<つづき>

ユーフンが去っていく事に
気づいた3年生とアキ氏が
もれ達の所へ引き返してきました。

3年生は「収まったの?」と聞いてきましたが
シン氏が「いや・・・今日は引き上げたけど・・・。」
と言いづらそうにしています。

アキ氏は「ボクはもう大丈夫。
遊んでる時の事だから忘れるよ。」
と言ってくれました。

幼稚園児でしたが大人びた言葉です。

「アキ氏。ごめん。本当に反省してる。
もうルールは守って
人に怪我をさせるようなことはしないよ。」

もれはもう一度アキ氏に詫びました。

そして仲介に入ってくれた3人にも
お礼を言いました。

するとシン氏が
「石でやり返したもれ君も
良くなかったけど反省してるから
もうみんな何とも思ってないよ。
そもそも最初に石を投げたのはユーフンだからな。
あいつはまだ誰にも謝ってないし、
俺だって石をぶつけられたらカッとなる。
今回の事でやったらやり返すってのが
いけないことだってわかったんだから
その事だけを覚えておこう。」
と言いました。

6年生で小学校の地区長をしているだけのことはある
ともれは思いました。

2年後にもれも地区長になったのですが
シン氏のような後輩を導けるような
上級生だった記憶が全くありませんw

この日はそのまま解散になりました。


しかし・・・翌日の日曜日のことです。

昼過ぎにイェロ氏が
もれ家に遊びに来たので
いつものように庭で遊んでいると
林川氏が駆け込んで来たのです。

林川氏は「もれくん!イェロ氏!助けて!
ユーフンとあっくん氏が
ケンカしそうになっとる!」と
助けを求めに来たのです。

昨日の今日ですから
ユーフンの怒りは冷めてなかったのです。


「これはヤバい!」と
現場の広場へとダッシュです。

<つづく>
<つづき>

シン氏がユーフンを呼びました。

ユーフンは両手で胸元に抱え込むようにして
大量の土の塊を持って歩いてきました。

どれもこれもさっきもれの頭に
叩きつけた塊くらい大きいものです。

シン氏が戦争ごっこをやめると伝えると
「わかった。戦争ごっこは終わろう。
でも俺ともれの戦争はこれからや!
とあくまでももれを許せないと言うのです。

そして林川氏に「林川は俺の味方よな?」
と威圧しました。

もれは林川氏が「・・・うん。」と
少し間を置いて頷いたのを憶えています。

すると普段大人しい6年生のシン氏が
「待て!それではホントのケンカになる!」と
仲裁をしてくれました。

ユーフンは「そうや!ケンカや!」と
息巻いていますが
あっくん氏とイェロ氏も「ケンカはダメやで!」と
もれとユーフンの間に入ってくれました。

もれもケンカはしたくなかったので
「ユーフン。お互いに一発ずつ当たったんだから
(正確にはもれの頭には叩きつけられたのですが・・・)
おあいこってことではダメなの?」
と聞きました。

ユーフンは「ダメや!決着がつくまでやる!」
と聞く耳を持ちません。

「空爆は狙えないんだから
 土が当たったのは偶然や!」とか
「空爆を提案したのはユーフンだから
 自分も当たる可能性があるって
 最初からわかってたやろ?」などと
みんなでユーフンをなだめますが
「お前ら誰にモノ言うとんのじゃ!」と
益々激昂していきます。

このユーフンの暴走を止めたのは
「このままだとみんなユーフンから
離れてしまうよ!」
というあっくん氏の言葉でした。

ユーフンは「な、なんでや!?」と
ちょっと驚いた風に聞き返しました。

あっくん氏は「だって、ユーフン、
自分で決めたルールは破るし
いつも下の学年に力で無理矢理に
言うことを聞かせてるやん!
みんな楽しく遊びたいのに
ひとりでケンカにしようとしてるやん!」

