有床診療所の夜間配置 | ほぼ年中無休 もりぞの内科の「ホンネでぶつかる医療の話」

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夜間対応「3人」機能せず=避難マニュアルなし―病院火災10人死亡・福岡
時事通信 10月13日(日)16時21分配信

 福岡市博多区の安部整形外科で入院患者ら10人が死亡した火災で、医院側が同市消防局に提出した消防計画書で、夜間対応の職員を3人と届け出たが、避難誘導のマニュアルがなく機能していなかったことが13日、市消防局などへの取材で分かった。
 福岡県警と市消防局は同日も、現場で実況見分を続けた。1階のリハビリ室に置かれた温熱療法用医療器具付近が激しく燃えており、県警と市消防局は出火原因の特定を急ぐ。
 市消防局によると、消防法は多数の人が出入りする施設に対し、火災などの緊急事態の際、建物にいる人の安全を守るため、自衛消防組織の設置を求めており、病院も対象に含まれている。


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最近大変痛ましい火災事故が起こりました。


なんとか これを繰り返さないために検討が必要だと思っていますが・・・・



 

 

 



19床以下は 診療所  20床以上は 病院といいます。


今回の火災は 有床診療所です。



ベット数 19床のようです。



当院も 有床診療所で 14床です。




夜間の配置人数は 多ければ多いほどよいですが 経営から考えると 有床診療所で 夜間配置3人なんて ゆめ物語です。


もし

夜間 3人 日中も 3人 とすると、時給が 安くても 1200円 普通は1500円以上となります。


少なく見積もって

1200円で計算しても、 1200円×24時間×30日×3人。



人件費が 最低で、月約260万になります。




一方診療報酬は  2週間を超えての入院は 一人あたり約 3000円です。



2週間以内だと診療報酬多いのですが、診療所でそんなに新患を繰り返し入院することはないので これを 多く見積もっても 一人単価 1日 4000円です。

(食費含まず)



当院で 満床を続けて


4000×30日×14人  つまり 診療報酬は  約168万円



実際は 満床が続くことは少なく、長期の3000円の入院も多いので もう少しすくなくなります。




19床のベットでも 4000×30日×19人 228万円


で 事実上マックスでしょう。

(実際は食費分と薬代があります。薬代は現在薬価差益なしです。)



これに 光熱費、シーツ交換代諸々 諸経費必要です。




診療報酬から 考えて 夜間一人体制でも


トントンから赤字 なのが 有床診療所の現状です。



そのため 昔に比べて有床診療所は激減しました。


 

苦労ばかりで 報酬が少ないので。



赤字部分は 外来の報酬から補充しているのが、全国の有床診療所の現状です。



入院患者一人より、風邪の初診や 糖尿病の再来患者診る方が診療報酬がいいんです。



これに スプリンクラーの必須や 夜間体制の強化を義務化すれば



 有床診療所は さらに 激減するんでしょうね。