本を読んでケタケタ笑うことは、
そんなにしょっちゅうありませんが、
『万葉集』には、時々面白い歌があります。
次の歌をご覧ください。
古人(ふるひと)の 飲(たま)へしめたる吉備の酒
病めばすべなし貫簀(ぬきす)賜(たば)らむ
意訳すると、
「古人(=大伴旅人)が飲ませてくださった吉備のお酒。
(飲み過ぎて)悪酔いして苦しいので、
(寝転んで休むために)竹で編んだ敷物をください」
という感じになるようです。要するに、
「酔っぱらった~、気持ちわり~、寝ます~」
という歌です(笑)。
そもそも酩酊状態で和歌を詠むこと自体おかしいですし、
それがちゃんと記録に残り、
万葉集を編集した人が選んで載せたことも、
なかなか洒落が効いています。
1300年前の人も、
今と同じようにお酒を飲んで楽しんでいたのですね。
現代人との違いは、それを短歌にするセンスがあった、
というところでしょうか。
私はこの歌を、一人でクスクス笑いながら読んでいました(笑)。