<つづき>

 

翌日の放課後
もれ達はまた呼び出されて
誰も居ない教室に集まりました。

 

今回は地区の生徒全員ではなく

最初から西川さんの納屋に入った

10人だけでした。

 

やがて西川さん夫婦、数分後に
別の大人の男女が入ってきました。

 

豊長くんの両親です。

 

その後ろに頬をプックラ腫らせた
豊長くんがついてきました。

 

そして先生が間で
事の経緯を話しました。

 

話し終えると同時に
豊長くんの両親が西川さんに謝罪しました。

 

西川さんも「やりすぎました」と
豊長くんの両親に謝罪して
一件落着かと思いきや
豊長くんが「ボクは許さん!」と
後ろ手に隠し持っていた
黒板消しを西川さんに投げつけたのです。

 

『こ・・・コイツは・・・@@;』

 

西川さんが激怒するより先に
豊長くんの父親が豊長くんを
ボコボコにしました。

 

え~40年近く前の話なので
体罰上等の時代です^^;

 

豊長くんは鼻血を流しながら
「も・・・もうしません・・・ごめんなさい」
と土下座しました。

 

この件以来
豊長くんは大人しい子になって
悪さしなくなり

その数ヵ月後に転校してしまいました。


そしてもれは

『秘密基地なんて二度とコリゴリだ』
と思うようになりました^^;

 

一般的に秘密基地って
良い思い出なのですが
もれには苦い思い出ですw

 

<おわり>

<つづき>

 

そこで先生から改めて
経緯が話されました。

 

西川さん「ん~?ってことは
 火遊びしたのは
 この中の3人だけってことか?」

 

その中には西川くんも含まれていて
西川さんはなんだかやりにくそうな顔をしています。

 

西川さん「まあええわ。今回は許したる。」

 

もれ達が立ち上がって部屋を出ようとすると
西川さんが「おい!」と

豊長くんを呼び止めました。

 

豊長くんは「はい?」と
さっきまで泣いていたのがウソのように
極々普通に振り返りました。

 

西川さん「わしゃ~オマエみたいなのが
 一番気に食わん!」
と睨みつけました。

 

すると反省知らずの豊長くんは
「ボクもおっさんみたいなのが一番嫌い!」と

言い返してしまったのです。

 

先生が割って入るより早く
西川さんの右ストレートが
豊長くんの左頬に炸裂しました。

 

豊長くんはまたピギャ~と泣きましたが
もう西川さんに慈悲の心は残ってません。

 

倒れこんだ豊長くんに蹴りを入れようとして
先生に止められていました。

 

この騒ぎに西川さんの奥さんが部屋に駆け込んできて
「何があったの!?」と
豊長くんを抱き起こしました。

 

奥さんの制止でもれ達は
西川さんの家を出て
各々の家に帰りました。

 

<つづく>

<つづき>

 

先生が振り返って
「西川くん。もしかして西川さんと親戚?」


すると西川くんが「はい・・・。」
と小さく答えました。

 

全員が納得したところで
西川くんの隣に居た豊長くんが一言
「ヘヘッ!ボクは叩かれずに済んだわ!」
と唯一ゲンコツを喰らわなかったことを
誇るかのように呟きました。

 

この豊長くんという子は
火遊びしたメンバーでもありますから
ゲンコツされて然るべき子なのです。

 

もれ地区の子ではなく

近くの地区(小学校は同じ)の問題児で
反省ということを知らない子でした。

 

色々なイタズラをしては叱られるのですが
全く懲りずにイタズラを繰り返すのです。

 

先生「豊長くん。君は火遊びしたんだから

反省しないとダメだろう!?」

 

豊長くん「けど、あのオッサンは

叩かなかったもんね~。」

とベロを出す始末です。

 

『当事者が叩かれずにもれは二発・・・
 ズルいヤツめ・・・。』

と思った瞬間、ドアがバンッ!と開いて
西川さんが出てきました。


真っ直ぐ豊長くんに向かって歩くと
これまでの誰に喰らわせたゲンコツよりも
強い力でガツン!!!とゲンコツを落しました。

 

あまりにも痛かったのか、豊長くんは
ピギャ~~~と号泣しました。

 

西川さんが「黙れ!やかましい!」と
一喝すると豊長くんはビクッとして
声を潜めました。

 

『まさに天罰・・・』

 

<つづく>

<つづき>

 

説明を求められたもれは

「壁に穴があって表の扉は塞がれてるので
 誰も来ないと思って秘密基地にしました。」

と答えました。

 

西川さん「納屋の中で何してたんや!?」

 

もれ「お菓子を食べるのに使いました。」

 

西川さん「お菓子を食べるのに火が必要なんか!?」

 

もれが火をつけたかのような口調です。

 

勘違いされていると気づいたのですが
時既に遅し・・・。

 

西川さんのゲンコツがもれの頭に落ちました。

 

結構、本気なゲンコツにクラクラしました。

 

