水
泡の白線に区切られた水がある
目にした者は 右は赤や桃色 左は青や水色だという
泡の中 白線に閉ざされて溺れる者たち
恐らく人は 紫の水は毒々しくて見ていられないという
青の水 赤の水 互いを誹(そし)り合い 詰(なじ)り合い
交じり合う者を貶 (けな)している
嘗ての頃から同じ水であることも忘れて
混じり合う者を踏みつけている
生まれた時から同じ水であることも忘れて
雑じり合う者を殺している
ただの水が湛えられて ただの水を飲み干して
ただの水で水浴びをして ただの水に足を浸けて
ただの水に色はない ただの水に毒はない
ただの水に色はない わたしたちはただの水