核心を突いていました。

ユーフンはあっくん氏に向かって
握りこぶしを振り上げましたが
シン氏の方をチラッと見て手を下ろしました。

シン氏とあっくん氏は
兄弟(初出の事実で申し訳ない^^;)なので
さすがに兄の前で弟を殴るのは
まずいと思ったのでしょう。

あっくん氏はさらに
「現に、もう3年以下は林川氏だけ残して
みんなユーフンから離れていったやん。
誰もユーフンと遊びたくなくなるよ?」
またしても核心を突きました。

ユーフンは「もれとあっくん!
お前ら二人を許した訳じゃないからな!」
と言い放ち、抱えていた土の塊を
地面に叩きつけて
林川氏の腕を強引に引っ張って
去っていきました。

<つづく>
<つづき>

東チームはユーフンと林川氏の2人
西チームはシン氏、もれ、あっくん氏、イェロ氏の
4人でさっきまでの状況が反対になりました。

するとイェロ氏が
「人数差があるからボクは東チームに戻るわ。」
と言いました。

シン氏「イェロ氏!これはもう遊びじゃないで?
ここまで来たらもうケンカやで?
戦争ごっこじゃなくて戦争やで?」
と諌めましたがイェロ氏は
「でもこのまま続けたら4対2で
さっきまでの反対になるだけやろ?」
と言います。

普段は天然なイェロ氏なのですが
この戦争ごっこは
あくまでも「ごっこ」であり
「戦争(ケンカ)」にしたくないという
イェロ氏の考えがもれにはわかりました。

言葉足らずなイェロ氏ですが
幼稚園から一緒のもれやあっくん氏には
その気持ちがわかりました。

もれは「イェロ氏の言う通りやわ。
ごっこで済むうちにもうやめよう。」
と戦争ごっこの終了を提案しました。

シン氏もあっくん氏も林川氏も
「うん。それが良いね。」と納得してくれました。

イェロ氏は優しい男です。

土の塊を集めるために離れた場所にいる
ユーフン以外のメンバーは
戦争ごっこの終了に納得したことになります。

<つづく>
<つづき>

もれの頭に15cmの土の塊を叩きつけるという
ユーフンの異常とも思える行動に
東チームのあっくん氏とイェロ氏が
「ユーフン!ずるいわ!俺ら西チームになるわ!」
と反抗を表明しました。

あっくん氏とイェロ氏はもれとは同級生なので
遊びの度を越した状況を見兼ねたのでしょうね。

ユーフンは「なんだと!?寝返り禁止って
最初に決めたやろ!?」と激昂しましたが
あっくん氏が「ユーフン、自分で破ったやん!」
と反抗しました。

ユーフンは『あ・・・そうだった』という顔です。

このユーフンの緩みを突くように
最年長のシン氏が
「ユーフン、10分間休戦や!
まずはアキ氏の怪我を診てやろう!」
と制止しました。

さすがのユーフンも6年生には逆らわず
渋々休戦に応じました。

ようやくアキ氏が抑えていた手をどけて
腕を見せてくれました。

幸いにも石が当たって痛かっただけで
怪我らしい怪我はしていなかったので
「痛かったけど、もう大丈夫」と
立ち上がることができました。

もれは「ホントにごめんな。」と
平謝りでした。

その間、全員でアキ氏を囲んでいましたが
ユーフンだけは離れた場所で
大きな塊を探しています。

シン氏が「アキ氏はもう抜けた方が良い。」
とアキ氏に帰宅を促しました。

アキ氏は「うん。わかった。」と
家に帰って行きました。

シン氏は3年生2人に
「お前らはどうする?」
と問いかけました。

3年生2人のうち1人は
「ボクももう帰ろうかな。」と
戦線離脱を表明しましたが
林川氏は「・・・ユーフンには逆らえない。」と
続行を表明しました。

林川氏は戦線離脱を表明した
もう一人の3年生に
「おまえ、ユーフンに逆らったら
あとでどうなるかわからんで・・・?」と
言いましたが
「でも・・・ユーフン、ズルばっかりやん・・・。
もうついて行きたくないわ。」
と決心は揺らがない様子でした。

