今回視聴したのは、2022年の「デリシュ」で、アマプラにて拝見しました。
この映画、フランスの料理人を描いた話なのですが、ポスターにある様に男女の関係を描いた作品でもあります。
フランス革命前のフランスが舞台で、冒頭にテロップが流れます。
貴族が料理によって力を誇示していた18世紀
庶民は何より食べることに必死だった
旅籠などが旅人に簡単な食事を出していたが、
外食の機会は稀であった
皆で食事を楽しむレストランという場は、
まだ生まれていなかった
つまり、レストランがなかった時代に、レストランを作った人のお話となります。
話の方は、1789年、フランスの公爵の御屋敷でお食事会が開かれますが、その会の料理を担当したのが料理長のマンスロンで、彼が開発した新料理のデリシュが貴族の間で不評となり、恥をかかされた公爵はマンスロンをクビにします。
しかも不評の理由がジャガイモを使ったのが理由で、純粋に味ではなかったことから、クビになったマンスロンも腹を立てながらお城を後にします。
息子と実家に帰ったマンスロンは料理人をやめ、実家の家業のパン屋兼駅馬車の中継ステーションを再開させ、悶々とした日々を過ごします。
認められなかったことが不満ではあるものの、封建主義に対する奴隷根性のような考えに支配されており、公爵に恩がある、公爵にもう一度料理を作りたい、といった考えで悶々としていました。
そんな時、ルイーズという女性が訪ねてきて、料理人として弟子にしてくれと言い始めます。
別の貴族の元でジャム作りをしていたと言い、断っても居座るので、試しに家の作業をやらせてみると、あまり料理をしたことがないような様子で、なにやら訳ありな感じですが、取り合えずそのまま家業の手伝いをさせ続けます。
そうこうしている内に、公爵がパリからの帰りに、ここへ料理を食べに来るとの話になり、念願かなったマンスロンは張り切って料理を作りますが、手違いから伯爵は来場せず、しかしそのことが切っ掛けでルイーズの正体が発覚してしまいます。
正体を知ったマンスロンは出ていくようルイーズに言い渡し、深酒して馬から落馬し大けがを負います。
結局ルイーズに看病されて己のバカさ加減を思い知ったマンスロンですが、ケガが治ったころルイーズと息子がレストランを開業する提案をし、それにやる気を出したマンスロンは新しいアイディアを追加し開業したところ大盛況になりました。
3人で団結しうまくいったことで急速にマンスロンとルイーズの中は親密になりますが、またまた事件が発生しルイーズはこのレストランを去ることになります。
さあ、ここでマンスロンのとった行動は?
ってな感じで、今までのモヤモヤを吹き飛ばす方向へと進んでフランス革命を迎えるといった展開になります。
実はこの作品ですが、対比ストーリーとしてパリの様子がどうなっているのかという情報をちょいちょい報告するエピソードが入り、フランス革命勃発と同時に、封建主義から脱するマンスロンの姿が描かれます。
つまり革命によって貴族と市民が同等になり、貴族のものであった美食が市民にも堪能できるようになったという話でもあるのです。
見どころの一つとして、200年以上前の農家を描いているので、電気の照明がない時代だから昼間でも屋内は暗く、夜はロウソクの光で照らすので、画面自体もかなり暗い状況を再現しており、しかしこれがとても美しく、また建屋周りの自然豊かな風景もとてもきれいで、こういったところも見どころとなっています。
また、200年以上前の料理事情を描いているので、衛生的にかなり厳しい面も登場するため、ちょっと引いてしまい、あまりめしテロにはならない作品でしたが、エンディングでマンスロンとルイーズの超ベタなイチャイチャが差し込まれ、フランス人って意外やこんなのが好きなんやな~ってな感じで幕を閉じます。
まあ、二人の仲がうまくいって良かったのではないでしょうかといった作品でした。
こんな感じです。
・猫のユーリさんの動画
・猫ユーリ博士の動画