京の鷹ケ峯2 光悦の系譜 琳派の芸術
光悦の本阿弥家は戦国時代、刀剣の研磨・鑑定・売買で財を成した京の豪商。その一族から江戸初期、寛政・元禄文化をを代表する美術家が輩出している。下記系図参照。
本阿弥家の女を娶った光悦の従兄弟俵屋宗達は、風神・雷神図「京建仁寺」、松図、象図『京都養源院」、伊勢物語の芥川図の秀逸の傑作を残して、今に我々の目を楽しませてくれている。
また光悦の姉が嫁いだ尾形家からは、これまた時代を代表する尾形光琳と乾山の巨匠が輩出している。光琳の描く燕子花図(国宝)
は、単に燕子花(杜若)を描写するにに止まらず、花の群を意匠化して並べ、当時としては独創的、先鋭的な感性を示している。また彼の紅白梅図屏風(国宝)も、中央に小川を大きく描きつ、左右に紅白の梅を配した、それまでの写実的な画法を一変した鋭い感性の意匠化した屏風で、当時の人々の目を驚かせたことであらう。
また乾山は陶芸師として、茶碗に素晴らしい絵を描いて独特の世界を開いている。
●日本文化の流れ
北山文化13c後半 東山文化 4c半ば 桃山文化16c後半 寛政文化17c前半 元禄文化17c後半
足利義満 ⇒ 足利義昭 ⇒ 豊臣秀吉 ⇒ 本阿弥光悦 ⇒ 尾形光琳
世阿弥 能阿弥・相阿弥 狩野永徳 俵屋宗達 尾形乾山
夢想国師 雪舟・村田珠光 千利休 狩野山楽・探幽 円山応挙
● 俵屋宗達 下図系譜では光悦の従兄弟
俵屋宗達 風神雷神図 国宝 京都建仁寺藏
宗達 伊勢物語芥川図 同 像図 京都養源院
●尾形光琳 光琳の妹の尾形家三代目
尾形光琳 燕子花図 国宝 根津美術館
尾形光琳 紅白梅図屏風 国宝 MOA美術館 同 立ち姿美人図 重文
● 尾形乾山 光琳の弟 陶芸家
乾山 銹絵呉須梅木茶碗 乾山 滝山水図茶碗
乾山 銹絵山水図 火入 乾山 梅花散文蓋物