DNS Sports1コースを受講した方々がまとめブログを書かれているので僕もあやかって・・・
Dynamic Neuromuscular Stabilization(動的神経筋安定化)とはDevelopmental Kinesiology(発達運動学)における神経生理学的側面を基本のコンセプトとしています。
つまり、赤ちゃんの運動発育を基本コンセプトとしたリハビリテーション及びエクササイズアプローチです。
「なんだよそれ、なんでそんな事やんなきゃいけねーんだよ」
と思われますよね笑
なぜそのExerciseが必要か・・・
Becauseが大事!!
そもそも我々の日常生活は如何にして営まれているか?
「Motion is Life」
~Hippocrates~
という言葉が示す通り、動作を実行することにより我々は日常生活を営みます。
ですが、Motionという部分的な動きではなくて、それらが統合されたMovementとという捉え方が正確でしょう。
では、その動作を我々は如何にして学習し、実行するか。
動作を構成する要素を大まかなに以下の3つに分けたとしましょう。
■神経系
■軟部組織系(筋筋膜)
■骨・関節系
動作は・・・
1・脳が動作単位に神経指令を発する
2・その神経指令を受取った軟部組織が収縮
3・結果、関節系統が動く
の3ステップです。
それらの中でCNSに対してフィードバックが送られて、我々は動作を学習・実行します。
では我々はなぜ歩く・走るといった動作だけをみても、それぞれに違う動き方をするのか?
そもそもAさんは生まれつきあの歩き方なのか?
Bさんは生まれつきあの姿勢なのか?
約75%の新生児は理想的な身体構造を持って生まれてくると言われています。
つまり。遺伝による器質的変化などがなければ大概の人は同じような状態で生まれてくる。
それなのになぜ個々により姿勢や動作は違うのか?
それは成長過程において人間は感覚器(視覚や皮膚感覚など)から情報を取り入れて、自己流の動作パターンを運動学習するから。
つまり、僕達それぞれの姿勢や動作って今までの経験から身に付けてきた履歴書みたいなもの。
でも、もしその運動学習過程に最適じゃないものがあった場合どうなるか?
結論からいうと身体のどこかに痛みやだるさが出やすかったり、効率の良い力発揮ができなかったりします。
痛いのは当然イヤだし、アスリートならより良い競技成績収めたいですよね。
じゃあ、動作を改善しようよ!!
って話なんですけど、「どっから改善すりゃいいんだよ!?」ってわけですね。
■傷害などによる誤った運動学習
■文化的背景
■個々の日常生活による姿勢や動作の変化
様々な要因が絡み合い、我々は効率の悪い動作パターンを学習している可能性があるわけです。
どこをどんな風にどんな順序で改善すりゃいいかは姿勢や動作や呼吸やフィジカルを評価して決めてく訳なんですが、
Performance Upを図る為に自分が生まれた時から遡って考える。
つまり、発育発達過程の一番最初の段階からもう一回適切な動作パターンを身につけるトレーニングしていこうよ!!
ざっくり私的なDNSに関する必要性をまとめるとこんな感じです。
運動学習における可能な限り大元へとアプローチするDNS。
実に興味深いです。
そのDNSの今回のコースでキーワードになったのが
■Joint Centration
■3Month Position
■IAP(intra-abdominal pressure)
です。
75%の赤ちゃんは理想的な身体構造を持って生まれてくるが、最も安定した理想的な姿勢を取れるようになり始めるのが生後3か月の段階。
お母さん方はご存じの通り、首がすわり始める(ヘッドコントロール)段階です。
この頃からいわゆるStability Muscleによる頸椎のコントロールを学習しはじめます。
つまり、視線が動かせるようになり、一気に感覚器から中枢への情報量が増えはじめます。
よって、この期間って発育発達過程において重要視されます。
そのためDNSにおける発達運動学としても1st Phaseと呼ばれ、まずこの3か月の段階で理想的な姿勢、呼吸が行えることから始めます。
講師の方も20時間通して、「3Month Positionを思い出して!」を連呼されてました。
その後4.5ヶ月頃を2nd Phaseとして各肢を個別に動かせるようになり、IpsiLateral・ContralateralといったGrobal Patternでの動きを行いはじめますが、まだ立ち上がれない段階。
そして、動作のError Patternを学習しやすいのもこの段階。
多くの人はいわゆるMobility Muscleといわれるグローバルな筋に依存し、代償動作にて動きやすい。
だから、まず正確な3Month Positionを作ることに時間を割き、2hd Phaseのトレーニングをするんですね。
その正確な3Month Positionのためには脊椎・体幹部のコントロールされた矢状面での安定化が前提となり、その為にはIAPの上昇がキーとなります。
写真のようにIAP上昇のためにはいわゆるインナーユニットの協調運動が不可欠です。
インナーユニットの中でも近年ではDiaphragmの機能に注目が集まっています。
Diaphragmは呼吸における吸気の主動筋ですが、不良姿勢などによりAuxiliary MuscleであるSCMやScalene・Pec Minorがover useになり、DNFが抑制されやすい。
そうなると・・・
・胸部が引き上げられ、Diaphragmの下降が不十分でIAPが高まらない
・DNFなど頸椎コントロールに重要な筋が抑制されたことでError Patternが中枢へと送られる
今まで大切と言ってきたことが全て壊されちゃいますね・・・。
そこでDNSではDiaphragmの機能を取り戻すため、Respiration exeを重要視されてました。
Diaphragmが正常に機能し、IAPが高まることにより・・・
・DNFにより頸椎がコントロールされて首がすわり、顎が引ける
・IAPは脊椎の主要なStabilizerとして働き、腰椎に対して屈曲方向の圧力をかける
それにより脊椎は1本の柱のようにElongationされる。
つまりコレが脊椎の矢状面での安定化が図られた状態となる。
それは脊椎の骨間接触面積が最大になった状態であり、Joint Centrationが取れている状態となる。
このCentrationされた状態は関節やその周辺軟部組織へ最適な負荷がかかり最大筋パワーを生み出すことができる関節位。
また関節周囲には「動きの受容器」ともいわれるmechanoreceptorが豊富に分布しているため、より効率良く中枢へのフィードバックもされるのではないでしょうか。
まずは3Month PositionにてIAPを高め、関節におけるJoint Centrationを獲得する。
では、それを普段の指導の中にどのように取り入れていくのか・・・?
例えばDead Liftの導入を考えているクライアント様に対して
反転させるとこんな感じ。
これって写真右の6month positionと・・・
同じだと思います。
ならDead Lift導入のためにはこの6month positionでJoint Centrationが保てる必要があるかなと。
Dead LiftはGray Cookも推してるExerciseですし、当施設でも多くのクライアント様に取り組んで頂いています。
だからこそ安全かつ正確に導入したいExerciseです。
この6month position自体をExerciseであり、Dead Lift導入のScreeningにするのもありかなと考えています。
なんにせよ今回学んだこの奥深いアプローチ。
まだその一端に触れただけですが、今後どのように活用し、既存の知識と結びつけていくか。
今から楽しみです。