今日より明日 -7ページ目
どこまでもどこまでも登り続けてきた
登ることがすべての目的でそれ以外は考えられなくて
いつまでもいつまでも思いづつけてきた
思うことが明日を作るそれ以外は考えられなくて
あるとき気がついた
登る力が尽きつつある
思う心が涸れつつある
下り坂が見えてきた
このまま下れば楽かもしれない
もう何も得られないけれど
このまま下れば幸せかもしれない
もう期待はできないけれど
下り坂の誘惑に今は耐えようとしている
でも果たして登ることが正しいのだろうか
下ることは負けを意味するのだろうか
さあ果たして私にはなにが残っているのだろうか
下る勇気ができたなら
迷うことはないのかもしれない
人生を広げすぎたのなら
身の丈に畳んでいくのがいいのかもしれない
緩やかに立ち上がった春の日に
一番の作り笑顔で臨むことにしよう
だれもいない公園にたどり着いて
それでも今日の日をだめにしないよう
相変わらず名前も知らない鳥はさえずり
気がついたように枝から枝に飛び移る
誰にも会わないことを言い訳にしたり
それでも明日はなんとかなると思っている
騒がしい毎日を抜け出してきて
いろいろな言葉のトゲを全身に浴びて
ちょっと疲れてしまって
今日は一日サボると決めて
穏やかに佇んだ春の日に
ふさわしい表情を作ることにしよう
だれもいない公園にたどり着いて
それでも今日の日が意味のあるものになるよう
桜の季節に
桜の季節に出会ったの
いまでもときどき思い出す
桜の花びら見ていたら
あなたが同じ姿でいた
桜の季節に出会ったの
それからいくつも違う花
一緒に見る日を重ねては
同じように瞳輝いた
花びらが風に誘われて
枝を離れればもう戻らない
どこに行くのかどのように舞うのか
誰と会うのか誰と過ごすのか
突然強い風が吹いて
一斉に花吹雪もう勢いは止まらない
ぼくの知らない風景を見つけたのか
君はどこに行きどこで暮らしているのか
桜の季節になるたびに
いまでも必ず思い出す
いつまでも続く音楽は
やはりないのだと思い知った
桜の季節がすこしだけ
輝くばかりでなくなって
桜の花びら目で追って
どこに行くか見届けてみた

狭すぎる校庭に慣れてしまった私には
明日からの毎日が不安で仕方がない
小さな世界の中で育んだ友情は
それでもだれにも負けない
煩すぎる教室に慣れてしまった私には
明日からの世界が心配でたまらない
沈黙の中で常に争う日常は
いまから大変心もとない
私があした歩く道に
あなたはいないことを思う
私があした降りる駅に
あなたの姿は見えないだろう
私があした見る景色に
あなたはそのなかにはいないだろう
暖かすぎる教室に慣れてしまった私には
明日からの日々が見えなくてしょうがない
大きな都会の真ん中での生活は
いつかは慣れてしまうに違いない
忘れた頃に訪れる
先触れもなく突然に
たとえばそれは春の蝶
気づけばあたり一面に
忘れたことも忘れてる
振り返りもなく唐突に
たとえばそれは飛んでくる
桜の花びら方々に
忘れたことも忘れることも
思えば私の守り神
記憶の荷物抱えては
どこも行けないこの我が身
忘れることに傾いて
忘れたくないことも捨て
坂を下っていく身には
むしろ嬉しい忘れぐせ

