あなたのガレージで眠っているバイク売ってください という話ではなく、
沢山の思いの詰まった愛車を復活させましょう
という事で、10年以上放置されていたZ2の修理紹介です。
とことん整備も依頼して頂いたので、早速手術台車に上げます。
ここで、不動車の場合、最初に必ずしておきたいことが、エンジンの圧縮測定、というかクランキング出来るか?です。
僕自身、15年ほど前に、譲ってもらったバイクを半年ほど経ってから整備しようとした時、
オーバーフローで流入したガソリンにより、ピストリングとシリンダー、クランクシャフトベアリングの錆付き、
クランクシャフト交換 という羽目になった事があります。
そんな事から、まずはエンジン空回しついでに、圧縮測定を行います。
圧縮は9~10なので、まずは問題なし。クランキングも問題なし
こうなれば、一気に作業スタートです。
不動修理ではまず100%作業項目に入るキャブレターオーバーホールですね。
フロートバルブ、Tジョイント、チョークプランジャは必ず交換し、油面もしっかり調整。
実油面もチェックし、調整します。
ガソリンタンクも必須項目
パッと見綺麗ですが、奥が錆びているので、もちろん錆取りし、コックも洗浄です。
他車両のものですが、時々、このように乳化した、これはなに? というものが入っている事があります。(実動車両でした)
点火はお決まりのウオタニを組み付け
エンジン本体はというと、カムチェーンの調整、ヘッド、カバーボルトの増し締めをして、
オイルパンを外し、洗浄、オイル、エレメント交換。これでエンジン始動に向けて準備完了。
タペット調整やオイル漏れに関しては、今回は走ってから様子を見て、後日相談、作業としました。
で、次に気がかりなのは電気系ですね。
まず、レギュレーターは純正のレクチファイヤーの場合、必ず交換になります。
メインハーネスは、交換するにこしたことはないですが、接続部や、ハーネスの固さをみて判断します。
バッテリーハーネスも緑青の粉が吹いているものはすぐさま交換ですね。
お次は足回りです。
ブレーキマスターはパッと見て大丈夫でもブーツを外すとこの通り、錆や、オイルが溜まっている事があります。
もう当然オーバーホールですね。
でもしっかり部品が出るので安心
ホースもSTDはゴムホースになるので、クラックは当然。
内部でフルードが結晶化し、詰まりかけていることもあるので、お通じをよくチェックします。
そして、
タイヤ交換ですね。チューブ、リムバンドも、もちろん交換し、ホイールの振れもチェック、修正。
ブレーキシューの剥離 作業させてもらうと、大体7割近くの割合で剥離が起きています。
タイヤ交換時のベアリングチェックはもちろん、パッド、シューのチェックも一緒にしましょう
そして走行前にキャブレターの同調を調整です。
走行前に同調を取るのですが、走行後、しっかり温まってからも取り直します。
それは、しばらく動いていなかったエンジンなので古い油分が掻き落とされてフリクションが減ったり、
点火がウオタニによって強化され、燃焼室内のカーボンが減ったりなど、色々変化が起きる為です。
今回作業させてもらったこのZ2は、この先特に不安の無い状態になりましたが、
CB750はすでに51歳。Zも、もう50周年目前の旧車。人間と一緒で、優しく付き合ってあげることがとても大切だといつも感じます。
しっかり暖気と磨き、メンテナンスをしっかりして、末永く旧車ライフを楽しみましょう
(他に、ステムベアリング交換や、フォークオーバーホール等を行ったのですが、不動修理では必ずやっておきたい作業として項目を絞りました。とことん整備が気になる方は、こちらも宜しくおねがいしますhttps://ameblo.jp/moto-joy/entry-12546847981.html)
車検も取得し、完成