前回、クランクケース分割まで完了したY様のCB750FourK4 !!
まずはクランクシャフトを洗浄して曲がりを測定。
振れで 0.01mm 曲がり 0.005mm 非常に状態が良いですね~
ピアストン外径、シリンダー内径を計測してピストンクリアランス測定。
ピストンクリアランス 0.02~0.04mm とほぼ摩耗無し。
ピストンは過去に交換されているかも知れませんね。
シリンダー内壁は錆、傷もほぼ無く良好です。
ピストンリングの合口隙間測定。さすがにこれはクリアランス大きめです。
Top が0.4前後 2ndも同じくらい。オイルは0.09~1.00でしたのでリングは交換です。
シリンダーヘッドからバルブを外して点検です。
バルブガイドのガタが大きめですのでバルブとガイドは交換するのが良いですね。
点検後にカーボンを洗浄して外注へ発送です!
このシリンダーヘッドは私よりも年下でした!!
シフトフォークの爪に焼けも無く、摩耗も殆ど見受けられません。
シフトドラムの出っ張りも偏摩耗無く良好です。
ミッションの状態も非常に良いです!!
ドック部分の摩耗が殆どありません。
シフトフォーク、ドラムの状態から察するに、ギヤ抜けなど無かったと想像が出来ます。
やはり丁寧な扱いをされていたのだと思います。
先にコンロッドメタルの測定、交換を行います。
プラスチゲージのつぶれ幅でクリアランスを測定します。
太くつぶれたいる方がクリアランス少なく、細い方がクリアランス多いです。
厚いメタルを使ってクリアランスを4気筒とも揃えていきます。
同じようにクランクシャフトジャーナル部のメタルも測定してメタル交換。
数か所厚いメタルを使用しました。
外注から部品が戻る間にセルモーター分解点検。
たっぷりカーボンが出てきました。ブラシの残量も十分ですので洗浄してグリスアップ、組立です。
ミッションベアリングは全て交換、プライマリーチェーン、テンショナー、カムチェーン交換
アッパーケースに角部品を組付けていきます。
ロアケースにも同様に部品を組付けてクランクケースを合体です。
スタータークラッチをO/Hしてジェネレーター周り、シフター廻りを組付け。
クラッチインナーボスは少し段付き摩耗が見られたので修正して組立。
もちろんクラッチプレートは新品に交換です。
腰下の作業が終わるころ、シリンダーヘッドとシリンダーが戻ってきました。
新品バルブ、ガイドに交換してシートカット、すり合わせしました。
なんと美しいバルブ当たりでしょう~気持ちが良いです!
バルブ組立を行いヘッドの準備完了です。
シリンダーもホーニングしてクロスハッチが復活です。
バリ取り、リング交換したピストンをコンロッドに取付け。
カムチェーンテンショナー、ガイドローラー等全て新品交換です。
あとはいつものようにシリンダー、ヘッドを載せて締め付け。
カムシャフト、ロッカー周りを組付け、バルブタイミングチェック。
タペット調整など行いヘッドカバーを取り付けたら
無事にエンジン完成です!!
外観も磨かれてピカピカですが、内部も汚れが無く、摩耗も少ない良いエンジンでした。
これでまた気持ちよく走れると思います。
エンジンを車体に積み込んで始動の準備を進めていきます!!
ウオタニ、TMR装着の車両ですのであっさりエンジン始動です。
何度か試乗を行いキャブの再調整などしてついに完成!!
以前よりも静かで滑らかなエンジンに仕上がりました!!
50年近く前のエンジンですが摩耗箇所を見極めてしっかりオーバーホールすれば
驚くほど静かで滑らかなエンジンになります。
もちろん点火系、吸気系のチューンのおかげもありますが
大本のエンジンがパリッとしないと本領発揮できません。
モトジョイでの最後のエンジンオーバーホールとなったY様のCB750four K4
偶然ですが私と同じ生まれ年のエンジンでした。
47年も経てば人間もあちこちガタが出てきますが
エンジンはちゃんとオーバーホールする事で若返らせることが出来ます!!
今回もオーナー様の愛情をひしひしと感じるエンジン内部でした。
前回のT様CBX同様、オイル管理と丁寧な扱いをすれば10万キロ走破も可能です。
皆様も愛車へのメンテナンスはまめに行って長く楽しんで下さい!!
古いバイクでも適切に整備を行えば普通にツーリングに行けますし、なかなか故障もありません。
古いからこんなもの・・・と諦めないで不調がありましたらご相談ください。
皆様のお力になれるようにこれからも頑張っていきます!!
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