7月23日、佐賀県鳥栖市に『サガン鳥栖支援』についての視察に行ってきました。


鳥栖市は皆さんご存知の通り、J1チームである「サガン鳥栖」のホームタウンであります。


 行政としてJリーグチーム誕生に向けて何が出来るのかを、人口7万2千人の市でJ1チームを有している鳥栖市に先進事例を学びにお伺いさせて頂きました。


 サガン鳥栖は、2012年からJ1に昇格し、今年でJ1、4年目となります。


 現在、J1チームは18チームありますが、その中でも2番目に人口が少ない自治体をホームタウンとしているチームが「サガン鳥栖」なのです。


 ちなみに、最も小さな自治体を主なホームタウンとしているチームは、「鹿島アントラーズ」で、茨城県鹿嶋市は人口6万6千人です。


 鳥栖市は、7万人という人口にも関わらず2015年の1試合平均集客人数が14,000人を超えており、人口220万人を超える名古屋市をホームタウンとする名古屋グランパスとほぼ同水準となっています。


 また、「鹿島アントラーズ」のホームスタジアムは「県立カシマサッカースタジアム」で茨城県が所有するのに対して、「サガン鳥栖」のホームスタジアムである「ベストアメニティスタジアム」はなんと市営のフットボール専用球技場で鳥栖市が保有し管理運営を行っています。




 20年程前、鳥栖市はサッカーでまちおこしを行おうと、市に「サッカーチーム」を誘致し、サッカースタジアムの建設を決めました。


 そして、建設費69.5億円、用地費30.8億円の合計100億円を投じて、スタジアム建設が行われました。


 建設費69.5億円の内75%は起債でまかなわれ、起債の50%にあたる26億円程度は国費が使われています。

 

 これだけの事業、当時の市長の強い意志で行われました。


特に、大きな強みが無かった7万人のまちである鳥栖市をサッカーで盛り上げたいと考えた結果の英断だったそうです。


 途中、スタジアムが完成した2年後に当初支援していたチームが解散してしまうなど、様々な障害を乗り越えて現在に至ります。


 担当者の方は、「「サガン鳥栖」のお蔭で鳥栖市の事を全国的に知ってもらう機会が出来た。」とおっしゃっていました。


 そういったシティセールスの観点から言うと、当時の市長の決断は大きな成功を収めていると言えます。


 市営のスタジアムにおいても、ネーミングライツで年間3,000万円の契約を締結する等、スタジアム運営も黒字とは言えないものの近年収支改善が図られています。


 四日市ドームの赤字が年間1億円であることを考えると、上手に運営されているという感想です。


 サッカーが盛んな四日市市においても、新しいスタジアムとなるとなかなかハードルが高いですが、Jリーグの試合が出来る最低5,000席が確保出来る会場整備も真剣に考えていく必要があるのではないでしょうか。

 

【過去の関連ブログ】

・三重県にJリーグチームは誕生するか! ~現状整理/四日市市は・・・~

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11948340093.html


・三重県にJリーグチームは誕生するか!②~三重県北勢地域/スタジアム条件はクリア出来るか~

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11974650869.html


三重県にJリーグチームは誕生するか!③~幻の3万人四日市サッカー場/23年前何があったのか~

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-12032106034.html