令和5年3月から、四日市市では新たな『市街化調整区域における空き家活用の規制緩和』が始まっています。

 

 まず、大前提として、都市計画法の定めにより、市街化調整区域における居住用に建てられた建物の空き家は、原則、いかなる用途でも賃貸することが出来ません。

 

 一方で、全国的に空き家問題が深刻化する中、市街化調整区域においても空き家が増加しています。

 

 増加している市街化調整区域の空き家の活用方法として、条件を満たせば住宅としての売却は認められていますが、賃貸は認められていないのです。

 

 以前より、市街化調整区域の地域からは、市街化調整区域での空き家活用の促進、市街化調整区域における移住促進を図る為にも、住宅用の賃貸を認められないかという要望を頂いていました。

 

 四日市市としても、市街化調整区域における空き家活用の促進を図る必要があると判断し、開発審査会の諮問等を経て、新たな制度を制定し、令和5年3月から、市街化調整区域(指定既存集落)での空き家の住宅用賃貸を認めることとしました。

 

 この規制緩和は、四日市市が東海地区で最初の取り組みとなりました。

 

 振り返ると私は、市議会議員の頃から『市街化調整区域における土地活用等の規制緩和』について精力的に取り組んできました。

 

 都市計画法の下に、厳しい土地活用の規制が掛かる市街化調整区域において、無秩序な開発を防ぐ一定の秩序を保った上で、地域の活力を維持していく為の規制緩和が必要であるとかねてから主張してきました。

 

 その想いの根底には、農業振興の必要性は理解する一方で、自己所有の土地でも自由に活用出来ず、人口が流出し既存集落の維持すら厳しくなっていく市街化調整区域の方々の悲痛な声を近くで聞いてきたという経験があります。

 

 市議会議員の1期目の時ですが、有志の「市街化調整区域における勉強会」を立ち上げ、その後の「既存集落の土地活用の規制緩和を目指す議員政策研究会」に繋げ、多くの議員の皆さんのご理解・応援を頂きながら、議員提案での『「四日市市開発許可等に関する条例」の条例改正』を実現しました。

 

 これによって、四日市市は、東海地方で初めて人口減少の著しい既存集落であれば自己用一戸建て住宅を誰でも建てられる規制緩和が実現しました。

 

  当時のブログが以下のブログになります。

 

《四日市の土地政策が変わる!【市街化調整区域における土地活用の規制緩和に関する条例改正案を可決!】》

https://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-12008464074.html

 

 条例改正後、実態に即した形でいくつかの修正を行い、今の制度に落ち着いています。

 

 条例が施行された平成28年4月から令和4年度までの7年間で、土地活用の規制緩和を図った当条例改正を利用し415件の開発が実現しています。

 

 今後も、市街化調整区域の実態に即し、一定の秩序を維持しながら必要な規制緩和の検討を進めていきます。