古代から中世にかけて、熊野本宮大社・熊野速玉大社・那智大社の熊野三山への信仰が高まり『熊野詣』の旅人が通る巡礼の道が整備された。今でも『熊野古道』と呼ばれるいくつかのルートが残っている。京都から大阪を経て紀伊路を通り、山中に分け入り熊野へ続く『中辺路』、海岸線沿いに那智・新宮へ向かう『大辺路』。高野山から熊野へ向かう「小辺路(こへち)」、伊勢神宮と熊野を結ぶ「伊勢路」、吉野・大峯と熊野本宮をつなぐ山岳修験道の道『大峯奥駈道』がある。
6月最初の土日を利用して、高野山金剛峰寺から熊野本宮大社につながる、仏教と神道を結ぶ道・小辺路(約70km)を一泊二日で縦走してきた。
土曜日の朝、高野山金剛峯寺の山門前に友人数名で集合して、金剛三昧院横から小辺路に入りる。
今回は仲間数名がサポートとして、車でを先回りして補給食や飲料のエイドをしてくれる。
調子よく1000m級の水ヶ峰を越えて大股に降りてきたところ、仲間の自家製梅干し、おにぎり、吉野の美味い豆腐の冷奴とよく冷えたビールで昼食。
そこから1日目の難関、伯母子岳への登り。暑さとビールの酔い(?)で足が思うように上がらない。
ようやく上った伯母子岳頂上では、全方位の眺望が待っていた。
三田谷橋まで下って、三浦口のロッジに宿泊して仲間たちとBBQ宴会。
二日目はつり橋から三浦峠に上がる。陽射しがなく気温が低めだが、湿気が多い。
長くきつい登りでアルコール臭のする汗が噴き出す。
峠を越えて矢倉観音堂を過ぎ、西中に降りてきた。
そこから昴の郷まで約8kmの舗装路が続く。
昴の郷の駐車場の奥のトンネルを抜けて、吊橋を渡り、果無集落へは観光ポスターになった傾斜がきつい石畳の道。
登りきりと果無集落が広がる。そこで雨がポツリと振り出した。
果無峠までは時折きつい登りもあるが、最後の峠と思うと気持ちも楽だ。
峠から長い下り、雨に濡れた石や堆積した馬目(ばめ)の落ち葉で滑りそうなる。
八木尾からは中辺路に合流して、あと一山を越えれば、、。
本宮の森が見えるところに『伏拝(ふしおがみ)』というところがある、確かに今までの行程を顧みると「伏し拝み」したくなる気持ちもわかる。
熊野本宮大社を参詣して、大斎原(おおゆのはら)の大鳥居も拝めた。
充実の二日間、サポートしてくれた仲間に感謝だ。