「上達の場に至るに二道あり、理より入るものあり、業より入るものあり、何れより入るも善しといへども、理より入るものは上達早く、業より入るものは上達遅し。」
これは、江戸時代の剣豪として名高い千葉周作の言葉です。
物事を上達する道に、実践から入る人も、理論から入る人もいるが、理論から入る人は上達が早く、実践から入る人は上達が遅いとの意味です。
これは、もちろんどちらも修練を積む前提での話です。
センスが有り、いきなり実践から入り成功するトレーダーもいるでしょう。
ただその他の一般のセンスの方であれば、そういうわけにもいきません。
武道において、「守破離」という概念があります。
「守」とは、師の教えを守り、それを反復して練習することとされています。
「破」とは、師に教えられ身に付けたことを自分の特性に合うように修行して、他流の良いところも取り入れ型を破るとされています。
「離」とは、守にとらわれず、破を意識せず、自分だけの境地を生み出すとされています。
これは、トレーダーにおいても非常に当てはまる技術習得のステップだと思います。
まずは、師となるべき本を読み、何度もそれを習得できるまで、実践と反省を繰り返すのです。この「守」は上達が見えにくく長いとされています。
すぐに芽がでるものではありません。何年もかかるかもしれません。
ただ、この段階で勝てないからといって、他の手法に変えても同じことです。
そこでまた「守」から入るのです。
いろんな手法をかじった程度で勝てるほど、相場は甘くないのが現状です。
逆にひとつの手法をしっかりと身に着けていれば、どんな手法でも勝つことができるのも相場です。
「守」の時期に勝てないのは、当たり前なのです。
そこでお金が増えなくても仕方ないのです。失敗して経験を積み、いろいろなものを身に着ける時期なのです。
ただ、初心者の方には、「広くいろんなものを見て、自分に合うものを探すように」とよく言っていますが、これは「守」を軽視しているわけではありません。
初心者というのは、まだどこの道場にも入門していない状態だと考えているので、自分が苦しい「守」の時期を乗り越えることができる道場を見つけてください。という意味です。
そして、他の流派の方に、「エリオット波動であればこうする」といった助言をしないのも「守」の段階のかたに余計な混乱をさせたくないからです。
自分の選んだ流派を信じて、修練を積んでください。目指すゴールはその先にあるはずです。基本となる書を自分の力で読み解き理解し、実践をしてください。
実践だけでは上達は遅くなります。