アキ氏と3年生1人が抜けて
去っていく姿を林川氏は
切なそうな顔で見送っていました。

林川氏は特にユーフンから
気に入られていたので
逆らえない立場だったのでしょう。

こういう関係になった事情は
もれにはわかりません。
もれの知らない所で
何かしらの事情があったのでしょうね。

<つづく>
<つづき>

アキ氏は石が当たった腕を押さえて
うずくまっていました。

もれ「アキ氏!ごめん!ごめん!」と
何度も謝りましたが
アキ氏は無言でうずくまっています。

そこへユーフンが駆け寄って来ました。

『さすがのユーフンも怪我人が出たら
冷静になったのかな?』と思いきや・・・
15cmくらいの土の塊を手に持っているんです@@;

そしてアキ氏の隣でしゃがみこんでいた
もれの頭めがけてその塊をバコン!と
振り下ろしたのです。

もれの頭で砕けた土の塊で
もれは土だらけになりました。

ユーフンは「はっはっは!!」と
大声で笑いながら
さらに大きな塊を探し始めました。

空爆ありと決めた時
3cmくらいの土の塊までとされていたのに
15cmもの大きな土の塊を
空爆ではなく直接頭に叩きつけたのです。

大きな塊だったので砕けたとはいえ
結構痛かったのを憶えています。

痛いわ、土まみれだわでしたが
今はそれより最年少のアキ氏が
心配だったので土を払って
アキ氏の腕の様子を確認しました。

<つづく>
<つづき>

石が飛んでくるのは怪我につながるので
大人しい6年生のシン氏もさすがに
「ユーフン!それはダメや!」
と叱りつけましたが
ユーフンは無視して
もれに石を投げつけてきます。

他のメンバーは土を投げ上げることに
徹しているのですが
空からは空爆の土が降ってきて
ユーフンから直接石が飛んできますから
全ては避けきれず
数発の石が体のあちこちに当たりました。

しばらく石を避けていたことが
またマイナスに働いたのでしょう。

当たらないことにイラついたユーフンは
だんだんと力が入ったようで
ほぼ全力の石が当たったのです。

あまりの痛さに
もれも思わず石を手に取ってしまいました。

『でも・・・やっぱり直接ぶつけるのは・・・』
と躊躇したもれは石を空爆したのです。

これが運の尽きでした>_<;

放物線に投げるので
狙いはつけづらいのが空爆です。

ユーフン方向へ投げたはずの石は
ユーフンではなく
最年少・幼稚園児のアキ氏の腕に
当たってしまいました。

アキ氏が「痛い!」と声を挙げて
もれはハッと我に返りました。

こうなるともれは戦意喪失です。

「ちょっとタイム!!」と叫びました。

アキ氏が「痛い!」と声を挙げたことで
みんながもれの「タイム」の意味を察して
一時休戦状態になりました。

ただ、ユーフンだけは手を休めず
石を投げてくるので
石を避けながらアキ氏に駆け寄りました。

<つづく>
<つづき>

ユーフンが決めた
チーム間の引き抜き、寝返りは禁止という
ルールを自分で破ったのですから
これにはもれも猛抗議しました。

しかしユーフンはブチキレ状態なので
「やかましい!」と一喝するのみです。

3年生2人は既に東チームの横に並んで
言われるがままに空爆を始めました。


こうなるともう一方的です。

徐々にもれとシン氏は
大量の空爆に圧されて後退を始めました。

田んぼ2つ分くらい後退した辺りで
もれはある事に気づいたのです。

空爆を避けながら土を投げ上げているのに
もれの腹や足に土が当たるんです。

『あれ?空爆なのになんで腹に?』

手を止めてみると
東チームのあっくん氏、イェロ氏、
3年生2人、アキ氏は相変わらず
土を空に投げ上げて空爆していますが
ユーフンだけがもれに直接土の塊を
ぶつけてきているんです@@;

