリーズ化されて

 

累計100万部を超えている。

 

「こちらきつねうどんになります」

 

の問題とかね。

 

食べ物運んできて

 

「○○になります」って言われると

 

え、じゃあこれなんなの?

 

って感じのケーススタディが

 

所狭しと並ぶ。

 

 

本文中に四コマ漫画が

 

ついてるんだけど

 

これがまたいい。

 

いのうえさきこさんという

 

漫画家さんによるものだが

 

まじめな本文に比して

 

脱力感が半端じゃない。

(ハンパないとは書かない)

 

オチがムチャクチャ面白いのよ。

 

このコントラストも

 

売れた要因の一つだと思う。

 

 

 

わたしがずっと

 

気になっている言葉に

 

 

「行かれてください」

 

 

という言葉がある。

 

業界を問わずやたらと耳にする。

 

はっきり書くが

 

嫌いである。

 

なんだそりゃと感じている。

 

おまえらいつから

 

そんなおかしな言葉を使ってるのかと

 

プチ説教したくなる。

 

学校教育はどうなってんだと

 

おっさんは怒りに震える。

 

 

「行ってください」

(or 行ってみてください)

 

 

とか

 

 

「お出かけください」

(or お出かけになってください)

 

 

などと

 

ちゃんとした表現が

 

なぜできないのかと。

 

「行かれてください」

 

という言葉を耳にすると

 

頭がイカれる系の言葉に

 

聞こえてならない。

 

ちょっとピキッとする。

 

「行かれてください」を

 

丁寧な表現だと勘違いして

 

使っている人は

 

「きつねうどんになります」

 

系の言葉を

 

丁寧だと勘違いしている人と

 

かぶるとも思っている。

 

「なります系」言葉って

 

新しい丁寧語じゃねえぞ(笑

 

「きつねうどんです」

 

これでいいのだ。

 

なんかバカボンみたいな

 

締め方になったが。