こんにちは。

 

コックピットに3人以上いるときって??シリーズ第3回、最終回です。

 

質問および第1,2回はこちら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さて第3回の答えは・・・

 

 

 

パイロットが「仕事の移動に使う」

 

 

 

です。

 

 

 

詳しく説明します。

 

 

例えばGWなどで客席予約が満席、というときでも運航パターン的に乗務員が自社便で移動をしなくてはならないことがあります。(業務利用です)

 

そんなときは奥の手として「コックピットの補助席を使う」ことがあります。

 

しかし、乗るまでには煩雑な手続きがあります。

詳しくは書けませんが、何重ものチェックを通過しないといけないのは理解できると思います。

なぜならコックピットに立ち入る、ということはセキュリティー上最も厳しいことだからです。

 

 

私もジャンプシート搭乗は何度も経験がありますが、当該便のキャプテンや副操縦士が気を使ってくれるものの、どちらかというと満席でも客室にいるほうが気楽だなぁと思います。

先日もそんなことがあったのですが、やっぱり座席も折りたたみ式で窮屈だし、なかなか長時間の着席は辛いものがあります。大型機でコックピットのスペースに余裕がある機種では立派なジャンプシートが備わっていますが、それでも色んな意味で客室のほうが快適だと思います。(あくまでHideの個人的な感想です。)

 

しかし、自分の乗務機種とちがう機種に乗るときはちょっとワクワクします。

「同じメーカーの機種でもこんな違うんだなぁ」という勉強になりますし、手順やシステムの違いなども確認できるので、結構好きですね。

 

逆に、私の担当する便にも何回かコクピットのジャンプシート(あるいはオブザーブシートといいます)に移動で乗られてきたことがありますが、お互い気を使うことは避けられないのでちょっと普段のようにフライトができないなぁなんていう印象です。

とはいえ、普段話すことのない機長とちょっと会話ができたり、情報共有できたりする貴重なチャンスでもあるので、思ったほど悪くないかもしれませんね。

 

 

その昔はコックピットに一般のお客様をお招きできた時代がありました。

あんな時代は二度と訪れないでしょうが、それがきっかけでパイロットになった人を何人か知っているので、航空業界ももったいないことをしているなぁと思います。

 

しかし万に一人か、あるいは億に一人か、航空保安を脅かす考えを持った人がいるんです。その人達から生命を守るためには、それ以外の人たちが犠牲にならなくてはならない・・そんな世の中になってしまいましたね。

 

ちょっと話がずれましたが、「移動でコックピットに乗る」場合、理解していただけましたか?

 

ちなみに外国では、「プライベートな移動」でも機長の許可が得られたらコックピットで移動できることもあります。外国は色々と融通が効きますね。

 

 

 

 

 

その他、稀に客室乗務員の研修や、国土交通省の方が乗られる場合もあります。(審査管だけではなく専門管や、管制官なども対象です)

 

また社内の運航管理者が年に一度の搭乗訓練で乗る場合もありますね。

 

私達パイロットが離着陸時どれだけ忙しいか、どんな役割分担でフライトを行っているのかを知ってもらうにはとても良い機会です。

 

 

 

 

ということで、様々な人が業務で利用するコックピットの補助席について全3回でお話してきましたが、少しは分かっていただけたでしょうか?

 

2メンクルーが当たり前となった現在、コックピットに3人以上乗るケースは非常に少なくなってきています。

 

しかし、改めて3人目の存在が有り難いと思うこともしばしば。

 

昔のコックピットはこんな雰囲気だったのかもなぁと思いを馳せながら、貴重なコックピットに3人(以上の)フライトを楽しんでいこうと思っています。

 

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