唾液の質と量が大事! ~その1 なぜ免疫力が上がるのか~ | 118歳も夢じゃない!抗加齢専門歯科医が教えるアンチエイジングの秘密

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健康な人生を満喫している人は歯科と上手に付き合っています。歯科医師として日本初のアメリカ抗加齢医学会認定医が、歯科とアンチエイジングの意外な関係について語ります。

皆様こんにちは。栄養を科学する抗加齢歯科医、森永宏喜です。

 

昨日の朝日新聞に「舌や唾液(だえき)腺など、人間の口内の細胞にも新型コロナウイルスが直接感染している」との記事が掲載され、ヤフーニュースに転載されました。

 

口の細胞、コロナに直接感染 唾液から他人に広がる恐れ

 

まあ、新型コロナウイルスが細胞に侵入するために必要な受容体(レセプター)が唾液腺の細胞にも存在することは以前から分かっていましたし、

「口腔の総合的なマネジメントが全身の免疫や健康全般に深く関わる」というスタンスで情報発信している者にとっては「ようやく裏がとれたのね」という程度ではあります。

 

しかし、この記事には「マスクなどで飛沫を飛ばさない」ということ以外、「じゃあどうすればいいの」という対策は全く書かれていません。

 

口腔の免疫レベルを上げるためには何が必要か。それはこれまで拙著でも繰り返しお話してきた「唾液の量と質を下げない」ということが非常に大事になるのです。

 

唾液の量は足りているか?

 

ヒトは緊張すると、体内では交感神経が優位になり、呼吸循環器系は活発になる一方で、消化器系は活動が低下し、唾液の分泌も減少します。

 

危機が迫っていたり、強いストレスがかかったりして緊張が高まっていると、唾液分泌は減ってしまうということです。

 

 

 

勘の鋭い方はもうお気づきですね。1年半近く続くコロナ禍の下、仕事にプライベートにストレスを全く感じていない方など皆無に近いでしょう。ご自分の心身の状態が「疲れてるな、ヤバいな」とお感じであれば、唾液の量が減っている可能性があるのです。

 

なぜドライマウスが問題なのか?

 

唾液の量が病的に減っている状態を「ドライマウス」といいますが、その診断がつかない段階でも唾液量が減っていることは珍しくありません。そして唾液の分泌量が減ると、その「質」も低下することが分かっています。

 

唾液の物理的防御能力

 

まず液体である唾液は、常に口腔内を洗い流しています。唾液の量が減るとクチの中は不潔になります。

 

しかも唾液はただの水ではなくムチンなどのタンパク質を含む、ネバリのある「粘液」です。

乾燥している皮膚と違い、粘膜はその表面が粘液で覆われた状態で初めて細菌やウイルスに対して防御のバリアとして機能します。

唾液は口腔粘膜の免疫能力の大前提なのです。

 

唾液の化学的防御能力

 

唾液には「洗い流す、カバーする」という物理的な防御に加えて抗菌物質や抗体などの化学的防御能力があります。

代表的なものをあげると

・タンパク分解酵素のプロテアーゼ

・抗菌成分のラクトフェリン・リゾチーム

などなど、病原体を排除する化学物質が含まれています。

 

また、口腔免疫のスターともいえる免疫グロブリンA(IgA)も忘れるわけにはいきません。

 

唾液の質と量の向上には?
 

 

このように、栄養の入り口であり病原性の侵入路でもある口腔は、唾液の持つ物理的・化学的・免疫的バリアによって2重3重にガードされているのです。

 

では、そんな大事な唾液の質と量を落とさないためには何が必要なのか?次回の投稿ではそれについて解説したいと思います。

 

 

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