以前にN塚さんから修理依頼をいただいたフェンダー・ストラトキャスター<エリッククラプトンモデル>。

今回は9V角型電池をワンタッチで交換できるよう、電池ボックスを取り付ける改造の依頼をいただきました。

標準のストラトキャスターでは電池は不要なのですが、<エリッククラプトンモデル>では特別の電子基板が入っていて、これを作動させるための電池が入っています。ところがところが電池交換しようとすると、裏蓋のネジ6本を外さないといけないのです。

ワンタッチ電池ボックスは販売されているのでこれを取り付けることにします。

 

深さ33mmの角穴を彫り込む必要があります。電池ボックスの図面に合わせてルーター用のテンプレートから製作していきます。

ひさびさの糸鋸のお出ましです(;^ω^)。

 

はい、抜けました。

 

墨残しで切断しているので、ラインまでヤスリ等で追い込みます。

テンプレートを作るだけで工数がけっこうかかりますね。。。

試し堀りをしてみます。

 

図面通りに出来上がっています。

といってもメーカー指定の寸法よりも小さくしています。電池ボックスを実測してそれに合わせています。

 

いよいよ本番です。ミスは許されませんからかなり緊張します。失敗したので弁償するといっても20万円も払えない(-_-;)。。。

テンプレートをこんな感じでセットします。両面テープで貼り付けてからバイスで固定します。

 

 

4mmずつ彫り込んでいきます。1回毎にルーターを止めて切削くずを取り除きます。

 

33mm手前で最終の寸法決めの深さを測り、必要量をシックネスゲージでセットします。33mmピッタリにしたいので。

 

はい、掘り込み完了です。

 

 

続いて難関のリード線用の横穴を開けなくてはいけません。

これは一段と緊張が走ります。。。

開けたはいいが、表に飛び出したときたら終了です。はい。

リード線を通す先は、表側のケーブルジャックの掘り込み部になります。掘り込み位置をトレーシングペーパーで写し取り、それを電池ボックス側に当てがいます。

 

赤ラインのように穴を開けますが、角度を間違えればアウトです。。。

で、断面の図面を書いて、大体の角度を決めます。

 

構想が決まったところで、いよいよ本番。

延長ロッドを取り付けてと。

 

 

狙い通り、うまくドリルの先が見えました。ほッ!

 

こんな感じです。

 

リード線を通してみます。

 

プラスチックプレートが黄ばんでいるので新しい部品に取り替えます。

 

比較したところ。

 

電池のリード線を今までの線につなぎます。

 

 

いい感じで電池が入ります。

 

パチンと蓋をして完了。

 

磨きをかけて完成です!

 

ミドルとリアのピックアップの黄ばみが気になりますが(;^ω^)。

 

<エリッククラプトンモデル>の太い音が鳴り響きます。