私のブログでは、2型糖尿病患者さんにはインスリン自己注射回数を 多くしてもそれほどメリットがないという記事が多いと思います。
しかし 世の 主流派は、 1回より2回、2回より3回、又は2回より4回がいいと言われています。
4回打ち以上を 強化インスリン療法と呼ぶことが多いです。(細かく言えば異論を言われる先生もいますが)
意見が 色々あると 患者さんは迷っちゃいますね。今日は1~2回がいい人。4回がいい人漠然とイメージできるように文章書いてみました。
4回うちが特に効果的な患者さんは、実際にきちんと食事療法と運動療法をある程度して、間食もあまりしない患者さんです。そんな患者さんにはインスリン回数は多い方がいい事は間違いありません。 でも むしろそれは 少数です。
先日の勉強会で、インスリン回数を減らした方が、
HbA1cよくなった という 発表をされた 先生がいたのでご紹介させていただきます。
大工原裕之 先生
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混合型インスリン ノボラピット30mixの 2回うちをしている人を
BOT(飲み薬と、持続型インスリンの1回注射)に変更
すると 平均 HbA1c7.6%だったのが HbA1c6.8%になったとのことです。
そして そのうち何人かを 4回うちにすると、 HbA1c 6.3%とさらに改善したという 発表でした。
なるほどなと思いました。
2回打ちの人を1回打ちにするとむしろ、HbA1c改善する事があるっていうことですね。
私も最近 30mixの 2回うちで インスリン開始することはなくなりました。
1回打ちで十分だし、むしろこっちの方がいいケースがあります。
しかも 30mixみたいな混合インスリンは、しっかり混ぜたり振ったりして注射しないといけなないんですが、きちんと実践できているほうが少数です。
だから、べた~~~~と基礎インスリンを効かした方が いい感じです。
以前のブログにも書きましたが 、BOTでHbA1c7%位になって さらにやる気のある方は さらに上級編の 4回注射にチャレンジしたらいいと思います。
こんな 優等生の患者さんいは 4回打ちは有効です。
だけど HbA1c10%とかの人に、4回うちに変える専門医もいますが、こんなの手間がかかるだけで 全く無駄です。(内因性のインスリン分泌が保たれている一般的な2型糖尿病においてですが) 頻回打ちにする前に 血糖をよくするためにもっと大事なことがあるんですね。それを改善さえてあげないといけません。
当院に 他院から 流れてくる患者さんで HbA1c10%以上あるのに、最初に誰かから教わったインスリン4回自己注射を後生大事に実践しているのをみますが、私は すぐにインスリン自己注射回数減らしています。
人それぞれに あった インスリン自己注射回数が大事だと考えています。
誰でも 4回打ちがいいなんて事はないんですね。
むしろ、1回打ちのほうが 改善したりすることもあります。
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余談ですが
この
大工原裕之 先生
同病院で、18年間一人で糖尿病を見てるようですが
入院患者さんが強化インスリン療法
になったら、 朝 昼 夜 21時 の 血糖を聞いて、インスリン量の指示を出しているとの事です。
海外に行っている時と、夏休みのときは不明ですが
それ以外は 365日、 といっても 350日程度とは思うのですが
毎回 血糖値をナースから電話で聞いて 指示だしているようです。
だから、 毎日 朝の7時半と 夜の21時に 仕事の電話がかかってくるんです。
普通の人間なら 嫌になっちゃいますね。
それを 18年続けているようです。尊敬しました。
私は毎日診療が6年なので まだまだですね。
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ただ
大工原裕之 先生
の 発表の HbA1cの下げ方は 早すぎだと思いました。
入院前平均HbA1c9,8%の患者さんを、朝食前血糖110以下にするように強化療法すると説明していました。
網膜症出現そうです。私ならもう少し緩やかに下げるように 目標設定します。
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