続き↓ですが、今回は山小屋での一夜について。
ヘロヘロになって到着した山小屋は、本八合目の、上江戸屋です。入口で靴と雨合羽などを脱ぎ、荷物を全部持って、部屋(寝場所?)に案内してもらいました。
部屋ではなく寝場所、と書いたのは、戸があって隔離されている部屋ではないからです。
ざっくり言えば、三段ベッドの大きい版でしょうか。大きい部屋を三階に分けて、左右正面でそれぞれ4~6人ずつ寝られるよう寝袋が置いてあります。一番下と二番目にはカーテンがついていて、もう少し個室っぽかったかな? 個人での滞在の人向けなのかも知れません。
私たちは家族で6人での予約だったので、一番上のエリアの一画が私たち専用で割り振られていました。すぐ上は屋根で、梁(はり)なども丸出しで立てる高さはありません。上に気を付けないと、頭を上げると梁に頭を当ててしまいます。
男女の区別もなく、プライバシーは皆無。シャワーなどは当然ありません。できたら身体を拭くくらいしたいなと思っていましたが、仕切りも何もないので、どうしてもしたければトイレでやるしかありませんが、かいた汗もすっかり引いたし、寒くて服を脱ぐ気にもならないので、もうこのままでいいことにします。
少し息をついて、寝る場所を決めてから(私の父はいびきをかくので一番端っこ、その隣は何があっても眠れる三女、そして次女、長女、私・・・みたいに)荷物を少し整理していると、夕食に呼ばれました。
山小屋での夕食は、入口を入ってすぐの広間のような畳のところで提供されます。宿泊者全員は座れないので、着いた順番に頂きます。私たちは5時半前に全員が揃い、6時前に夕食に呼んでもらいました。
メニューはお弁当のような容器に入ったご飯、ハンバーグ、小さなポテトサラダ、それにこれも発泡スチロールの容器に入ったカレーでした。山小屋での夕食はカレーライスが定番のようです。洗い物を出さないために、全部使い捨ての容器で提供のようです。
それでなのか、並べておいてから呼んでくださるからなのか、熱々というわけには行きませんでしたが、とにかく有難くいただきます。カレーは子どもでも食べられるようにか甘口で、三女は嬉しそうでした。
ベジタリアンの長女と次女は、カレーとご飯、サラダは食べましたがハンバーグを食べません。まだ足りない・・・というので、メニューにあった山菜うどんを注文し、二人で分けてもらいました。この山菜うどんは、カップラーメンのようではなく作ってくれたもののようで、美味しかったようです。やっと温かい食事を食べて、温まったようでした♪
次の人たちが待っているので、ゆっくりはできず、食べ終わったら早々に寝場所に戻ります。
その時、机に置いてあった朝食だというお弁当も持って、戻ります。朝の出発は皆さんそれぞれ違う時間なので、もう前夜から渡されているみたいでした。ちらりと見たところ、ご飯と焼き魚かな? 今の時間から置いておいて大丈夫なのかとちらりと思いますが、かなり涼しいので、腐ることはないのでしょう。寝床に戻って、荷物と一緒に隅に置いて、さあもう寝ましょう!
午後6時半くらいですが、これまでの登山で身体はヘロヘロ。次の日の朝も早いので、休める時に休んでおくのが得策だと思い、寝る準備を始めます。ウインドブレーカーやもこもこの上着だけは脱いで、でも寝袋だけでは寒そうなので服は着たまま眠ります。トイレに行くついでに歯磨きもしたかったのですが、子どもたちは動けないほど疲れているようなので、先に少し休ませてから・・・と思っていたら、そのままなし崩しに寝てしまいました💦
私たちのいた3階のエリアの、向かいには誰も来ていなかったので、静かそうでよかったーと思っていましたが、寝袋に入ってウトウトしだした午後7時頃、どやどやっと大声で一団が・・・。中国人らしい人の、一団でした。家族なのか、若い? 子ども? らしい姿も見えます。寝かかったところだったので起こされてしまいましたが、どっちにしろ山小屋の中は仕切りもなく、人の歩く音や話し声、スタッフの人が「xx様~、夕食です~!」と呼ぶ声も筒抜け。なかなか眠れないなあ・・と思っていましたが、午後8時には消灯され、皆静かになりました。
夜、雨が降り出したようで、真上になる屋根に当たる雨と、風の音でなかなか眠れません。
寝袋の下には薄いマットが敷いてあり、板そのものではありませんが快適とは言い難い。
他の人のいびきや動く気配、誰かが懐中電灯でもつけてゴソゴソしていればその気配にも目が覚めます(お互い様ですが)。
疲れていたのでウトウトはしますが、熟睡はできません。1時間ごとに目が覚める感じで、それでも出来るだけ身体を休めようと努力して目を瞑ります。
