瑠帷の家 -4ページ目
何度でも
一度だけでも 死にたいと
思ったことが あるならば
何度だって 死にたいと
思うものよ 生きているなら
幾らの慰みも 幾らの励ましも
幾らの愛も 夜を止められない
夜が来るたび いつまでも
夜が終わってほしくない
たとえ晴れても 曇りでも
雨はやまない 雨はやまない
たとえ雪でも 嵐でも
雨はやまない 雨はやまない
幾つの慰みを 幾つの励ましを
幾つの愛を たとえ受けても
雨が降るたび どこまでも
雨に流されてしまいたい
五月五日
今日は偶然 あなたに遇えた
普段なら出掛けない街角で
騒がしい雑踏の中で
あなたは見たことのない笑顔だった
私にはとても難しいこと
彼女にはきっとたやすい
あなたのもっと違う顔を
彼女は見てるよね
五月五日の風の中
私は空を見て歩く
それぞれの忙しさ 片付けられなくて
顔を見たのは遠い話ね
将来(さき)行き不安な話もあるけど
笑顔が見られてうれしかった
私には何も関係ない
すべては彼女のおかげ
あなたのもっと違う顔は
彼女だけのもの
五月五日の夜の中
私は昔の曲を聞く
幼さが薄れて 大人のふりをしていた頃
何もかも諦めたつもりでいたけど
もう少し許してね あと少し許してね
もうすぐ 今すぐ 諦めるから
五月五日は一人夜
あと少しだけ 許してね
五月五日は一人夜
あと少しだけ 許してね
やけになりそう
友だちには言って聞かせるわ
お酒はほどほどにね
やけ酒なんか飲んでも
いいことないよって
それがどうです 今は
わたし 自分には甘い
乗れる相談 いつでもおいで
ひたすらに聴いて
ただ肯いてほしいなら
わたし できるから
わたしの話はいいよ
酒と一緒に呑むから
まだやけになる頃じゃない
まだわたしの名前もわかる
けれど 夜は長すぎて
これから やけになりそう
あんたのおかげで歌ができそう
恋に愛に見放されて
味方は嘘とお酒だけ
そしてどうです 今は
嘘にも見放されて
隣の部屋から上機嫌な歌
上手いんだか下手なんだか
どうでもいいことね
今頃 あの人は
誰かのために歌う
まだやけになる頃じゃない
まだわたしの昨日もわかる
けれど 夜は長すぎて
これから やけになりそう
花の歌
あんなにも好きだった人
今はただの人
誰よりも好きだった人
今はふつうの人
困り事 何かあれば
いつも気にかけた
意味のない正論は
すぐに忘れた
季節が過ぎるみたいなことです
相手が違うだけで
そのうち そのうち
花はきっと咲くでしょう
嫌いになったわけじゃない
好きとかじゃなく
冷めてしまったわけじゃない
そうじゃなくてね
季節が過ぎるのと似ています
春も冬もまた来る
そのうち そのうち
花はきっと咲くでしょう
夢中霧中
仕種かしら 言葉かしら
吐息かしら 目線かしら
わたしのすべてに夢中かしら
あなたはいつも夢の中
わたしはいつも霧の中
まるで近く まるで遠く
いつか 現で会いたいね
わたしを見て 本当を見て
布を払って 糸を解いて
揺蕩う飾りは夢と霧
あなたはずっと夢の中
わたしはずっと霧の中
まるで近く まるで遠く
会えないはずはないのにね