もれ「ユーフン!それ反則やん!」
と言うとユーフンは
「知らん!もう何でもありや!」
と遂には土の塊ではなく
石を投げ始めたのです。

こうなるともうごっこではなく
6対2のリンチ状態です。

<つづく>
<つづき>

4対4で戦争ごっこ再開です。

10分ほどの攻防がありました。

自分の投げた土の弾道は
やはり確認してしまいます。

もれの投げた土が
相手チームのユーフンに当たるのが見えました。


それまでは避け切れなかった土が
肩や腕に当たっていた程度だったのですが
まともに頭頂部に当たったのです。

頭頂部に当たった土の塊は砕けて
ユーフンは土まみれになりました。

ユーフンは「うわ!」と声を挙げて
「今投げたの誰や!?」と叫びました。

もれは「もれやで~」と言ってからギョッとしました。

ユーフンの顔がマジ切れ状態だったんです。

お互いに土の塊を投げているのですから
いつかはそうなると予想して無かったのでしょうか?

ユーフンは突然、ルールを無視して
腰巾着の3年生2人(上図、林川氏と水色)に
「お前ら!俺の子分だろ!?俺の味方になれ!」
と言ったのです。

3年生2人はもれと同じ西チームです。
ユーフンは自分が作ったルールを破って
裏切れと言うのです。

4対4のチーム構成なのに
2人が東チームに入ったら
6対2になってしまいます。

でも3年生2人はユーフンに
逆らうことができず
東チームに入ってしまいました。

<つづく>
<つづき>

空爆合戦になってしばらくして
もれのチームの5年生が土の塊を避けきれず
腕に当たったことで心が折れたようで
「イチ抜けた~!」と戦線を離脱しました。

すると1年生と2年生も
「二抜け!」「三抜け!」と
どんどん戦線離脱していきます。

残ったのは

西チーム
シン氏(6年)、もれ(4年)、
林川氏(3年)、3年1人

東チーム
ユーフン(5年)、あっくん氏(4年)、
イェロ氏(4年)、アキ氏(幼稚園)

という4人ずつのメンバーでした。

一度にたくさんのメンバーが抜けたので
一時休戦して続けるか否かを相談になりました。

最年長のシン氏は大人しい人なので
「そろそろ終わる?」と言いましたが
ユーフンは「4対4だからちょうど良い!続けよ!」と
続行を主張しました。

3年生の2人(上図、林川氏と水色)は
ユーフンの腰巾着的なメンバーなので
有無を言わさず続行派にされて
もれやあっくん氏、イェロ氏など
どっちでも良い派が3人居たため
多数決で続行になりました。

もれもここで抜けておけば
良かったのですけどねぇ^^;
あとの祭りです。

<つづく>
<つづき>

さて、東西チームが境の畦を挟んで
自陣に布陣しました。

もれの所属する西チームは
このあとの展開に関係する
主要メンバーだけ書きますが
シン氏(6年)
もれ(4年)
林川氏(3年)
ほか5人の8人でした。

東チームは
ユーフン氏(5年)
あっくん氏(4年)
イェロ氏(4年)
アキ氏(幼稚園年長)
ほか4人の8人で
アキ氏は飛び入り参加の幼稚園児です。


ユーフンの号令で戦争ごっこが始まりました。

最初は面と向かっていたので
古新聞の棒で叩き合っていました。

やがて腕力の弱い低学年部隊は
6年生シン氏の指令で後衛になって
土の塊を空爆し始めました。

東チームもユーフンが低学年を
後衛にして空爆を開始しました。


数分は均衡していましたが
やがてお互いの後衛が投げる
空爆の土を避けるのに精一杯になり
古新聞での叩き合いより
空爆の方が有効だと気づきました。

古新聞の棒など邪魔なだけなので
誰もが棒を捨てて
土の塊を拾っては投げ拾っては投げ
という流れになりました。


もうこうなると当初の
飛び道具アリ ではなく
飛び道具戦争 です。

<つづく>