ディアー・スナイパー | mori17さんのブログ

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今回視聴したのは、2021年の「ディアー・スナイパー」でアマプラにて拝見しました。

 

ディア・スナイパー(字幕版)

 

原題は「Blood and Money」で、血とお金でしょうか?

 

主演はトムベレンジャーで「山猫は眠らない」シリーズでスナイパー役をさんざんやった人ですね。

 

なので、おじいちゃんになった今に、再度スナイパー役なのかと、いぶし銀のスナイパーをやるのかなと思って観始めました。

 

そうしたら全くそうではなく、おじいちゃん役はそうなのだけど、只のおじいちゃんハンター役でした。

 

その役柄というのが、アメリカメイン州の山奥の狩場へ足しげく通う元軍人の老ハンターです。

 

この作品、余計な説明セリフが一切ありません。

 

なので、画面に映る情報やちょっとしたセリフから観客が何かを感じ取り理解しながら淡々と話が進みます。

 

ほんで主人公ですが、過去に忌まわしい戦争体験から逃げるためなのか酒を飲み、自分の飲酒運転で娘を失っており、息子にも1年以上会っていないらしく、しかも体がボロボロで吐血するほど具合が悪いのに、雪山へシカを狩りに出かける毎日です。

 

とにかく「山猫は眠らない」の面影は一切なく、逆に病気で体力もないおじいちゃんだから、何かあったらすぐに寝てしまいます。

 

この辺は、介護経験者の私からするとやけにリアルです。

 

そして過去に娘を失っているため後悔の毎日を過ごしており、更にはよく通うレストランにいる、娘が生きていれば同い年くらいの女性が唯一の話し相手で、その人も家庭がうまくいっていない様で、それはこの女性の子供が病気がちで、しかも旦那が主人公と同じく戦争体験の出来事を引きずっており、それで酒を飲み家族に暴力をふるってしまい悩んでいるというものでした。

 

とにかく出てくる主要人物がみなドツボ的な設定です。

 

そんなドツボ主人公ですが、そうこうしている内に、鹿だと思って撃ったら人間の女性だったというとんでもなドツボ状態になり、山奥で人っ子一人いない雪山での出来事だったため、思わず逃げ出しますが、翌日現場に戻ってみると、実は殺した女性は最近発生した強盗事件の逃亡中の1人で、120万ドルもの大金の入ったバックを持っていました。

 

何を思ったか、バックを持って逃げ出した主人公は、いろいろあって残りの強盗団4人に追われることになり、とにかく120万ドルの入ったバッグを持って雪山を逃げ回ります。

 

こうなると、主人公が「山猫は眠らない」の人なので、しかも元軍人という設定ですから、強盗団相手に絶対に無双状態が始まるはずなのですが、何せ主要人物がみなドツボ状態という縛りがある作品ですから、単純に病気のおじいちゃんが吐血しながら雪山を逃げ回るといった、実にスリルもサスペンスもない、「おじいちゃん頑張れ、走れ、逃げろ」といった介護な感じの演出に、「なんだかな~」と思いながら見続けることになります。

 

因みに、強盗団と主人公の追っかけっこは、強盗団と主人公共にどちらもかなりドツボな展開で、徐々に最後の終着点へ向かってドツボが加速し、ああなっちゃいます。

 

はっきり言って、トムベレンジャーがスナイパー役から卒業するための作品なのだと思いますが、まるでそれを匂わせるかの如く、主人公も自分の人生を振り返り、大金に目がくらみ、しかし自分のおかれている状況や余命などを考え、ああいった決断に至ったのだと思います。

 

途中からの主人公の行動は、娘と重なったレストラン女性へ向けたものでしたが、雪道で彼女の旦那失踪を知ってからは、シングルマザーになる彼女への、せめてもの自分勝手な贖罪なのだろうと思われる行動をとります。

 

なんか「飢餓海峡」を思い出しますが、題名の「Blood and Money」の血は自分のおかれている立場や状況で、金は贖罪なのだと思います。

 

そう、分かりずらいけど、これは老ハンターの贖罪映画だったんですね。

 

これで良かったのかよく分からんけど、なんとなくよかったような気がするといった締め方でした。

 

ドツボ責めからの最後のハートフル。

 

う~ん、でも多分、監督もちょっとドツボ展開をやり過ぎたかな?と思ったのではないでしょうか?

 

機会があればその辺を監督に聞いてみたいです。

 

そんな感じでした。

 

 

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