2024年7月2日(火)から3日(水)にかけての子連れ富士山登山記録です。

 

前回からの続きです↓

 

 

私たちが登る山梨側吉田ルートの5合目は人が多く賑わっていました。富士山混雑のニュースなどで一番テレビに映ることの多い、あの場所ですね。

ニュースでやっている通り、海外からとおぼしき人々が多くいます。

一見日本人らしく見えても、会話を聞くと違ったりして、登山中の会話も、日本語より他の言語の人が多い感じがしました。ざっくりのイメージですが、海外からの人:日本人=7:3くらいの感じでしょうか?

欧米人らしい男性の中には、Tシャツを通り越してタンクトップにショーツとか、普通のスニーカーの人も多くいて、子どもたちでさえ、”富士山舐めすぎじゃない・・・?”という顔をしていました;

かと思えば、逆に今からそんなに厚着をしていては暑いんじゃないでしょうか? という、冬の恰好をした人もおり、様々です。

 

何はさておき、他人のことは他人のことで、私たちは自分のペースで歩くことを目標として、出発です。

この日の富士山五合目はいい感じに曇天で、少し晴れ間が出て富士山の上の方が見える、という、絶好の登山日和。

梅雨シーズンですので雨が心配されましたが、実は私の父と、加えて私も、かなりの”晴れ人間”。

出かけようという日や、この日は雨降ってほしくないなーという日は、不思議と晴れることが多いのです。だから(?)、今回も私は、1週間前ほどの天気予報ではこの日は雨予報でしたが、勝手に「大丈夫、晴れるから!」と、自分にも周りにも言っておりましたw

ですが、晴れ過ぎて暑いのも、登山には大変。汗を多くかけばそれだけ水分も必要だし、日光を遮る木々がない富士山の上では、紫外線も相当強いのです。更に標高が上がればそれだけ🌞にも近くなるわけですし。

曇りに加えて、意外と湿度も低い中の、快適なウォークからスタート。これまでの登山練習(この話はまた別で)で、特に日本の高温多湿の夏に慣れていない長女が湿度の高いところはばて気味だったので心配していたのですが、この日(富士山だから?)はさらっとした感じ。

私を含め子どもたちは、薄い長そでに長ズボン(長女と次女は薄いウインドブレーカー、三女は普通の綿の長パンツ)に帽子です。荷物を背負っている背中は汗をかくけれど、時々吹く風が気持ちよく、快適です。

 

5~6合目はなだらかな道をすたすたと歩き、6合目の安全指導センターというところで、地図をもらいました。降り口と登り口が分かれているそうですが、今の段階では山頂から8合目までは降り口が開通していないので、同じ道を降りてきてください、という指導を受けます。

ここでもらったこの小さな地図に、救護所や山小屋の場所が分かりやすく載っていて、歩く中で正確に今自分たちがどのあたりにいるのか確認する、すごく良い指標になりました。重いのでガイドブック的なものは持ってきていないし、携帯のバッテリー消費がもったいないので細かく地図も開かないので、この紙の地図が重宝しました。(ただ、風で飛ばされやすいので要注意!)

 

地図でも見られる通り、6合目から7合目に向けて、ようやく本格的な登りがスタートします。

私はとにかく、高山病になるのが怖かったので、ゆっくりゆっくり、焦らず登って行きます。

高山病は、酸素の薄いことと、高度に身体が慣れないことで起こるというので、とにかく体を慣らしながら、少しでも気持ち悪いと思ったらすぐ立ち止まって、大きく息を吸って、休憩しながら進みます。

三女と私の父、弟が先に行き、頭痛持ちの長女と次女は、意識してゆっくり行かせます。5~7合目のあたりはまだ比較的話しながら登る余裕があるので、並んで話したりしながらのんびりと。

 

2時間ほど歩き、三女がお腹が空いたと言い出します。それまでも、ガムを噛んだりしていたのですが、確かに昼近くなってきました。

上を見ると、山小屋が見えだしたのでこのあたりが7合目。じゃあ7合目まで行ったら食べようか、と三女を励まし、7合目の山小屋に着いたあたりで、ちょうどお昼頃。昨日のうちに購入してあったパンなどのお昼を食べます。本当は今朝、どこかでおにぎりなども調達するつもりだったのが、スバルラインに入る前に行き損ねて買えなかったのが失敗・・・。

ちょっと物足りない感じもして、山小屋で売っている食料をちらりと見ますが、当然ですが下界の3倍からのお値段。うーん、買ってもいいんだけど、まだそこまで切羽詰まってはないしなあ・・・と皆で顔を見合わせる。

食事としては足りない気がしますが、その分お菓子やスナックは持って来ているので、それをちょこちょこ食べながら、進むことにします。子どもたち、特に三女は、一度にたくさん食べるというよりちょこちょこ食べ&こまめな休憩が有効そうなので、チョコレートや飴を小出しにしながら歩きます。

重いのですが、頑張って魔法瓶2本に温かいお湯を持って来ていたので、それで大人はコーヒー&子どもたちも砂糖を入れたハーブティーを飲んで、水分補給&満腹感を感じさせて再度歩き出します。

私たちが泊まる予定なのは、8合目を更に過ぎた本八合目の上江戸屋。地図を見ると、距離的には5~6合目に歩いた距離以下なのですが、当然登りなのできつそう・・・。

 

