劇症１型糖尿病が改善したという本
これ 頂いたので読みました。
結構すぐ読めます。
２０～３０分で。
結論は 劇症型１型糖尿病 が
明日葉の 粉のんだら 治ったという 話です。
だから著者は 明日葉の研究をして糖尿病を治したい。
できるならノーベル賞とりたいと。
それは すばらしい意気込みで、尊敬します。
が。
当然 当ブログでは辛口に 批評していきます。
まず 初診時
血糖 ８２３ 意識あり。
（主治医から意識があるのが不思議な位といわれてますが、この程度なら意識あるひとはそんなに少なくないです）
HbA1c ７．５％ 尿ケトン２＋ ＰＨ ７．２８ ＧＡＤ抗体陰性
入院７日後の グルカゴン負荷テストで 血中CPR前も後も ＜０．２以下
ということで
この時点で 主治医から
＃１ 劇症１型糖尿病
＃２ 糖尿病性ケトアシドーシス
と診断されています。
他の糖尿病専門医 ２～３人にも 相談したが 同じ診断だったと。
そして 今後自分のインスリン つまり内因性インスリン分泌が回復する可能性はなく、一生インスリン自己注射が必要だと言われた。
ということです。
では 私が 診断するなら？
本当は 本の中に記載がないですが
アミラーゼやリパーゼなどの膵酵素の 上昇はどうなのか？
ＩＡ－２抗体はどうなのか？ という問題もありますが。
記載にないので推定すると、アミラーゼは測定してないはずはないので 上昇がなかったと予想。
ＩＡ－２抗体は 測定してないのかもしれません。
まぁ それでも これで 私が診断するとしても
その 東大の糖尿病専門医の 診断通り
＃１ 劇症１型糖尿病（Ｔｙｐｅ１ｂ）
＃２ 糖尿病性ケトアシドーシス
で 同じです。
典型的なら ＩＡ－２抗体の陰性を確認して、アミラーゼなどの膵酵素の上昇をみないといけないし。
HbA1c ７．５％は 本物のＴｙｐｅ１ｂにしては 少し高い。
本物のＴｙｐｅ１ｂは一気にインスリン枯渇するので HbA1c６％前後のほうが 本物っぽい。
主治医から あと ４時間遅れたら 命が危なかったといわれたと言われてますが。
意識もあるし、HbA1c７．５ということから 数日以内でなくて もっとちょっと長いスパンで発症してるので、１２時間すぎてもまだ大丈夫だったと思います。ＰＨも ７．２と アシドーシスもそれほどでもない。 重症なのは ６点台だからね。
これを診断した、マニュアル糖尿病専門医と 私が違う点がひとつ。
診断は同じだけど。
予後ですね。
内因性インスリン分泌が回復する可能性はなく、一生インスリン自己注射が必要だと言われた。
という点です。
私なら内因性インスリン分泌が回復する可能性は ０ではないと思います。
もちろん可能性は低めですが。
と言います。
劇症１型にしては 高いHbA1c
膵酵素の上昇なし。本物のＴｙｐｅ１ｂにしては、ＤＫＡ（糖尿病性ケトアシドーシス）が 弱い。
そしていつも書いてますが急性期に測定する 血中ＣＰＲは当てにならない。
（高血糖による抑制効果があるので）
尿中ＣＰＲは １７μｇ/dayと 完全枯渇してない。
自分のインスリンが回復していく可能性もあるかなと思います。
だから 初診時の 診断は同じだけど、予後はまだ未定。
現時点では ＤＭ Ｔｙｐｅ１ｂ ＳｔａｇｅⅣだけど
ステージは 改善することもあるってことね。
それでは その２から、著者の経過を評価します。
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