瑠帷の家 -36ページ目
間違い探し
一つの恋が終わっただけと君は言う
愛してなんかいなかったんだね
一つの恋で二人分だったのに
二人で一つじゃなかったんだね
今の人 前の人 昔の人
終わらない間違い探し
今の人 前の人 昔の人
いつまでも間違い探し
会いたいとばかり口にする
愛なんかじゃなかったんだね
会えなければ終わりですか
見守ることはできないんだね
今の人 前の人 昔の人
終わらない間違い探し
今の人 前の人 昔の人
どこまでも間違い探し
今の君 前の君 昔の君
終わらない間違い探し
今の君 前の君 昔の君
何もかも間違い探し
時刻
あの時代は良かったと懐かしまれる時代たち
生まれなくて良かったと推し量られる時代たち
その中には幾つの年が一括りにされているのだろう
刻み込まれた夏もある 忘れ去られた秋もある
何もなかったと一言にまとめられた年には
幾つの月が一括りにされているのだろう
別れを惜しむ冬もある 出逢いに迷う春もある
すべての時を刻み込め すべての時を刻み込め
その中には幾つの日が一括りにされているのだろう
迎えたくない朝もある 消えてしまいたい夜もある
あっという間だと見向きもされなかった日には
幾つの時間が一括りにされているのだろう
数えきれない分もある 拾いきれない秒もある
すべての時を刻み込め すべての時を刻み込め
これまでに通り過ぎていった波風の中で
幾つの瞬きを君は見せたのだろう
この先で飛び込んでいく渦潮の中で
幾つの瞬きを君に見せるのだろう
すべての自分を振り返れ すべての自分を思い出せ
すべての時を刻み込め すべての時を刻み込め
すべての時を刻み込め
Rocker Angel
世の中誰もが驚く知らせに
若い日の恋を思い出した
意地になって待ち続けて
やさしい声だってはねのけた
あの人だけはやって来ると信じていた
愚かな時代だったね
Rocker Angel 音に浸らせてくれ
Rocker Angel 響かせてくれ
待とうと思えばいくらでも待てる
冷たい雨が傷に沁みる
心隠した包帯には
生きるための水が滲んでいた
疼く傷を忘れるように踊っていた
愚かな時代だったね
Rocker Angel 音に浸らせてくれ
Rocker Angel 響かせてくれ
ただ君に答えてほしいと願っていた
待ち焦がれるその時を祈っていた
愚かな時代だったね
Rocker Angel 音に浸らせてくれ
Rocker Angel 響かせてくれ
あたしの行き先
路地をひた歩いてあたしはタクシーに乗り込んだ
行き先を訊かれて「あの世まで」と言ったら笑われた
そうよね それじゃ道連れだもんね
何処で生きていたって 何処で死んだって
知ったことじゃないよね
何処で生きていたって 何処で死んだって
迷惑なのは同じよね
踏切の音が聞こえる
今すぐ降りて飛び込もうかと思ったけれど
それきりあたしの足は動かなかった
夜行列車 通り過ぎていく
夜行列車 通り過ぎた
青い海なんてものはタクシーの中からは見えない
黒い海ならば遥かにどこまでも見えている
タクシーは海の底へ行くのか
いつを生きていたって いつに死んだって
知ったことじゃないよね
いつを生きていたって いつに死んだって
迷惑なのは同じよね
不意にタクシーが停まる
「着いたよ また乗ってくれよ」
ミラー越しに微笑む運転手
そこは あたしの小さい家
あたしの小さい家
すれ違う人
まるで違う国にいるみたいだ
遠くの話はみんな他人事だもんね
あの世までの道のりとさほど変わらない
遠くの世界はどれも現実じゃないね
気づいてください ここにいます
気づいてください ここにいます
何度あの街角をすれ違ったの
それだけのことでいつも嬉しかったのよ
いつからだろう 振り返りたいすれ違い
今となってはそれも叶わなくなりました
気づいてください ここにいます
気づいてください ここにいます
お隣さんは異国の方でしょうか
近くの人は遠い 命も知らない
あなただけは私を捜してよ 見つけてよ
遠くの人は遠い 尚さら遠い
気づいてください ここにいます
気づいてください ここにいます

