2023年11月

ブラジル(サンジョセ・ドス・カンポス)

の地で行われた

第5回デフフットサルW杯で、

女子日本代表が

史上初の優勝で金メダルを獲得、

男子日本代表が

位で銅メダルを獲得しました。

 

デフサッカー,フットサルの歴史の中で

初の快挙です。

 

デフフットサル女子代表が

どんな軌跡を辿り

史上初優勝を成し遂げたのか。

 

ここまで7年間

スポーツメンタルコーチ

兼 手話通訳として

チームに帯同してきた私が、

その軌跡を読者の皆さんに

お伝えしていきたいと思います。

 

前回の記事はこちら

 

 


 スコアレスドローに終わったドイツ戦


2023.11.11

ヨーロッパ王者イングランドを破り

日本は勢いに乗って

ドイツ戦に挑みました。

 

しかし、

相手がゴール前に引いて

守っていたこともあり、

 

なかなか点を奪うことが

できませんでした。

 

なかなか点が取れない状況に

「こんなはずじゃない」

少し焦り見えました。

 

チャンスを作り出していくが

なかなかゴールを奪えず、

0−0の引き分けに終わりました。

 

これで

予選2戦を終えて

勝ち点4

 

この結果をどう受け止めるのか

選手やスタッフの中でも、

様々な意見がありました。

 

 

個人的には

ヨーロッパの強豪2チームに対して

1勝1分は

ネガティブになる結果ではない

と感じていたし、

 

この後の2試合は

十分勝機のある相手だった

ことを考えれば、

負けなかったという結果は

ポジティブに捉えていました。

 

しかし、

試合後のチームの雰囲気は

すごく微妙な空気が

流れていました。

 

戦っている選手たちの心境は

少し違っていたようです。

 

例えば、

全ての試合を勝つつもりで

来ていたので、

引き分けという結果に対して

悔しさを滲ませる

選手もいました。

 

自分たちの

本来のフットサルが

展開できなかったことへの

もどかしさを抱えていた

選手もいました。

 

その悔しさから、

涙を流す選手もいました。

  

悔しさを

また次の試合に繋げてほしいし

まだまだこのチームは強くなれる

要素でもあるんだと

改めて感じた戦いでしたが、

戦いはまだ始まったばかりです。

 

ネガティブな感情は、

チームに波及していきやすいので、

無理にポジティブを装わなくても

ニュートラルな心の状態を

取り戻してほしいと

私は感じていました。

 


引き分けをどう受け止めるのか


0-0のドロー

この結果をどのように受け止めるのか。

そこでの切り替えをどうすると良かったのか。

 

ちょっと発想を変えてみると…

・相手もうまく対策してきた

・その中でも負けなかった

・無失点で終われている

・負けない守備を徹底できていた

・入りの2試合で4取れた、上出来!

 

しかし

ネガティブに受け止めてみると…

・いいところが出せなかった 

・チャンスはあったのに決めきれなかった

・勝ち点を重ねたかった1点しか取れなかった

 

ネガティブに捉えることが

絶対悪いというわけでは

ありませんし、

 

むしろ、勝ちへの意識や

自分のパフォーマンスへの意識が高い

からこそ生まれてくる感情でもある

と思います。

 

ただ、終わった結果に対して

深刻になり過ぎて

反省だけをしていても

何も変わらない。

 

大切なのは、

どうしたら、次の戦いに向けて

この試合の課題をどう活かして

またいいイメージを持って戦えるのか

ということなので、

 

突き詰めるがばかりに

気持ちを落としてしまっては、

次の試合に向けて

プラスに働かないことが

あるのです。

 

ある選手とは、

試合後のコインランドリーで

少し話をしながら

気持ちを整理していきました。

 

ある選手は、

ラインでやり取りしながら

この結果を少しポジティブに

受け止められるように

意見交換をしてみました。

 

 

この結果に対しては

スタッフ内でも

様々な意見がありました。

 

例えば

世界大会の舞台で

2戦で勝ち点4は上出来だし、

この引き分けが良かった

になるかどうかは,

今後の戦い次第。

 

アルゼンチン、アイルランド戦を

しっかり勝ち切れば

ブラジル戦前に決勝進出を決められる。

負けだけは一番避けたい試合で、

リスクは取りたくなかった。

 

一方、もっとアグレッシブに

戦わせるべきだった。

それを選手に伝えられたら良かったが、

みんなの良さが出なかった。

ここで勝ち点取れなかったことが

命取りにならなければいいが。

 

 など、両意見共に確かにそうですね!

と思う受け止め方です。

 

そして、どちらの意見も

やっぱり私たちが目指す

「世界一」をとりにいく

目の前の勝負に

こだわっていくために

本気で話し合ったからこそ

の意見交換でした。

 

どうしたら勝てたのか

 

どうしたら選手の良さを

もっと引き出せたのか

 

どんな次の一手を

選手に伝えるべきだったのか

 

正解はないかもしれないけど

こういった議論、コミュニケーションが

さらに試合への集中力を高めていったことは

疑いの余地はないのです。

 

さあ、ここから

もう一段ギアをあげていきたい!

 

強い気持ちをもって

第三戦のアルゼンチン戦に

挑んでいきます!