西川さん「もし火事になってたら
 どうするつもりやったんや!!!」

と再度ゲンコツを振りかぶったところで
先生が制止に入りました。

 

すると西川さんは先生を殴り飛ばして
再びもれにゲンコツを繰り出そうとするのです。

 

あっくん氏がもれと西川さんの間に割って入り
「ちょっと待ってください!」と叫びましたが
西川さんのゲンコツはあっくん氏の頭に落ちました。

 

続けてもれ(二発目)、イェロ氏にゲンコツを落として
さらに低学年の子を
ゴツンゴツンとやっていたのですが
その拳がピタッと止まりました。

 

残り2人というところでゲンコツが止まったので
『はて?』と思ったのですが
ピンと来ました。

 

西川さんが次にゲンコツするのは

西川くんという低学年の子なのです。

 

つまり西川さんの親戚の子です。

 

西川さん「オマエか・・・。」

 

西川さんは西川くんの頭を
コツンと軽く叩くとカミナリは治まって
「もういい!帰れ!」と
家の奥へ引っ込んでしまいました。

 

起き上がった先生もどうして良いかわからず
「西川さん?西川さん!」と
ドアに向かって呼びかけていました。

 

<つづく>

<つづき>

 

先生は低学年の子に泣き止むように言って

30秒ほど黙っていました。

 

低学年の子たちが

少し落ち着いたのを見て

先生は「なんで逃げた?」と

ちょっと声のボリュームを抑えて言いました。

 

低学年の子「焚き火をしてたら
 入口の扉がガタガタ言ったので
 びっくりして逃げました。」

 

先生「誰々が火遊びした?」

 

今度は数人が手を挙げました。

 

その後、なぜ西川さんの納屋を
秘密基地にしたのかということから
火遊びに至るまでの経緯を尋問(笑)され
もれたちも知っている範囲で正直に答えました。

 

先生は全体の状況を把握すると

「10人全員で西川さんに謝りに行くぞ。」

と言いました。

 

勝手に納屋に入ったことは
確かに良くなかったのですが
もれやあっくん氏、イェロ氏は
釈然としない気持ちでした。

 

そのまま先生に随伴されて集団で
西川さんの家に行くと
西川さんは凄く機嫌が悪そうです。

 

ムスッとして一言も発しません。

 

先生「この10人が西川さんの納屋に出入りして
 そのうち数名が火遊びをしたとわかりました。」

 

西川さん「なんでうちの納屋に入ったんや!?」

 

怒りを押し殺しながら発した言葉だとわかりました。

 

先生「もれ君。理由を話しなさい。」

 

『え~@@;もれが話すの・・・

 西川さん、めっちゃ怒ってそうなのに・・・』

 

メンバーの最上級生はもれ達3人でしたから
仕方ないのでしょうね。

 

<つづく>

<つづき>

 

残った10人のメンバーのうち
もれ、あっくん氏、イェロ氏が
最年長になり、残りは低学年です。

 

先生「お前ら・・・先生が言う前に
 何か言いたいことはあるか?」

 

もれやあっくん氏は一ヶ月以上前から
その納屋に行ってないことを告げました。

 

先生「じゃあ、最近まで行ってたのは 誰々だ?」

 

もれ達3人が行ってないのだから

行っていたのは低学年の子なのですが

もうビビッてしまって手を挙げません。

 

もちろんもれ達は行ってないので
手を挙げませんでした。

 

誰も手を挙げないことで先生は激怒して
「じゃあ全員、連帯責任や!」
と怒鳴りました。

 

もれ達は怒られている理由が
勝手に他人の納屋に入ったため
だと思って聞いていたのですが
そうではなかったのです。

 

先生「で?火をつけたのは誰だ!?」

 

『火・・・!?』

 

もれもあっくん氏も驚いて顔を挙げました。

 

それを見た先生が「お前らか?」と聞くので
「さっきも言いましたけど
 一ヶ月以上行ってませんし
 火なんかつけてません。」
と答えると低学年の子の数人が
泣き始めました。

 

先生が「なんで泣くんや?お前らか?」
と問い詰めると
低学年の子が頷きました。

 

どうやら納屋の中で
火遊びをしたらしいのです。

 

煙が隙間から外へ漏れ出て
持ち主の西川さんが驚いて
表の板戸を開けて中に入ると
人の姿はなく、何かが燃えた後から
煙がくすぶっていたのだそうです。

 

幸いにも火事にはならなかったのですが
表の板戸は西川さんが開けるまで
外から閉ざされており
壁の穴の状況から子供が入ったとしか
考えられないということで
小学校に連絡が来たのです。

 

『低学年の子たちよ・・・

 なんてことをしてくれたんだ・・・;』

 

<つづく>

<つづき>

 

もれ地区の生徒が全員集まると

先生は「お前らの中で秘密基地で
 遊んでいるヤツは手を挙げろ!」
と初めから強めの口調でした。

 

当時、秘密基地はそれぞれのグループが
それぞれに持っていたので
ほぼ全員が手を挙げました。

 

