名探偵コナン 紺青の拳(フィスト)
制作国:日本(2019)
劇場公開日:2019年4月12日
上映時間:110分
監督:永岡智佳
脚本:大倉崇裕
総作画監督:須藤昌朋
あらすじ:19世紀末に海賊船とともにシンガポールの海底に沈んだとされるブルーサファイア「紺青の拳」を、現地の富豪が回収しようとした矢先、マリーナベイ・サンズで殺人事件が発生。その現場には、怪盗キッドの血塗られた予告状が残されていた。同じころ、シンガポールで開催される空手トーナメントを観戦するため、毛利蘭と鈴木園子が現地を訪れていた。パスポートをもっていないコナンは日本で留守番のはずだったが、彼を利用しようとするキッドの手により強制的にシンガポールに連れてこられてしまう。キッドは、ある邸宅の地下倉庫にブルーサファイアが眠っているという情報をつかむが……。(映画.comより)
評価:★★☆☆☆
◆感想(ネタバレなし)
コナンは原作もテレビシリーズも追ってないのですが、昨年に続き劇場版を鑑賞しました(昨年の感想はこちら)。
コナンの劇場版に私が求めるのは、テーマ曲と共に繰り出される(かなりぶっとんだ)アクションの爽快感です。ここさえクリアできていればストーリーに粗があっても合格だと個人的には思っています。今作は怪盗キッドがメインに絡んでくることもあり、ハンググライダーでのスピード感のあるアクションに期待したのですが、実際にはもう一人のメインキャラクターの京極真の空手のアクションが中心で、キッドとコナンのアクションは控え目だった気がします。特にコナンについてはアクションに必須アイテムのスケボーが今作では登場しないので、普段に比べてかなり大人しかった感があります。そして残念ながらメインとなった京極のアクションも特に見せ方に工夫があるわけではなく、いまひとつでした。せっかく舞台がシンガポールなので、日本と違う街並みの中でのパルクルールアクションとかあると面白かったと思うのですが、そういった劇場版ならではの真新しさは無く、悪い意味で“いつも通り”だった気がします。
また、シンガポールが舞台になったとはいえ、ほとんどマリーナベイ・サンズホテルとマーライオン広場しか出てこないというのも気になりました。もう少し色んな街並みを再現して、シンガポールを観光したくなるような描写があると日本人はもちろん、現地のファンにがとっても嬉しい映画になったように思います。
お話面は突込み所が多いですが、まあそれは例年そんなもんなので(笑)。
*以下ネタバレです。
◆ネタバレ
キッドは宝石を盗みにレオン・ローの邸宅に侵入するが、それはレオンの罠だった。コナンの助けがあり、キッドは辛くも脱出に成功する。
キッドとコナンは協力して殺人現場にキッドの予告状を残した人物とその目的を調べようとするが、その最中にレオン・ローの秘書のレイチェルが殺害され、状況証拠からキッドが容疑者となってしまう。
コナンはマリーナ・ベイサンズでの殺人事件はレオン・ローとレイチェルが共謀して行ったこと、レイチェルは罪の意識から真実を小五郎に打ち明けようとしたため殺されたことを突き止める。また、レオン・ローがシンガポールの再建築を図っており、海賊と共謀して街にタンカーを突っ込ませる計画を企てていると知る。
タンカーがマリーナベイ・サンズ近隣の港に衝突し、海賊がシンガポールに集結するが、彼らはレオン・ローから報酬のブルー・サファイアを受け取るとレオン・ローにも銃を向ける。海賊達はレオン・ローの教え子だったリシに買収されていた。リシはレオン・ローに父親を殺されており、その復讐が目的だった。殺人現場にキッドのカードを置いたのもリシだった。リシが海賊達の買収の対価としたのはマリーナベイ・サンズにいる園子だった。園子を誘拐し多額の身代金を得ることを狙う海賊達がホテルに押し寄せるが、京極が園子を守って闘う。コナンとキッドはマリーナベイ・サンズ空中庭園にいる二人を、ロケットランチャーで空中庭園だけを剥がしとって海面に降ろすという荒業で救出する。
◆感想(ネタバレあり)
コナンの映画の舞台になる場所では本当にしょっちゅう爆発や建物の倒壊が起きていますが、実際にあるランドマークを破壊したという意味で今作は限りなくゴジラに近かった気がします(笑)。マリーナベイ・サンズの空中庭園をロケットランチャーで剥がして、海に浮かべるというアイディアは馬鹿馬鹿しくて良かったと思いました。
既に述べたようにお話面は突込み所満載です。これについて言及するのは野暮というものかもしれませんが、やっぱりリシがキッドカードを殺人現場に置いた理由が、“キッドがくればレオンの計画を妨害してくれると思ったから”という大変ぼんやりしたものなのは如何なものかと。リシはキッドがいなくても自力でレオンの計画を頓挫させていたので、物語の上ではリシの計画にキッドは不要だったわけです。結果として、なぜキッドカードが置かれていたのかということの答えが、“それがないとキッドが出せないから”というメタ的な作り手の事情をより強く感じてしまうものになってしまいました。リシの計画にどうしてもキッドが必要だった理由は、『コナン』が一応ミステリーとして売っている作品である以上、物語内できちんと辻褄合わせをして欲しかったと思います。
◆まとめ
・アクションにもう一工夫欲しかった。
・お話は例年通り突込み所が満載。