瑠帷の家 -11ページ目
突然ではありますが
突然ですが あなた様に
一人の旅をおすすめします
恋心が疲れたとき 夢や希望に疲れたとき
愛さがしに疲れたとき 二人旅に疲れたとき
そんなときってありませんか
一人の旅をおすすめします
身支度も行き先も どうぞご自分で
身なりも帰り時も どうぞご自分で
ご自分でお決めになってください
突然ですが あなた様に
一人の旅をおすすめします
日取りもお荷物も どうぞご自分で
お宿もご予約も どうぞご自分で
お一人も悪くはないでしょう
突然ですが あなた様に
一人の旅をおすすめします
どうぞ ごゆるりと
蕾桜
なつかしい場所を辿ってみても
なつかしい記憶を辿ってみても
なつかしい日々は戻らない
わかりきっているけど
蕾桜 咲こうとしている
蕾桜 咲こうとしている
明日 嵐が荒れるとしても
蕾桜 咲こうとしている
なつかしい言葉を呼んでみても
なつかしい名前を呼んでみても
なつかしい人は振り向かない
風さえも知らぬ素振り
蕾桜 咲こうとしている
蕾桜 咲こうとしている
明日 嵐が荒れるとしても
蕾桜 咲こうとしている
ばか
あんたのこと さっきから呼んでるよ
ちょっとくらい振り向いてやんなよ
あんたはあんたしか いないだろ
他でもないあんたのこと
他にいないあんたのこと
あいつは呼び続けてる
ばかみたいだ
あんた、あんた さっきからうるさいかい
これくらい許しておくれよ
あたしはこんなことしか できない
お呼びでないあたしだって
選り好みのあんただって
どっちも不幸せじゃない
ばかじゃないの
もうあいつが見えない
もうあんたも見えない
あたしはひとり騒ぎ
ばか
心臓の足音
どこかにあるゴールを目指して
なんにもない草原を
どこかにあるゴールに向かって
忘れもせず歩いていく
どこかにあるゴールを目指して
なんにもない沙漠を
どこかにあるゴールに向かって
覚えも無く歩いていく
遠くにあるのか 近くにあるのか
誰にも見えない 気づかない場所にある
心臓の足音の往方は
茫漠の輪廻の向こう
消えそうなスタートを目指して
なんにもない海原を
ありそうなスタートに向かって
覚えもせず歩いていく
見えそうなスタートを目指して
なんにもない漠然を
なさそうなスタートに向かって
つもりも無く歩いていく
遥かにあるのか 目先にあるのか
懲りもせずに足元に無いと愚う
心臓の足音の往方は
渺茫の螺旋の向こう
読み
往方:ゆくえ
茫漠:ぼうばく
輪廻:りんね
海原:うなばら
懲り:こり
愚う:おもう
渺茫:びょうぼう
螺旋:らせん
ワン・フレーズ
口をついてこぼれだしたのは
なつかしい傷の歌
わざわざ流した涙がしみていやになる
思い出さなくていいフレーズを
思い出してみたいフレーズをさがしている
何度も聞いた 歌なのに
どうかもう一度 続きを教えて
次のワン・フレーズ 歌ってくれれば
最後まで 最後まで 最後まで