夜中12時頃だったか、だんだん気温が下がってきたのか寒くなってきたと思ったら、寝袋の袋がすっかり開いてしまっていました。直そうとしましたが、ジップが壊れているのか閉めることができません。仕方ないので、上着をもう一枚着ようとゴソゴソしていると、隣に寝ていた長女を起こしてしまったようで、暗闇の中で目が合いました。長女もしっかりは眠れないようです。
トイレに行く? と聞くと行くというので、小銭(トイレ使用料)と、ついでに歯ブラシも出してそっと梯子を下りて階下に行きます。トイレは、さっき夕食を食べた広間の前にあるのですが、そこでスタッフの方なのか、予約でなく飛び込みで来た方なのか、起きていられる方が何人かいました。
トイレは水洗ですが、雨水か循環させて使っているようで、流す水が茶色です。長女は眉をしかめていましたが、黙って使っていました。なんとか歯磨きもして、そっと寝場所に戻ります。寒くなってしまったので、まだほんの少し残っていた、魔法瓶の湯で一緒にお茶を飲みました。
再びウトウトしだした午前1時半頃、どなたかのアラームか目覚まし時計が鳴り響きます。御来光を山頂から見る予定の方と思われますが、せっかく寝始めたところに、音がなるアラームで起こされると、正直イラつきます・・・。しかも早く止めてくれればまだしも、かなりの間鳴っています。
これがやっと止まると、今度は2時頃に、同じく別の方のアラームが・・・。
バイブ、もしくはごく小さな音で、自分の耳元だけでかけてほしかったですね・・・。
しかもその後は、出かけようとする方々に、山小屋のスタッフが今は山頂は雨で、風も強く、注意報(警報?)が出ているので登れません、もう少し待った方がいいですよ、と言っている声も聞こえ、寝られません。。。
とはいうものの、数時間後には私たちが同じことをやってしまったようで、周りの方に申し訳なかったです💦
次女が、日の出を見られるように自分のアラームをかけようとしていたので、私が、起こしてあげるからいらないよ、と言ったのですが、うっかりそのままかかっていたようなのです。午前3時半頃に、響いたようです・・・。ごめんなさい。
しかも私がその時トイレに行っていて寝床におらず、すぐ気づいてあげられなかったので、随分長い間鳴っていたとか(かけた張本人の次女は眠っていて、長女が目覚めたものの誰のアラームか分からなかったようで、私たちの荷物の中で鳴っていると気づくまで随分鳴ってしまっていたようです)・・・。本当に申し訳なかったです💦
*少々露骨な話になりますので、お食事中の方は閲読注意*
私がその時間トイレにいたのは、かなりの長時間。というのは、ちょうど午前3時前だったでしょうか。眠っていたのに、ふっと気持ちが悪くて目が覚めたんです。
私は時々貧血になる兆候があり、あ、これは貧血だ、とすぐ分かりました。でも、私の貧血は乗り物酔いやお風呂で酔ったりする時に起こることが多く、なぜ今?? 血が下がっていく感覚、こみ上げてくる吐き気と脂汗と戦いながら、なんとか周りを起こさないようにと姿勢を変えながら堪えます。
恐らく、今夜と、それから実は前夜も、富士山登山への緊張か、よく眠れていなかったんです。なので2日連続の寝不足がいけなかったのか、それとも高度と、空気が薄いことの影響か。
とにかくなんとか治まってくれないかと、必死にもがいていると、貧血自体は5分程度で治まりました。でも私の場合、貧血を起こすと、吐き気と共に、お腹も少しくだるんです。動けるようになると同時に、急いでトイレに走り、そこで30分以上いたでしょうか。これも緊張のためか、ここ数日便秘気味だったのも影響していたのか、良かったのか悪かったのか、お腹が空っぽになりました・・・。
ふらふらになって寝床に戻ってきた私に、長女がアラームのことを小声で教えてくれました。私も、貧血になっていたことを伝え、お互い大変だったね・・・と、13歳と慰め合います。
もう寝られないかな、と言いながらも、もう一度横になります。夜中降っていた雨は今は止んだようで、風の音も静かになっています。私たちの予定では、ご来光(見れたら)を山小屋から見て、早い朝食後、山頂を目指す、です。今の季節の日の出は、4時半前。ぎりぎりまで寝ていようかと思っていましたが、4時過ぎ、山小屋の電気がついて、山小屋の人たちが宿泊者を起こしてくれました。
起きている私と長女はまだしも、まだ眠そうな三女と次女は、無理して起こさなくてもいいかな・・・と思っていましたが、電気もついたしどちらにしろトイレに行きたいという二人だったし、父も含め、私の弟以外起き出しました。
起きてよかった・・・見れました、ご来光!!
雲海の上を橙色に染めながら昇ってくる太陽は、圧倒的な力を持っていて、とても力強かったです。
夜、明け方まで雨だったのに、これが見られたのは、本当に幸運でした✨✨