東方医学者 天宮蒼の診察8/9 | 森ソース

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絵がからっきし下手な男が小説を書いてみました。

基本的には、短編が多くなると思います。


森ソース-雨宮蒼

「瑠璃さん!」


「内臓、イッタかなぁ、早く病院に連れてかないと死んじゃうよ」


「瑠璃さん、少し待っていて下さい」


蒼は瑠璃を抱きかかえ道端に座らせると首に針を刺し眠らせた。


そして携帯を取り出すと、鬼頭に電話を掛けた。


「鬼頭警部、今、例の現場の前で犯人を発見しました。一台救急車をお願いします、それから・・・後処理の方も・・・」


そう鬼頭に言うと、蒼は静かに電話を切り、懐に入れた


「あれ?救急車2台じゃないの?お嬢ちゃんとアンタの分もね」


「彼女は俺が病院に連れて行く、救急車はお前の分だ、お前は被害者と同じだけの苦痛を受ける責任と義務がある。」


口調は静かなものだった。


しかし、男を睨みつける蒼の目は、鬼頭や瑠璃には見せた事の無い鋭い光を放っていた。


「ふぅん、苦痛ってこういうのか!?」


男の右手の指が引き金を引くと、拳銃は蒼に向かって咆哮と共に凶弾を放った。

蒼は目にも止まらぬ身のこなしで弾を避けて間合いを詰めると、右手で銃のスライドを引き抜き分解してしまう。と同時に左手で男の手を掴んでいた。