先生「その中で西川さん(仮名)の納屋を
 基地にしているヤツは手を挙げろ!」

 

もれは西川さんという名前に聞き覚えが無くて
手を挙げずにいると
同級生のあっくん氏が手を挙げました。

 

あっくん氏「西川さんの納屋って
 ▲▲にある納屋ですよね?」

 

先生「そうだ。」

 

それでピンときました。

 

もれ「そこの納屋なら・・・。」と
もれをはじめ、基地を使っていた
10人が手を挙げました。

 

それ以外の生徒は帰されて
10人だけが残されました。

 

<つづく>

<つづき>

 

当初はもれと同級生あっくん氏、イェロ氏の
3人だけの秘密基地だったのですが
2週間目くらいにお菓子を食べていると
低学年の子が2人、壁の穴から
覗き込んでいました。

 

どうやらもれ達が入るのを目撃したようで
興味深々で覗き込んだのです。

 

バレてしまったものは仕方ないので
「誰にも言うなよ」と基地仲間に加えました。

 

それから数日後
もれ達がいつものように秘密基地へ行くと
低学年の子が6,7人で
遊んでいるではありませんか^^;

 

もれ達が居ない間に
仲間を誘ってしまったようです。

 

もれ達の顔を見て
最初に基地仲間に加わった2人は
顔をこわばらせていましたが
「これ以上、人数を増やさない」
という約束で10人ほどの基地になりました。

 

それから半月もすると
もれや同級生は基地に飽きて
他の遊びに夢中になっていましたが
低学年の数人は基地に入り浸っていたようです。

 

さらに時間が経過して
もれ達が基地の存在も忘れかけていた頃
小学校でもれ地区の男子生徒は
放課後に残るように言われ
他の生徒が帰った教室に呼ばれました。

 

『なんだろう?』と思いながら

教室へ向かいました。

 

<つづく>

もれが子供の頃、かれこれ40年近く前に
チビッコだった世代なら
恐らく秘密基地なるものを作ったと思います。

 

人によっては木の上に板を置いてみたり
小山の穴を広げてみたり
棒で骨組みして草葺きの屋根をつけたり
廃材置き場にスペースを作ったりと
様々だったと思います。

 

もれ達の秘密基地は
地区のほぼ中央にある
農家の納屋でした。

 

納屋と言っても民家から少し離れた
元・資材倉庫と言った感じの建物で
使われなくなってから
何年も経過しているであろう古い小屋でした。

 

壁は土壁で表の板戸は
石材などで塞がれていました。

 

裏手の壁の一部が直径30cmほど崩れており
もれ達はそこを少し広げて出入りできるようにしたのです。

 

小学生が出入りできる程度の穴で
表の板戸は締め切られているので
大人の出入りはありません。

 

ここにある廃材などを使って
各々の家から持ってきたカナヅチや
釘を使ってテーブルと椅子を作りました。

 

小学生が作ったので座れる程度の椅子、
辛うじて物が置ける程度のテーブルです。

 

隣の地区にあった駄菓子屋で
お菓子を購入して、ここで食べる
というのがブームになりました。

 

<つづく>

<つづき>

 

先生「さて、じゃあ切除はしないとして・・・
どんな痛みですか?」

 

もれはテーブルの鉛筆を借りて
自分の脚をグッと押してみました。

 

もれが時々感じる痛みになるように力を加減して
『これくらいかな?』という強さを確認しました。

 

続いて「ちょっと失礼します。」と
先生の腿に鉛筆を当てて同じくらいの強さで押しました。

 

先生は「なるほど・・・微妙に気になる痛さですね。
でも・・・この痛みの感じだと・・・。」
と手を伸ばして棚から何やら事典を取りました。

 

そしてページをパラパラとめくって
腿の神経の図解のページをもれに見せました。

 

先生「お聞きした症状と痛みの強さから考えて
原因は恐らくだと思います。」

 

もれ「腰ですか!?」

 

先生が言うには腿の外側の神経というのは
腰から骨盤の下を抜けて
脚の表面へ出てくるのだそうです。

 

先生が指差した腰の神経が通っているのは

腿の外側でまさにもれが痛みを感じている場所でした。

 

腰に異常があると、そこを通る神経の末端(腿付近)に
痛みや痺れが出ることがあるのだそうです。

 

先生「もし今後、痛みが気になるなら
形成外科を受診してください。
私はヘルニア持ちなので同じ様な場所に
痛みや痺れがあるんですよ。
もれさんの場合、その痛みの場所の外側に
たまたま塊があっただけですね。」

 

『ヘルニア@@;』

 

先生「今程度の痛みなら急がなくても大丈夫だと思いますが
気になるようなら受診してMRI等で調べてもらうと良いですよ。」

ということで診察は終わりです。

 

現状は腰にも痛みがなく
微妙な痛みなので形成外科には行っていませんが
今後、痛みが強くなったら受診しようと思います。

 

老いたなぁ・・・;

 

<おわり>