スポーツ実践には「当然ですが」注意が必要です… | プロフェッショナルコンディショニングマスター森部塾長 獅子奮迅!

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『ポジトレ®』(商標登録第5825202号)メソッドによりジャンルを問わず結果を出し続けていることから優勝請負人と言われるようになりました。そのノウハウを記事にしています。

「スポーツは体に良い」とか「スポーツは健康づくりに役立つ」と言う人は多いのですが、現実はそうとは限らないので注意が必要です。何しろ、場合によっては真逆の結果を招くことすらあるわけで…
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私の過去に関わった事例でも、
・競技中(練習・試合中)
・自主トレーニング中
に事故やケガを受傷した選手はたくさんいます。
*指導の最中にクライアントがケガをするケースはほとんどありませんが、部活動でのオーバーユースやオーバーワークによる障害は少なくありません。

・骨折
・靭帯損傷
・打撲
・脳震盪
・半月板損傷
・アキレス腱断裂
・膝蓋腱断裂
…等々、競技種目や男女を問わずに起きています。
トレーニングとコンディショニング指導のプロとして、冷静な目で慎重に関わって指導していても発症リスクを0にできないのが悔しいです。


意外ですか?

確かに、テレビ等のメディアに露出される機会の多いトップアスリート達は、パッと見には格好良くて、言動にもエネルギーを感じます。

彼らを見て、こうしたスター選手達と同じ競技をやったら、(自分もそうなれるんじゃないか)、(うちの子もそうなれるかも)と内心思っているとしても無理はありません。それほどに彼らは魅力的ですから。

ところが、彼らの体は、実は満身創痍であったり、常時細心の注意を払って専門競技練習以外のコンディショニングを行ったりしなければならないのが「普通(当たり前)」なのです。彼らはそれら(弱点)をプロ意識や勝負師の哲学的見地から第三者の私たちに見せないようにしているだけに過ぎません。

余程頑強な人を除いては、競技レベルが高い程、競技年数が長い程、身体中のそこかしこに古傷や慢性障害を持っています。何らかの対策で調整できる範疇に収まっていれば良いのですが、それが難しくなった時は引退です。そして、実年齢と選手生命・選手寿命は同じではありません

そうした点まで考慮すると、単純に「スポーツが体に良い」とか「スポーツは健康づくりに役立つ」とは言えないでしょう。

以前、ネット上で「水泳は体を体をゆがませる!?」というニュースを読んだことがあります。その報告はイタリアのある研究グループが小児科分野の国際誌『ジャーナル・オブ・ピディアトリクス』で発表したものでした。それによると「競泳では体が非対称になるリスクは1.86倍、背骨が反るリスクは2.26倍、猫背になるリスクは2.24倍、腰痛も女性では2倍になる」と報告されています。

このことを一般のネットユーザーがどの様に理解するのか分かりませんが、せめて「水泳と競泳は違う」程度の認識を持って読まないと、「スポーツ」やその中の「水泳」というコンテンツを楽しみ、健康に役立てることから遠ざかってしまうことになりかねないことを危惧しています。

スポーツは「競技性」や「競技レベル」が高くなるほど、自分の限界に近づきます。この「限界」とは、「体力」や「技術」、「気力」の限界であり、当然ですが非日常的なレベルにあります。アスリートが勝利や記録を狙い続ける限り、当然、過酷な練習やトレーニングのレベルも相応に高いものとならざるを得ません。彼らにとっては「健康」に万全を期すのは当然だとしても、場合によっては「勝利や記録」を優先しなければ、チャンスを逃すことになるかもしれないのです。

また、人体は競技に適応して、時間をかけながらも、それに相応しい体型に変化していきますが、その結果が「一般人の求めるバランスの取れた状態」であるとも限りません。

「何のためにスポーツをするのか?」という問いかけに対しての動機は、「健康のため」あるいは「勝利や記録更新のため」といったものになるでしょう。そして、その動機が「健康スポーツ」か「競技スポーツ」の方向性も決定します。

もし…

あなたが「健康のためにスポーツをする」のであれば、「競技特性」が体に表れない程度にたしなむか、リカバリーやメンテナンス、栄養摂取にも相応の労力を払うべきだと思います。