シャルレティは夜の7時 | 旅ログ~とある京都フミンの奇妙なおでかけ☆

旅ログ~とある京都フミンの奇妙なおでかけ☆

とあるフミンの「おでかけ」にまつわる四方山噺☆

さて前回予告の「あれ」なんですが何かというと…


Stade de France (St.Denis)
Stade de France (St.Denis)


海外旅行恒例の「世界各国スタジアム詣で」でした~☆ヨーロッパと言えばサッカーの本場。あらゆる都市にサッカーチームとスタジアムがあるので、20数年来のサッカー好きとしては本場の事情を視察するまたとない機会なわけです。これまでローマ、ミラノ、バルセロナ、マルセイユなど各地のスタジアムを視察して来ましたが、今回はついに世界サッカーの首都・FIFA (国際サッカー協会連盟) 所在地パリのスタジアムを訪ねる事となりました。


まあ本音はサッカーの試合が見たいんですが(^_^;)…実際のところヨーロッパではチケット流通システムが未発達なので、チームの公式ファンクラブにでも加入しないかぎりは試合のチケットはそうは入手できないのです。そのうえ昨今のグローバル経済の影響でヨーロッパでも社会不安が増大して、ひところは陰を潜めていた「フットボール・ヴァンダリズム」日本で言うところの「フーリガン騒動」が再び勢いを増しつつあるので、一介のアジア人がホイホイとサッカーの試合を見に行こうものなら彼らの暴力のエジキにされかねないので、我々旅行者は試合のある日はスタジアムの周囲をうろつくはなるべく控えなければならないのです。


ヨーロッパのサッカーは土曜または日曜に国内リーグ戦(日本でいえばJリーグ)、水曜日にカップトーナメント(日本でいえば天皇杯やヤマザキナビスコカップ)や代表チームの国際試合が行われます。私がスタジアム視察を行った2月12日は火曜日。試合が無い日なのでスタジアムは安全日なのです。


さてパリのサッカースタジアムといえば、有名どころではフランスワールドカップのメイン競技場だった郊外サン・ドニ地区の「スタッド・ド・フランス」、またはヨーロッパでも勇名を馳せる「パリ・サンジェルマン」の本拠地「パルク・デ・プランス」なんですが…


Paris Saint Germain
Paris Saint Germain


しかしあまりにサッカーファンの間ではメジャー過ぎて、他でも色々と語られる事が多いチームおよびスタジアムなので、サッカーファン暦20数年の古株としてはちょっと視点を変えなければ面白くないな、ということで今回視察いたしますのは、「パリFC」が拠点を構えるパリ南部13区・シャルレティ競技場であります。


Paris FC ロゴ
"Paris Football Club" Mark


「パリFC」と聞くと…天下のフランスの首都名を堂々と冠した、まるで「レアル・マドリッド」に匹敵するようなビッグクラブのような印象を受けますが、実際のところ所属カテゴリーは「フランス全国選手権(Championnat National)」といいますから3部リーグ。日本でいうとプロリーグの「J1」「J2」のさらに下の「JFL」にあたる弱小セミプロチームです。


Paris FC イメージ


このチームを知ったのは5年ほど前。かつて英国で出版されたヨーロッパ各都市のサッカーの観戦ガイドの翻訳本を某オフな古本チェーン店で購入し、そこで紹介されていたパリに拠点を置くサッカーチームのうちのひとつが「パリFC」だったのです。


「パリFC」という大胆なネーミングの割にその本が発行された2000年当時から3部リーグの所属でした。創立間もない1970年代には1部リーグ所属だったのですが、同じパリに生を受けた「兄弟」パリ・サンジェルマンの成功と反比例するようにクラブは凋落の一途を辿り、ついには写真のようにガラガラのスタジアムで試合を行う地味なセミプロチームへと落ちぶれてしまいました。


Paris FC Image


一時は3部はおろか4部、5部リーグ(草サッカーのレベル…)にまで落ちぶれましたが、現在は持ち直して何とか3部リーグの地位をキープしております。そんなマイナーなチームなんできっと貧しい下町のズタボロの古ぼけたスタジアムで試合を行っているんだろうなと思い、モンパルナスからメトロを乗り継いで最寄り駅の「シテ・ユニヴェルシテ」に向かいました。


しかしあにはからずや「大学都市」を意味する最寄り駅の周辺は洗練された新興住宅地で、とてもマイナーな下部リーグのチームのイメージには結びつきません。シテ・ユニヴェルシテ駅から歩いて5分ほど歩くとシャルレティに到着するのですが、そのスタジアムの外観を見て私は度肝を抜かれました。


Stade  de Football
Stade Sébastian Charlety


うおぉぉ~っっ、何と立派な!!


…さほど大規模ではありませんが、新築の立派なスタジアムがそこにはありました。うーん、なんと言う事でしょう。わが地元の「いまのところ」1部プロリーグ所属の京都サンガFCが築数十年の老朽化したスタジアムで試合しているというのに、3部アマチュアの分際で何たることでしょう。ちょっと中に入って調べてみましょうか。試合が無い日で正面ゲートが閉まっているので、ぐるっと側面に回ってみると関係者用入り口のようなものがあったのでそこから潜入してみることにしました。


競技場入口


入り口の垂れ幕に「Paris Universite Club (パリ大学クラブ)」とありますので、どうやらシャルレティはパリ大学の体育会系クラブの関連施設でもあるようです。さらに後で知ったのですが、看板や垂れ幕の上のほうに舟のマークと一緒に書かれている「Mairie de Paris」というロゴは、そこがパリ市の所有物であることを示しているようです。


競技場案内


なるほど。たかがアマチュアの貧乏クラブにこんな立派なスタジアムを建てる予算があろうはずもないですからね。パリ市によるパリ市南部再開発計画の一環にパリ大学とパリFCが上手く乗っかったかたちのようです。やっぱり金持ちの大都市がホームだと違いますなぁ。


さらに中を覗いてみるとグラウンド上にパラパラと人影が…


グラウンドを望む


さらによく近づいて見てみると、パリFCのチームカラーによく似た紺色のジャージを着た男たちが十数人グラウンドにいます。


こっそり中を覗く


もしかしたらパリFCの練習に出くわしてしまったのでしょうか。プロチームの練習というのはセットプレーの練習など一部非公開で行われる場合もあるので、もしこのまま非公式で見学してたらヤバいかも…と思っていたら別の車両用入口から入って来たらしい車から、いかつい顔のオッサンたちがわらわらと降りて来てこちらのほうへ歩いてきました。これはもしかしたらヤバいかな?と思ってその場を離れ、早足でもと来た入り口へと向かいました。










Stade Charlety


やれやれ。まあでもよく考えたらホントに見られてヤバいものだったら、いくら3部の弱小チームでもそのぐらいのセキュリティ管理はするんでしょうけどね。別に誰かが追いかけて来て連行されるという事も無かったです。


シャルレティから出ると陽もだいぶ暮れていました。今日はさんざん歩き回ったのでもうホテルに帰る事にします。さていよいよ明日はパリ視察最終日です。もう生涯パリに来る事は無いと思うんで、ひとつ思いっきりベタな観光地を回ってやりましょうか。