やはり、7合目あたりからザ・登山という感じの登りになりました。

最初の方は大きめのジグザグで登っていくのが、7合目を過ぎるにつれ、細かいジグザグになり、傾斜もきつくなってきます。

足元も階段風だったのが岩場になり、場所によっては岩に手をかけて身体を上に持ち上げる感じになってきます。

人は結構多く、常に前後に誰かがいる感じで、抜いたり抜かれたり。5~6合目のあたりではどんどん先に行く人もいましたが、ここのあたりになると皆さんペースを落として、自分のリズムで登り、疲れたらそこここで休憩する感じ。

私たちと同じ感じのペースで登っている人が数人いて、親近感・・・。追い抜いたり追い抜かれたりするたびに、少し笑顔を交わします。

普通の登山だと、同じ登山者の人たちに挨拶をするのですが、富士山は人数が多いのと、海外からの人が多いからかそれはなかった印象。

でも、私たちが子連れだからか、後から来る人に「お先にどうぞ」と道を譲ったり、休憩している横を通る人たちから、「頑張ってるね」などと、声をかけてもらうことが多かったです。

金剛杖というのでしょうか、節目のところで焼き印を押してもらえて富士山登山記念にもなるという木製の杖を持っている人も多かったです。私たちは、荷物になりそうだったのでそれは選ばず、私は子どもたちの手を引いたり、地図を見たりと両手を空けておきました。

 

8合目にかかるあたりから、三女(7歳)が疲れを見せ始めます。更に次女(10歳)が、「頭が痛い」と言い出し、私と共に後方へ。私の父(69歳)がペースを落として、一緒に後ろに来てくれ、ゆっくり登って行くことに。

逆に、普段はインドア派で、これまでの練習登山でも一番へロっていた(w)13歳の長女が意外に元気。

しっかり荷物も持ってもらっているのに、どんどん登って行きます。他人のペースに合わせていると疲れると思うので、私の弟(38歳)と共に、先に行ってもらいます。

8合目救護所を通ったのが、午後3時くらいだったかな? このあたりは山小屋が多いので、山小屋に着くたびに、中には入りませんが前にあるベンチで休憩し、下を見て、これだけ登ってきたよーと励まします。

 

登山道に沿ってある、山小屋。

 

ガスが出てきたのか雲の上に入ったのか、段々周りが曇ってきて、太陽は見えません。肌寒く感じてきたので、荷物から上着を出して着たり、手袋をしたりします。動いているので身体の中は暖かく、でも汗もそんなにかかないという、登山には快適な感じですが、三女は完全に疲れ気味。もう歩きたくない、と言い出しました・・・。

次女の頭痛は、高山病なのか水不足なのか? トイレが有料なのと、どこにでもあるわけではないので、水を我慢しているようだったのでもう少し飲むように促します。ここまで、私と三女が7合目と8合目の間の山小屋で一度行った以外、誰もトイレに行っていません。水をがぶ飲みしているわけではなく、それに運動で水を失っているからと思われますが、次女と長女は水分不足でも頭痛になるので、飲ませます。

 

富士登山経験者の父が立ててくれた計画では、1日目で出来るだけ距離を稼いで、出来たら御来光館に泊まりたかったようですが既に予約が一杯だったので、本八合目にある上江戸屋にしたそうです。

これが、大正解と私は思いました。御来光館は、本八合目よりもう少し上にあるのですが、この’もう少し’が、体力を使い果たした三女に登れたとは思えないからです^^;

5合目から本八合目まで、ガイドブックや案内によると、5時間半~6時間。子ども連れなので、もっとかかるだろうとは思っていましたが、休憩も多くとっていたし、やはりトータルで8時間近くかかりました。

8合目から本八合目の宿となる山小屋まで、距離的にはそこまでないはずなのですが、ここで優に2時間かかりました。

朝9時頃に歩き出したので、スムーズに行けば午後も早いうちに山小屋に着けると思っていましたが、気づけば夕方。

陽が翳ってくると急に寒くなり、更に天気予報通り、小雨がぱらつき始めます。時間単位で出る天気予報では午後4時から降り出すとのことだったので、それまでに山小屋に着く予定だったのですが、間に合わなさそう💦

雨に濡れて身体が冷えるととても寒いというので、ぽつりと最初の雨を感じた瞬間に荷物から雨合羽を出して、着ました。全員に大き目の上下を用意していたので、着ている服の上から、そのままかぶります。

フッドもかぶせたいのですが、雨と共に吹き始めた風が、フッドをとってしまいます。まだぱらぱら程度だったので、かぶっている帽子で顔にあたる雨を避け、とにかくもっと降り始める前に山小屋に、と、必死で三女を励まし、歩かせます。出来たらおんぶしてあげたいところですが、この足場の悪さでは、さすがに無理・・・。

 

父は、頭痛を訴えながらもなんとか登って行く次女について、私たちの少し前を歩いています。次女はお腹空いた~としきりに言っています。やはり登山では余計にカロリーを消費するようで、もっとしっかり昼ごはんを持って来ればよかったな、と思いました。特に子どもは、エネルギー切れで途端に動けなくなってしまいますからね。

「山小屋についたらカレーライス🍛~」と、呪文のように唱えながら歩く次女。
「山小屋もうそこに見えるよ、頑張って!」と言う私に、ぽつりと三女が、「えらいこっちゃ・・・」と呟いたのが、私的にはツボに入り、笑っているうちに、ついに!

 

本八合目、今夜の宿、上江戸屋に到着です!!

みんなめっちゃ頑張った!!!!!!

 

既に着いていた長女と、私の弟に出迎えられ、宿に入ります。雨合羽を脱ぐと少しだけ濡れていて、と同時に山小屋の屋根を叩く雨音を聞き、本格的に雨が降り出す前に宿につけてよかった~~!!