瑠帷の家 -18ページ目
平和
話す言葉は正しいかもしれない
話す心は贋者かもしれない
誰がわかるのだろう
誰をわかるのだろう
握手してみても聞こえない
平和の歌が響いている
人たちが手を叩いている
肯く人は賢いかもしれない
逆らう人は愚かかもしれない
わたしはどちらにもならず
わたしはどちらにもなれず
ただスカーフの紐をほどく
平和の歌が響いている
人たちが手を叩いている
ほほえむ人たち 昨日 誰を傷つけたの
泣いてる人たち 明日 誰を笑わせるの
平和の歌が響いている
人たちが手を叩いている
この歌が終わるまでは
平和なのだろうか
この歌が終わるまでは
この歌が終わるまでは
この歌が終わるまでは
この歌が終わるまでは
未来
未来に向けて手紙を書いた
わたしは今 幸せですと
自分に向けて手紙を書いた
わたしは今 幸せですと
手紙は時流を 人を渉り
未来のわたしに流れ着く
独りではない時もあったと
泣いたわたしをなぐさめる
未来に向けて手紙を書いた
今 幸せですか
彼方に向けて手紙を書いた
今 幸せですか
未来は未来 過去は過去
明日は明日のためにある
けれど いつかの夢よ縁よ
もう一度だけよみがえれ
誰かのために手紙を書いた
いかがお過ごしですか
誰かのために手紙を書いた
お幸せにね
臆病者
触れてしまえば 口に出したら
何も 何も こわれそう
そんなこと 思ってたのは
お互いさま うらみも無い
黙っていれば 視線を逸らせば
傷つきもせず 愛されもせず
空しさだけが残る
臆病者ね 二人とも
好き同士よね 二人とも
だけど
あなたは わたしじゃ なくて いい
わたしは あなたじゃ ないと いや
あなたは わたしじゃ なくて いい
わたしは あなたじゃ ないと いや
好き同士なら結ばれるなんて
夢のような話ね
未来は何もわからないと
うたってたあなた わらってたあなた
無理なことは無理なことと
うつむいたあなた つぶやいたあなた
何が正しいのかしら
臆病者ね 二人とも
好き同士よね 二人とも
だけど
あなたは わたしじゃ なくて いい
わたしは あなたじゃ ないと いや
あなたは わたしじゃ なくて いい
わたしは あなたじゃ ないと いや
好き同士なら結ばれるなんて
夢のような話ね
大船
人生は山あり谷あり 付き物は波風
大船はいつだって
誰かを帆柱にくくりつけて進んでいく
ほら見えないか
波の間で砕けた誰かが
船の下 小判鮫のようについてくる
ほら見えないか
時の間で砕けた誰かが
船の傍 過去から今へと浮き沈み
ほら聞こえないか
渦の間で彷徨う誰かが
船の名を恨めしく繰り返す
ほら聞こえないか
人の間で彷徨う誰かが
暗い海の底で歌っている
彼岸花
彼岸の花を辿って往かれ
彼岸の花を辿って往かれ
さすればおまえの慕う人へと
畦の道から天上の道
彼岸の花を辿って往かれ
彼岸の花を辿って往かれ
彼岸の花は舟の灯
彼岸の花は舟の導
空から 雲から
紅く照らす灯
空から 雲から
道を引く導
彼岸の花は舟の灯
彼岸の花は舟の導
<漢字の読み>
往く:いく
慕う:したう
畦:あぜ
天上:てんじょう
灯:あかり
導:しるべ

