今回は10年ほど前にレストア、エンジンフルオーバーホールをしてもらったが、
調子が悪く、殆ど乗らずに放置していたZ2を復活させたいと来店していただきました。
エンジンフルオーバーホールは以前にしているが、前の店での作業が信用できないので、もう一度オーバーホールしたい。
と依頼を受けたので、エンジン以外のチェック、見積り後、相談して早速分解です。
この時点で、カムチェーン調整を全くしていなかったことが判明。ゆるゆるでした。
コンプレッションは少し低め。
カーボン多目ですね。
エキゾーストバルブ。新品が組まれていたようですが、すり合わせをしていなかった様です
インレットバルブはステム部の磨耗が大きく、ガイドはIN・EX共に要交換状態
タペットシムは2.10mmになる部分が数箇所ありました。
シム厚が2.50付近になるようにバルブの高さ合わせが必要です。
カムメタルのコーティングはほぼなくなり、深い傷がありますね。交換しなかったのでしょう
ピストンはというと、側面に傷が多いのが分かります。
そして、燃焼による焼けがリング下部に入っていない事から見た感じではリングのみ交換したのかな? と思われます。
実際に測定してみると、シリンダー/ピストンクリアランスは規定値で0.079mmが限界。となっており、
測定値は、0.07mm~0.075mmとなっていて、もはや限界という状況です。
ピストンリングの合口は良好なので、やはりリング交換のみのオーバーホールだったようです。
現在0.5mmオーバーサイズ(OS)のピストンが入っており、
シリンダー壁の状態は良好。内径の拡がりも悪くない。
オーバーサイズとなると、ワイセコの3mmオーバーサイズしか無い。しかし、これはスリーブの厚みがとても薄くなってしまうし、
スリーブ替えてケースボーリング、、、などをしていると、コストの大幅アップになってしまうので、避けたい。
そこで、純正の0.5mmオーバーサイズピストン、リングを取り寄せて計測すると、
ピストン/シリンダーのクリアランスが 0.05mm~0.06mm弱で収まる やった これで行きましょう
腰下はというと、針の振れは0.02mmで、良好
ミッションを分解していきますが、、、
問題なし クラッチも良好 シフトフォーク周りも良好
腰上と、腰下で、違う担当が組んだのかな?と思うほど、
腰下は液体ガスケットの塗りかたから、クラッチなど各部の状態まで、とても良好でした。
ACGは相変わらず要修正です。
という事で早速腰下を組みますが、その前にミッションシャフト、シフトフォークシャフト周りのラッピングです
あまり良い写真がなかった
他にもバリ取りなど小細工をしていますが、画像がなくて、ごめんなさい
ミッションベアリングなども交換して、組み付けます。
相変わらずケースを合わせる瞬間は緊張します。
塗装は良い塗装がしてあるようで、組んでて楽しくなりますね
で、ここからは腰上。
EXのみバルブフェースを研磨して修正。(INは新品に交換)
バルブガイドは全てガタガタだったので交換し、シートカット済み。摺り合わせもバッチリ
ステムシールも交換して組み付け。
単体でのタペット調整
純正新品の0.5mmオーバーサイズピストンで組みます。
カムタイミングをしっかり合わせて、、、
エンジン完成
ここから、車検取得に向けて車体の作業ですが、長くなったので、次回にアップします。
見てくださいね~