おはようございます。

 

いつもありがとうございます。

 

先日からお話している話題の答えその2です。

 

 

 

前回の「その1」では審査についてご説明しました。

 

 

 

 

 

今回は2つめの場合、「副操縦士の訓練」についてお話しましょう。

 

基本的に皆さんが普段乗られる旅客機のコックピットには、「機長」と「副操縦士」

2名の操縦士が必要です。

 

つまり、2人の資格者が必要だということです。

 

例えば新卒からライセンスを取って、「これからエアラインパイロットとして副操縦士任用審査合格を目指す」という立場の「訓練生」には当然のことながら「副操縦士資格」はまだありませんね。

 

しかし、OJTとして右席に座って副操縦士の業務をトレーニングしなくてはなりません。

 

一般的には、指導役の先輩が後ろに立ったり横にいたりしてOJTを行うと思いますが、旅客機の場合はちょっと違います。

 

教官は後ろにいる人=補助席に座っている人、ではなく左席の機長です。訓練生への教育、指導は教官である機長が行います。

 

では後ろに座っている人は??というと、先程申しました「資格者が2人乗ってなくてはならない」という決まりがあるので、「副操縦士資格(あるいは機長資格)」を持ったパイロットが補助席に座っていることでこの決まりを満たしているんです。

 

その補助席の副操縦士は何をするか?というと、コックピット右席に座る訓練生が通常の副操縦士業務が行えているか常にモニターし、もしできていなければアドバイスやフォローを行うという役割があります。

 

補助席にいながら「正規の副操縦士」は彼(彼女)であり、右席にいる訓練生ではないからです。

 

会社によりますが、この補助席の副操縦士のことを「SAFETY COP/FO」と呼びます。

 

また、新人で副操縦士に任用される前の人だけが対象ではなく、例えば他社で副操縦士をしていて転職してきた人の訓練や、副操縦士資格を持った人の乗務機種の限定変更訓練なんかもこのSAFETY FOが必要です。

 

あくまで「この人は当社のこの機種の副操縦士として適当であると認める」という会社の審査に合格するまでは、いくら他社、他機種で副操縦士をしていても「無資格者」と見なされるんです。

 

 

 

ということで、2つめの答えは「副操縦士任用訓練」において、運航便の資格者要件を満たすために3人めの「有資格者パイロット」が乗っている、ということでした。

 

これはなかなかご存知なかったかもしれませんが、訓練生といえどもライセンスは全て保持している立派なパイロットであることは間違いなく、業務に慣れるための訓練ですので、該当する便に乗られる皆さんもご心配なさらぬようにお願いします。

 

 

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