幸せの渦中と不安の渦中 | Moratoriumer´

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今日も波に揺られて海を漂う。

人は危うさを持たずとも生きられるんだろうか。

もしそれが許されるなら

うちはまだ生きられるんだけども。

ずっと

腹ペコであろうと思ってきた。

どこかで満足してしまったら

そこでうちは終わっちゃうんじゃないかって。

本当の幸せを感じてしまったら

うちは死んじゃうんじゃないかって。

だからどんなときもどこかで何かを求めて

どこまでもその先を

何もない空白に何かを求めて

いやそこに自ら色を付けて

まだ見ぬ色があるんじゃないかと

理想に近い架空を描いて

そうやって生きてきた。

そういう精神があるからこそ

自分の根本はすごく冷たいんだと

そう思ってきた。

人は何のために生きてるんだろうと

初めて考えた。

人は何を求めて生きてるんだろうと。

もしそれが

「幸せ」

というものだったら

うちはこの先何を求めて生きたらいいんだろうと。

今の幸せで満足してしまったら

きっとうちは不意に死んでしまうから

この先の想像もできないような幸せを

どこまでも求めて生きていこうと思う。

もっと生きたら

今の幸せよりもきっともっと幸せな日々があるから

うちはどんなに今が幸せでも

明日をわくわくしながら迎えようと思う。

負だけではない力を力に。

今までのうちにはなかった力を力にして。

こんなに幸せに浸っている自分に

一体どんな力があるのかは知らないけど

一人では持ち得なかった力を

ようやく手にしたように思う。

自分の命をかけても

守りたいものがあって

自分の命がこんなにも軽く感じるほど

重たい命があって。

でもその命には

きっとうちが必要なんだろうと

自分善がりにそう思いながら

うちは今を生きている。

・・・とは言うものの

自分が今こうして生きていることが

正直不安でたまらない。

こんなに幸せな思いをしていいのかと。

いつかバチが当たるんじゃないかって

どこかでそんな恐怖を感じながら。

それでもその命を前にしたら

揺るぎない言葉でこう言える。

「幸せになろう。」

「大丈夫。」

それは本当は

おそらく

他の誰でもない自分への言葉。