(vol.219) 2024/1/18(木) ニンジン食べ比べ結果検証・太陽熱養生処理 | もりもりばたけ日記

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2024年4月にOPENしたOrganic field「もりもりばたけ」のブログ。
すべてが新しい発見になるので日々の悩みや感動を赤裸々に綴ります。

忘年会のときに実施した各圃場別のニンジンの味比べ。おいしいと感じたものと糖度、硝酸体窒素の値との整合性や、栽培方法からの検証を実施した。

収穫適期が非常に大事。旬のものがやっぱり美味しいと感じるし、硝酸体窒素も少ない。大きくなりすぎると糖度は下がる。

・追肥の時期をしっかりと考え、肥切れさせないことが大事。追肥直後だと硝酸体窒素は当然上がる

硝酸体窒素と糖度の値に相関性は見られなかった

・ニンジンに絞って考えると粘土質の方がおいしいと感じる人が多い。(黒ボク土、砂壌土との比較)

・食物残渣を利用した堆肥にはミネラルが豊富に含まれており、美味しいと感じた。

発芽がそろった圃場の方が美味しいと感じた。

魚系の肥料の方が旨味が出る。植物性だけだとあっさりとする。

・アミノ酸肥料を撒いているのに硝酸が残るのは、25℃以上の高温乾燥で化学肥料化して硝酸値があがるため。灌水が重要

 

 

土作りにとって最も重要な技術の一つ、太陽熱養生処理。やっぱりここがしっかりできなかった圃場では雑草が生えたり、虫害が出たのは事実。しっかりやるには耕すタイミング、菌を散布するタイミング、透明マルチを密封することが重要になってくるが、改めてその理論を整理した。

・太陽熱養生処理をすることで雑草の種や虫を殺すだけでなく、土壌を団粒化させることが重要。

・土壌が団粒化すれば、空気と水のバランスがよくなり、根の張りが良くなり、栄養の吸収用があがり、結果、多収になる。

・納豆菌、乳酸菌、酵母菌を太陽熱養生処理の際に散布するが、納豆菌は緑肥の分解、病気防止、摩擦熱での殺菌、土同士をくっつけるという働きをする。酵母菌はCO2で爆発させて土壌をふかふかにする、アルコール殺菌効果、空気と触れたときに酢酸になるので窒素と結びついてアミノ酸化する、ミネラルをキレートして吸収しやすくする、水になり発芽を促すといった効果がある。菌を散布することは太陽熱養生処理にとって非常に重要。

 

 

オーガニック野菜は慣行栽培と比べて栄養価にそれほど差は見られないという発表があり、世界的にも土壌の栄養価が下がってきていることが問題となっている(窒素とリンの枯渇は気候変動よりもはるかに危機的状況になっていると発表されている。Planetary boundaries)。化学品を使わなければオーガニック野菜と言えると思うので、しっかりと土づくりをしていかないとどんどん土壌が痩せて栄養価が低い野菜になってしまう(5年目には収量が落ちる)。これはとってももったいない。微生物や栄養分がたくさんある土壌でできたオーガニック野菜は栄養価が高い。しっかりと土壌分析をして、必要なミネラルは必要な分だけ投入し、土を育てていい野菜を作れるようになりたい。

 

 

農機具倉庫兼作業場となる秘密基地(通称:ベース)。どのように組み立てていくか、電気、水道はいつ通すか検討中で、本当にここから始まるが本当に楽しみ。工事の様子などもブログでアップしていけたらと思う。

 

もりちん